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プレイ日記 【第42回】

最終章 北斗の男(1)





最終章 北斗の男




長かったプレイ日記もいよいよ最終章!!

そして事態は今まさにクライマックス!!


ナダイが選んだのは、一人の女を犠牲にし、世界を破滅から救う道。
人類の救済を辯解とする凶拳が、ユリアへと迫る!





大局的に見れば、ナダイの選択は正しいのかもしれない。
ユリアを救うことは、人類の総意に反することかもしれない。


だが、例え世界中を敵に回してでも、ケンシロウはユリアを救う。


ケンにとってユリアは、己の全て。
彼女が死んだその瞬間、ケンの世界もまた終わる。




たった一つの愛を護る……

ただそれだけのために、男は奔る!








急げケンシロウ!
ユリアのもとへ!

















……と、フルスロットルでエデンへと戻ってきたわけだが……








世はなべて事も無し。

エデンには、いつも通りの平穏なる時間が流れていた。



は?




キサナに話を聞いてみると、ナダイはまだ姿を現していないという。
それにもし現れるなら、衛兵たちの目を逃れやすい夜だろうとの事。
今は機を待ち、どこかに潜伏している可能性が高いという。



は?







いやちょっと待ってくれ。

じゃあタルーガの時間稼ぎは何だったんだ?

ケンを陣地に足止めして、その隙にナダイがユリアを殺すっていう作戦なんじゃなかったのか?タルーガも「もう手遅れだよざまあw」みたいな事言ってたよ?




ヘヘ……流石は発売日が延期されたゲームだけのことはある。

ここに来て話のガバ度がとんでもねえことになってきやがったぜ!







しかしまあ、時間に余裕があるというなら有効活用させて頂くとしよう。
まずは街中でナダイの目撃情報が無いか、聞き込み開始だ。
本当にエデンに潜伏しているなら、誰かに姿を見られているかもしれない。


だがそうは言っても、相手もまた一流の拳士。
果たしてそう簡単に人目に姿を晒したりするだろうか……?








……といった心配をよそに、あちこち聞き取りを行った結果
相当数のナダイ目撃情報があがってきた。


そういえばあの人、娘がガン見してることにも気付かずに妻を殺しちゃうほど警戒心がガバガバな人だったわ。


色々とガバガバ過ぎる男、ナダイ。
これもうナダイじゃなくてガバイだな。
ガバイじいちゃんだな。







そんな聞き込みの末に得られた、主な情報は2つ。




1つ目は、ナダイが防壁の閉め方を知りたがっていた事。

夜になると自動的に壁が降り、ナイトクラブが現れるというエデンの防壁システム。それを手動で操作し、壁を再度閉じる方法はないかと調べていたようだ。おそらく、核ミサイルが発射されてしまった時に少しでも住民たちの生存率を上げるためだろう。ガバのくせにこういったところは繊細な男だ。





2つ目は、ケンシロウが寝床として借りているあの部屋が、
かつてナダイが詰所として使っていた部屋だったという事。

つまりナダイも実質あそこで生活していたということであり、今ケンシロウが使っているベッドにはナダイの寝汗と脂と涎がたっぷり染み込んでいるということ。

知らないほうが幸せなことって、あるよね……。





ていうか、前から思ってたんだけど……
あの部屋、なんか怖いんですよね。




例えばね、こんな風景画が壁に貼ってあるんですけど





これ、この部屋の中をスケッチした絵なんですよ。
しかも同じのが何枚も貼ってあるんですよ。






同じく、この椅子の絵もね




やっぱりこの部屋にある椅子を描いた絵なんですよ。


最初は「何かのヒントか?」と思って、部屋の中を隅々まで調べたんですけど、結局何もなかったんですよね。つまりナダイは特に目的も無くこの「部屋」を何枚もスケッチしていたってことなんですよね……。

……怖っ!!

絶対病んでるやん……






とまあ不要な情報は色々得ることが出来たが、
肝心のナダイの居場所についての情報はゼロ。
いくらガバイと言えどもその辺はぬかりなかったようだ。



というわけで、ナダイが現れるまで自宅待機させられることに。






部屋に戻ると、キサナの従者の人が部屋の中にいた。

そういうサービスを頼んだ覚えは無いが?





話を聞いてみたところ、これはキサナの指示らしい。
「ケンシロウが最終決戦に臨む準備が出来ているかを確認する」という役目を与えられて派遣されたのだとか。

どういうこと?


よくわかんないけど、帰ってもらえます?
薄手の服着た美女が部屋で棒立ちしてたらそれこそ心の準備できないので。





TVゲームもやりにくいです。
せめてプレイ画面みてリアクションをください。














そして、夜――――――。

キサナの予想した通り、ナダイは姿を現した。
凶王の証である、紅の戦闘服を身に纏って。





3年ぶりに、スフィア・シティの前へと戻ってきたナダイ。
そして3年ぶりに娘・キサナと言葉を交わすナダイ。

だが今は感傷に浸っている時ではない。
彼が見据えるは、中で眠りにつくユリア。その命。
彼女を殺し、世界を破滅から救う……。
それが自らに与えられた使命なのだと、ナダイは信じていた。




そんな父の背に向かい、キサナは言った。

何故あの時、スフィア・シティの秘密を話してくれなかったのかと。
話してくれてさえいれば、父に刃を向けることもなかったと。




おまえ問答無用でナイフ持って突っ込んだよね?


……というツッコミをグッと堪え、ナダイは答えた。

このスフィア・シティの秘密は余りにも重い。それを娘に背負わせることなどできなかった。故に自分は凶王の仮面を被り、街を、キサナを見守り続けることしかできなかったのだと。







だが、それも時間切れ。
今、ユリアを殺さなければ全てが手遅れになる。
そしてそれを成せるのは、冥斗鬼影拳の使い手である己ただ一人。

ナダイの指先から放出された雷に、扉が強く反応したその瞬間、堅く閉ざされていたスフィア・シティは、3年ぶりにその門扉を開いたのだった。




かつて妻の命を奪ったその手で、今再び罪無き女の命を奪う。
それは決して赦される事の無い罪。だが誰かがやらねばならない。
そう自らに言い聞かせ、更なる業を背負うべく、一歩を踏み出すナダイ。

だがその歩みは、一人の男の登場によって止められた。






北斗神拳 vs 冥斗鬼影拳。

決着の時、来たる―――――――!!











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