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プレイ日記 【第32回】

第九章 究極への渇望(2)




ラオウ襲来! 宿命の兄弟対決!



……てな感じになると思いきや、ケンを蚊帳の外に置いたまま話は進行。
置き去りにされた主人公は、訳の分からぬままエデンの裏山へ向かうことに。。







そういえばあの山道入口周辺には、例のトゲトゲ地帯があったはず。


かつてケン達はそれを突破するためにえらく苦労させられたわけだが…
どうやら拳王様の方は楽勝で突破し、既に入山されたようだ。


おそらく黒王号のおかげであろう。
流石は拳王様。その足も世紀末最高のスペックだ。
オンボロジープで移動している主人公とはえらい格差である。









山頂には、ラオウとキサナ、そして僅かばかりの護衛の姿があった。


そういえばここは以前ケンシロウがナダイと遭遇した場所だが……
どうやら本日、ナダイ氏はご不在のご様子。

どっかに隠れてんじゃないか?
シーカーみたいに岩にへばりついてないか?






そんなナダイと文通をかわし、逐一情報を受け取っていたというラオウ様。
故に彼は、スフィア・シティを巡る今の状況を全て把握していた。

今回は、そんなラオウ様による状況説明会となります。
皆様、ご静聴願います。










現在、「奇跡の間」にてユリアが横になっている「寝台」


ナダイは、それを「傷を癒す機械」であり「施設の扉の開閉スイッチ」だと語っていたが、そこにはもう一つ隠された秘密があった。


それは、「核ミサイルの発射起動装置」


何者かがあの寝台で眠りについた瞬間、核ミサイルの発射台がエネルギーの充填を開始。その充填率を示すのが寝台の横にある巨大な砂時計であり、その砂が尽きた時、核の発射準備が整うのだという。

その後、眠っていた者が寝台から身を起こした瞬間に発射スイッチが起動。スフィア・シティから無数の核ミサイルが飛び立ち、世界は再び終末の炎に包まれ、人
類は死滅する。奇跡の間で眠っていた只一人を除いて……。




つまり今、世界の命運はユリアの快眠具合に委ねられているという事。



ユリアがトイレに行きたくなったら





世界の終わり







強めの寝返りで





世界の終わり







無呼吸症候群でフガッ!





世界の終わり






「竹屋〜竿竹〜」




世界の終わり










SEKAI NO OWARI






自覚なき人類滅亡のトリガー。

全生命を根絶やしにするジェノサイド慈母星。

それが、今ユリアの置かれた状況だというのだ。







あまりにも危険な存在、スフィア・シティ。
それを最初に発見したのは、ラオウとナダイの2人であった。




数年前、何もない荒野をひたすら歩くという、状況的におそらく遭難中であったと思われる二人は、謎のドーム状の建造物を発見。

それを一目見ただけで軍事施設だと見抜くという聡明さを見せるラオウ様は、ここを覇道の拠点とすることを決定。

早速、閉ざされた扉をこじ開けんとするが……






その扉は、北斗剛掌波でも無傷という異常な強度を誇っていた。


マジかよ……そんな物質、地球上に存在するのか?
やはりこの施設、エイリアンが関わっているのでは?









いや、もしくは「剛波」とかいうパチもん奥義だったからなのか?










しかし、古来より扉を開ける方法は力押しだけではない。

扉が機械によって制御されていることを見抜いたナダイは、例の「雷」の力を用い、開閉システムを狂わせることに成功。堅牢な扉は、眩い光と共に封印を解かれ、二人を施設の中へと迎え入れたのであった。



その時、ナダイは口にしていた。
闘気を雷に変化させ、増幅し操るという己の拳。

その名を、冥斗鬼影拳というのだと。



ますます疑いを強める凶王=ナダイ説。
やはりラスボスは、このヒゲもじゃロン毛おじさんなのだろうか……








屋内を探索する二人は、中央塔の最上階にある「奇跡の間」へ。

いきなり地面に刻まれた古代文字を解読しはじめるという博識ぶりをみせるナダイは、そこに記されていた事実に驚愕する。



この建物が、世界を滅ぼす力を有していること。
その後に生き残るのは、寝台に伏せし者ただ一人であること。
寝台に備わる治癒の力は、生き残った者を「新世界の神」に相応しき無垢なる肉体へと戻すための力であること。


己以外の全ての存在を消し去り、浄化された世界を一人生きる。
この世に絶望せし者が抱く、高慢な野望を叶えるために創られた禁忌の存在。
それがこの「奇跡の部屋」なのであった。







それを知ったラオウは、この施設を永久に封印する事を決定。

拳でこの世を統べんとする「拳王」にとって、世界を破滅させる兵器など、無粋な存在以外のなにものでもなかった。


せやせや!ラオウ様に核ミサイルなんて必要ないんや!





