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[第19話]
悪党ども!
死への片道切符を用意しろ!!


 ケン達は、ジーナの村から逃走したKING軍の後を追っていた。彼等が残したとキャンプやタイヤ跡が、サザンクロスへと続いているはずだと推測したのだ。だが、KING軍はそれを逆手に取り、逆に罠を仕掛けていた。キャンプ跡に気を取られているケンシロウを、岩陰から射抜く作戦を立てていたのだ。しかし、彼等の殺気は、既にケンに気取られていた。彼等の放ったナイフは、ケンのヌンチャクにより、全て眉間へと弾き返されたのであった。

 サザンクロスの中にある、奴隷街。そこでは、一人の青年が鞭を受けていた。その男テムジナは、サキの兄であった。KINGに反逆した者は、その身内が罰を受ける。そのサザンクロスの掟により、ユリアの脱走を手引きしたサキ本人ではなく、兄のテムジナが罰を受けさせられていたのだ。止めに入ったサキまでもが鞭打たれる様をみて、直々にその中止を訴えるユリア。掟に従わないわけにはいかないバルコムは、当然その頼みを却下するが、その処刑を止めたのは、掟を作った本人であった。何時の間にか訪れていたシンが、再び振り下ろされようとしていた鞭先を握り、処刑の続行を止めたのである。誰の許しを得てこのような事をした。掟に従っていただけのバルコムをそう叱咤し、蹴り飛ばすシン。その無茶な道理にも当然バルコムは逆らえなかったが、この時、既にバルコムの中には、シンに対する強い不信感が生まれていた。

 KING軍のタイヤの跡を辿り、荒野を進むケン達。しかしその時、不幸にも砂嵐が一行を襲った。岩陰にテントを張り、嵐を過ぎ去るのを待つケン達であったが、嵐によって完全にタイヤ跡は消失。運までもがKING軍の味方をすることに、愚痴をこぼすバット。しかし、ケンは全く別の事を考えていた。日々激しくなる敵の攻撃からリンやバットを守りきれるのかどうか、ケンには自信が無かったのだ。嵐が止んだらジーナの村に戻れ。そのケンの勧告に、当然二人は反対するが・・・

 ユリアの部屋にて手当てを受けたテムジナは、話の中に出てくる七つの傷の男に興味を示した。ケンシロウなら必ずサザンクロスの人々を解放できる。そのユリアの言葉を信じたテムジナは、ケンを呼びにサザンクロスから脱走することを決意。バイクで関所を飛び越え、追っ手の攻撃もかわし、見事脱出を成功させたテムジナであったが・・・

 一方、未だケンシロウがジーナの村にいると思っているKING軍は、再びジーナの村へ進撃を開始し始めた。見張り台にてそのKING軍の接近を確認したジョニファーは、警鐘を鳴らして危機を伝達。村側も前回の経験を生かし、村のまわりにバリケードを造っていたため、KING軍も簡単には村に入って来れない構造になっていた。村を取り囲んだゴールドウルフ軍は、ケンシロウを出すように要求。ケンはもういないと言う村側の主張を信じないウルフ軍は、構わず村へ突撃をしようとする。しかしその時、隊長ガレッキーの懐中時計が鳴り始めた。するとガレッキーは、突然食事の用意をしろとの、流れを無視した命令を下してきた。食事の時間は守る。それがガレッキーの家系に伝わるしきたりだったのだ。3時間の猶予を与えられたジーナの村は、その間にケン達を呼び戻す事を決めた。村男のテディベアと共に、ジェニファーは村を脱出。ゴールドウルフ軍の追っ手をなんとか振り切った二人は、程なくケンシロウ達に追いつき、村の救助を依頼した。ジェニファーのバイクに跨り、ケンは単身ジーナの村へ・・・

 ガレッキーの食事が終わると、いよいよゴールドウルフ軍は村への侵撃を開始した。大砲で人間を飛ばすという荒技、南斗人間砲弾の前には、バリケードは何の意味も持たず、村はあっと言う間に占拠されてしまった。

