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宗家の拳の受け技
そうけのけんのうけわざ



流派: 北斗宗家の拳
使用: ケンシロウ(対 カイオウ)
登場: 北斗の拳(208話)/アニメ版(151話)


 2000年前に生み出された、北斗宗家の拳の完全なる受け技。北斗宗家の拳は極められた拳であるが、それ故に受け技も極められて威を喪失したとされており、その極意。女人像の中の石柱に刻まれていた碑文を読み解くことでケンシロウが会得し、これによりカイオウ凄妙弾烈により突かれた致命の破孔を無効化した。



 ケンは凄妙弾烈に対してこれを使用したとき、破孔を突かれているのに体が吹き飛ばなかった。カイオウは自信を持って致命の破孔を突いたといっているので、突いている事は間違いないのだろう。寸前でケンが掌でガードしたとか、体をよじらせて避けたといったようなものでもないと思われる。ケンは破孔を突かせた上で、凄妙弾烈を破ったのだ。ではこの受け技とは、破孔の効果を無効化するものなのだろうか。

 秘孔や破孔というのは、経絡に気で信号を送り込む事により、身体に変化を及ぼすものである。その信号を変えることが出来れば、秘孔の効果も現れない。ジャギが秘孔を突いて、自らに向けられた銃口を下ろさせたのもそのひとつである。そしてケンは、秘孔を突かずともそれを可能としている。アミバ戦で見せた、秘孔封じのように、あれは体内の気だけで秘孔を封じることが出来るのだ。そしてこの宗家の拳の受け技は、それを応用したものなのではないかと思う。

 北斗宗家の拳が受け技を極められてしまった理由、、それは北斗宗家が把握している秘孔(破孔)の数が少なかったからだと思う。秘孔術は西斗月拳から取り入れられたものなので宗家の拳には存在しないはずなのだが、身体の各部に存在するツボを急所をとしては認識していただろう。カイオウが凄妙弾烈で狙った破孔は、1109もの数が発見される以前の、ごく限られた数の破孔だったのだ。故に攻めのバリエーションも限られてしまい、やがて完璧なる受け技が確立されてしまったのである。

 つまりケンは、カイオウが凄妙弾烈で狙うべき秘孔の位置を知っていたのだ。ならば、あらかじめ対策を立てることもできるはず。標的とされたその秘孔に気を集中させておくことにより、相手から送り込まれた経絡への信号をシャットアウトすることも可能なのだ。カイオウクラスの達人がついた秘孔を、突かれてから無効化することは出来ない。しかし、あらかじめ判っていたなら防ぐ事もできるのだ。
 そんなまだるっこしい事をせずとも、最初から秘孔を突かせなければいいだけのような気もする。実際、宗家の拳の受け技とはそういう事なのだろう。しかしケンは、あえて突かせたのだ。破孔への指突を防いだだけでは、その効果は伝わりにくい。確実に致命の破孔を突いたにもかかわらず、それでも死ななかったという事実を見せる事で、カイオウの拳が完全に見切られている事を強く証明したかったのだ。