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[第20話]
悪夢の総力戦!
俺の拳は100万ボルト!!


 テムジナの残したキーワード、緑の大地、悪魔の目。ジーナの村の村長は、その言葉の意味する地を知っていた。村から南へ五百キロにいったところにある、周りを小高い山に囲まれた地。そこに、かつて緑の大地と呼ばれた場所があるというのだ。遂にシンの居所をつかんだケンは、早速村を出発することに決定。ジェニファーがナビゲーターとなり、更に子供達の護身として手榴弾を受け取ったケン達は、一路サザンクロスへ向けて旅立った。だがその時、突如鷲の大群が、村の上空を旋回し始めた。それを見た村長は、ケン一行の行く末に、何か不吉なものを予感するのだった。

 南へ向かうケン達の前に現れたのは、ヒドラ率いる武装バギー軍団であった。早速村長から貰った手榴弾で撃退してゆくも、その数は一向に減らない。そしてとうとう一台のバギーに追いつかれたかと思ったその時、ケンは車から飛び降り、彼らを迎撃した。だが、最初からケンが狙いのバギー軍団にしてみれば、それは思い通りの展開であった。鎖でケンの両腕を捕らえたヒドラは、六台のバギーでそれを引き、ケンシロウを真っ二つにしようとする。アクセルを唸らせ、ケンを左右へと引くバギーであったが・・・

 追いかけてきた二機を、見事なドラテクで同士させることに成功したバットは、リンと共にケンを探しに行こうとする。しかしその行く手には、バギー軍団のリーダー、ヒドラが立ちはだかっていた。だが、高笑いを上げるヒドラの形相は、次第に苦悶の表情へと変わっていった。ヒドラは既にケンに秘孔を突かれていたのである。六台のバギーを相手に力で勝利したケンシロウ。先ほど目の前で起こったその信じられない光景を走馬灯のように振り返りながら、ヒドラはその身を吹き飛ばしたのであった。ケンと合流し、一行は再びサザンクロスへと向けて出発。しかし、その模様の全ては、KING軍の偵察隊によって目撃されていた・・・

 ケン達が一路サザンクロスへ向かっていることを知ったシンは、遂に奥の手を使うことに決めた。派手な爆発と共にその封印を解かれた最終兵器は、ゆっくりとレールの上を走りはじめた。南斗列車砲。巨大な砲筒を先頭に従えた巨大な列車砲が、ケン達に立ちはだかる最後の関門であった。

 緑の大地、サザンクロス。ケン達は、遂にその街を視界へと捉えるところにまで来ていた。最後の戦いへ向け、一気に街へ突撃しようとする一同。しかしその時、砂煙と共に南斗列車砲が姿を現した。列車砲戦艦隊の指揮官・トウダは、先制の巨大砲弾を発射。着弾によって生まれた砂の大波をなんとか建物の陰に入って回避したケン達であったが、その破壊力はあまりにも規格外であった。しかしジェニファーは、列車砲の欠点を見抜いていた。あれだけの威力をもつ砲弾は、一度打てばリロードに時間がかかる。一度弾を打たせ、次の弾を込めるまでのタイムラグを作りだせばなんとかなるかもしれない。そしてその一発目を打たせるため、ジェニファーは自らが囮になることを決意していた。必ずKINGを倒して!それが、ジェニファーの最後の言葉であった。止めるケンの手を振り切り、バイクで飛び出したジェニファーは、列車砲の凶弾によってその身を吹き飛ばされたのであった。

 ジェニファーの死を無駄にせんとばかりに、ケンは列車砲に向けて猛スピードで駆け出した。ケンの狙いを知り、急いで次弾を装弾しようとする列車砲戦艦隊。しかし、発射準備が整った時には、彼等の前には怒りに燃えるケンシロウが立っていた。

 北斗縦列破にて部下を全滅させられたトウダは、列車砲を捨て逃走。当然逃がすわけにはいかないケンは、残った兵たちに列車砲を運転させ、後を追う。だが、トウダはただ逃げたわけではなかった。彼の行く先には、列車砲を上回るさらなる奥の手があったのだ。トウダが逃げ込んだ秘密要塞、それは、海底深く沈められていたのをトウダが修復した大戦艦であった。

 戦艦に搭載された大砲やランチャーを使い、列車砲を爆撃しはじめるトウダ。しかし列車は止まらなかった。自らの列車砲の丈夫さが仇となったのだ。スピードを殺すことなく走り続けた列車砲は、轟音をあげて戦艦と衝突。かくしてKING軍の2大兵器は、ケンシロウ一人の前に葬り去られたのであった。

 ケンに追われ戦艦内を逃げまどうトウダ。とある部屋へと逃げ込んだトウダは、ケンが入ってきたところを殴打せんと棒を構える。しかしその最後の抵抗も、最壁を突き破って入ってきたケンには何の意味も持たなかった。万策尽き果てたトウダに秘孔を突き、ケンはジェニファーの仇をとったのだった。しかし、KING軍の攻撃はまだ終わってはいなかった。バルコムの引き連れたヘリ軍団が、戦艦に向かって爆弾を投下し始めたのだ。降り注ぐ幾多もの爆弾を喰らい、戦艦は炎上。そして、そしてケンが戦艦の中から帰ってくることは無かった。

 早速ケンシロウの死亡をシンに報告するバルコム。その知らせは、シンの顔に笑みを、そしてユリアの顔に涙を運んだ。しかし、ジョーカーだけは、一人納得のいかない表情をしていた。ケンシロウの強さを知るジョーカーには、ケンシロウがそう簡単に死ぬとは思えなかった。

 夜になり、燃え尽きた戦艦の前に立つリンとバット。ケンを信じる2人にも、流石に絶望感が漂い始めていた。
放映日:85年3月7日


[漫画版との違い]
・アニメオリジナルストーリー



・無茶苦茶
北斗の世界観を無視した、ある意味究極の回。列車砲やら戦艦なんか相手に、よく勝てたなあという感じなのだが、これはトウダがアホだからに尽きる。ジェニファーなんかほっとけよ。ケンだけ狙ってりゃかてたんじゃねえのか。結局列車報を奪われた所為で、次の戦艦まで壊されちゃうし・・・。それなら列車報ずっと温存しといたほうがマシやったやん。だいたい戦艦でケンの乗る列車砲に砲撃して効かなかったからって「や・・・やつは悪魔か・・・!!」って・・・おいおい、あんたの列車砲が丈夫なだけやん。恰好だけでなく頭もパーですなこいつは。
・世に平和を齎す存在
数多くのインパクトキャラに押され、その見た目と反してまったく目立たなかった武装バギー軍。仕方ないよね。ジェニファーやバットは勿論、リンにまでやられちゃってるんだから・・・

バット「リン!手榴弾だ!!」
リン「うん!!」
バット「も一丁いけ!!」
リン「うん!!」


がんばれ天帝。この世に光を取り戻すために。


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