 村へ向かってバイクを走らせるケンシロウに、ジャイロヘリに乗った集団・ブラックバード軍団が襲いかかってきた。バード軍の手榴弾投下をドラテクで回避したケンだったが、雨霰のような槍攻撃に耐えられず、バイクは炎上。しかし、バイクを失ったことにより、逆にケンの動きは機敏になってしまった。爆撃を簡単に回避したケンは、先ほどの槍を投げて次々とヘリを撃破。更に一旦姿を隠し、隙をついて隊長マハリのヘリに搭乗。マハリを秘孔 頭亜にて自在に操れるようにし、わざと暴走運転をさせることでヘリの陣形を乱し、次々とヘリを同士討ちさせていった。そしてそのままジーナの村へと帰還したケンは、最後にマハリのヘリをゴールドウルフ軍のど真ん中に墜落させたのだった。

 その頃テムジナは、追っ手達に命を狙われていた。ナイフを背に受けても、テムジナは走り続けた。ユリアへの恩、そして、妹サキへの思いがテムジナをつき動かしていた。バイクで渓谷を飛び越え、なんとか追っ手を振りきったテムジナは、ガソリンの尽きたバイクを捨て、徒歩でケンシロウを探す旅へ・・・

 息つく暇もなく、今度はゴールドウルフ軍の南斗人間砲弾がケンシロウに襲いかかってきた。空中からの敵に対し、自らも跳躍して迎え撃つケン。そんな壮絶な空中戦が広げられている中、裏口から村の中に侵入してきた者達がいた。ジェニファー達がバットのバギーで戻ってきていたのであるケンに気を奪われていたゴールトウルフ軍は、何一つ気付くことなく、村人達を解放されてしまったのであった。

 部下を全滅させられたガレッキーは、今度は自らが砲弾となりて襲い掛かってきた。南斗人間砲弾の創始者であるガレッキーの拳は、部下のそれとは一線を画していたのだ。しかし、ケンにとってはどちらも大差は無かった。北斗虚空斬にて撃退されたガレッキーは、体の自由を奪われ、地面に突き刺さったまま動けなくなってしまったのだった。奥の手として捕らえておいた村人達も解放され、万策尽きたかに思われたガレッキーであったが、彼にはまだ更なる奥の手が残されていた。村の子供、タミラとカシム。その二人を気球に乗せる事で、手の届かない場所に人質を設けていたのだ。だがその時、ケンはその状況を打破するある作戦を思いついた。彼等が得意としてきた南斗人間砲弾を、逆に利用してやろうと考えたのだ。動けぬガレッキーを砲筒へと詰め、発射の号令をかけるケン。再び砲弾と化したガレッキーは、見事気球の風船に穴をあけ、そのまま砂丘の彼方の爆音の中に消えたのだった。

 全てを解決したその時、おぼつかない足取りの男が、ケン前へと現れた。それは、怪我と披露で死にかけていたテムジナであった。緑の大地、悪魔の目の中。それがテムジナの残した、サザンクロスの場所を示すキーワードであった。ユリア、サザンクロスの人々、そして妹サキを救うようケンシロウに依頼し、その勇敢な男は生きた得たのであった。

 ゴールドウルフ、ブラックバード軍の全滅、そして、脱走したテムジナの死亡報告が、シンへと伝えられた。勇敢に果てたその兄の死に、サキはユリアの懐で泣き崩れるのであった。

放映日:85年2月28日


[漫画版との違い]
・アニメオリジナルストーリー


・No.1GAGストーリー賞
今回は、全ストーリーの中でも一番ギャグ色が出ているおはなし。大砲で人ぶっ放して、気球に穴を開け、そのまま飛んでって地面に落下。そして爆発。いつの時代もギャグマンガの王道は爆発オチです。
※北斗の拳はギャグマンガではありません。
・下に情報下ろしてくださいよ室井さん!
一度ジーナの村を出た後にKING軍の襲撃を受けているのに、それが全然ゴールドウルフ軍に伝わってないってのはどうよ・・・。
全く協力しようという意識がないんですな。まあそれは21話を見れば明らかなんですが。この辺りが拳王軍とKING軍の差なんだろうなあ。兵器を入れたら拳王軍よりも戦力は勝りそうなんだが、やっぱり忠誠心とかの差で、負けるんだろうなあ。


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