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南斗人間砲弾
なんとにんげんほうだん



流派: 南斗聖拳の一派
使用: ガレッキー (対 ケンシロウ)
ゴールドウルフ軍(対 ケンシロウ、 村人達)
登場: アニメ版北斗の拳(19話)


 人間を大砲で空高く撃ち出し、上空から剣で襲い掛からせるという南斗聖拳の一派。TVアニメ版北斗の拳に登場したガレッキーが創始した拳であり、彼が率いるゴールドウルフ軍の全員が使う事ができる。

 気球に乗った仲間が上空から正確な方角・距離を導きだすことで、砲筒の向きを微調整する事でき、これにより的確な砲撃を可能としている。ただ、撃ち出される者、点火する者、距離を測る者という風に、実戦するには多くの人員が必要なため、一人で行うには難しい拳法であると言える。

 攻撃以外にも、敵のバリケードを飛び越えられるという利点があり、この方法によって守りの堅いジーナの村をいとも簡単に制圧した。しかしケンシロウには落下前に上空で迎え撃たれるという方法で簡単に撃破されている。創始者であるガレッキーのは、スピンが加わっている分、部下のよりも優れているらしいが、ケンシロウの北斗虚空斬に撃ち負けて破られた。




 アニメ北斗を一度でも見た者であれば必ずその脳裏に焼き付けられている、最大級のインパクトを誇る拳法だ。しかしこの拳の印象を一言で言ってしまえば「マヌケ」である。大砲で人が飛ぶなど、ギャグ漫画とアメリカの家族サーカス団以外で目にしたことは先ず無い。しかもそれを劇画中の劇画である北斗の拳でやってしまっているのだから、目立って当然である。
 しかし、遥か昔中国で実際にコレを実践した人物がいた。時は西暦1500年頃、明の時代。漢の名は王富(ワンフー)。彼の目的は「宇宙に行く」事であった。彼は火薬を竹の筒に詰め、その爆発で宇宙へと旅立とうとしたのである。しかし当然失敗に終わり、王富もその時の事故が元で命を失った。正しくこれは南斗人間砲弾の元祖である。同時にガガーリンの先輩でもある。王富なくして、いやさ南斗人間砲弾なくして人類は宇宙に旅立つことは出来なかったと言っても過言ではない。こんな哀しい歴史を持つ南斗人間砲弾を、我々はどうして笑えようか。私には今でもガレッキーの背で笑顔を浮かべている王富の霊が見える。顔、知らんけど。

 冗談はおいといて、実際南斗人間砲弾が強力な技であることは確かだ。拳王長槍騎兵隊の死の特攻も、真髄は「上空からの攻撃」にあると言っていい。しかし、相手が崖下にいなければ発動できない死の特攻とは違い、人間砲弾は大砲さえ有れば何時でも何処でもそれが可能なのだ。天才と馬鹿が紙一重なように、優れた奥義と馬鹿な奥義も紙一重なのである。