なんかラオウがウッキウキで核ミサイルを飛ばしてるように見えるカラー絵が過去にあったような気がするけど、きっと気のせいや!悪質なコラに違いないわ!




しかしこの施設が邪なる者の手に落ちたとき、核が悪用されるのは必定。

そんな事態を避けるため、ラオウはここに「街」を作るようナダイに命じた。

こうして誕生したのが「奇跡の街 エデン」

世界を滅亡させる力を、悪しき者達に渡さぬための目眩まし。
それが、エデンという街が担う真の役割なのであった。








あまりにも衝撃的なその真実………。

だがケンシロウには、そんな事よりも遥かに気になることがあった。


何故ラオウはユリアを助けようとするのか。


ラオウは、世界の破滅を望んでいなかった。
にもかかわらず、ユリアを奇跡の間に入れるという危険を侵した。
それつまり、ラオウにとってユリアの命は、リスクを伴ってでも守るべき価値があったということ―――――。



「ラオウ、何故お前がユリアを助ける」

「お前はユリアが欲しいのか」

「答えろラオウ、なぜそこまでユリアにこだわる」



世界が滅亡するかどうかよりも兄ちゃんが俺の恋人をNTRうとしてる事のほうが大事と言わんがばかりに、ラオウ様へ執拗な尋問を開始する恋の暴走列車ケンシロウ。


しかし、ラオウの動機は、ユリアへの愛などではなかった。




「ユリアには隠された真の価値がある」


「貴様は知っておるか……?
 南斗聖拳に語り継がれる

『究極の奥義』
を」







えっ!? 何それ!!

何それ!何それ!すっごい興味あるんですけど!?



断己相殺拳のこと!? いや違うな……

天翔十字鳳のこと!? それこないだ破ったし……

まさか黄明醒破天将鳳拳なんて東映動画奥義じゃないだろうし……




ていうか……なんでいきなり南斗?

南斗とか……今までそんな重要視されてなかったじゃん!

みんなほぼ見せ場無く去っていったじゃん!


(一例)







ラオウが求めし南斗の究極奥義。

それは南斗聖拳百八派の頂点とも言える存在であり、

その威力は天をも引き裂くと伝えられているという。

だがその奥義の体得には、南斗聖拳直系の血筋である「南斗最後の将」の存在が必要不可欠であり、ラオウはその正体がユリアであることをつきとめた。

故にラオウは、瀕死のユリアを奇跡の間に入れ、その命を救ったのであった。







南斗正統血統の奥義……!?


それってつまり、南斗慈母星の奥義ってこと!?




……なんか一気に胡散臭くなったな……

慈母星に拳法があるかのすら不明なのに、その奥義が究極……?









ただ、可能性として考えられるものが一つある。

ケンシロウが記憶喪失になった雷だ。





空に顔が浮かんでいる事から考えても、あれはユリアの仕業だろう。
雷ならば「天をも引き裂く」という表現にも沿っている。
そしてケンシロウの記憶を吹っ飛ばすほどの威力。

これぞまさに「南斗慈母星が使う天をも引き裂くほどの究極奥義」と呼ぶに相応しい一撃と言えるのではないだろうか。



どんな優れた血が流れていようとも、所詮ユリアは華奢な女性。拳王を唸らせる程の高火力奥義を修得できるはずが無い。そう考えた場合、死した後に使えるという霊的な力、雷という自然の力、そして「記憶消去」というある意味最強の威力を誇るこの一撃こそが究極奥義の正体である可能性は低くないだろう。

それにほら……今回、ナダイの「雷」が活躍したじゃない?
あれが複線になってたんですよ。うん、きっとそう。多分。








ラオウがユリアを助けたのは、その南斗究極奥義を手に入れるためだった。

だがナダイ亡き今、スフィアシティに入ることはできない。
つまりユリアを救い出すことは不可能だということ。
それどころか、このままでは人類が滅亡してしまう。





南斗の究極奥義は確かに魅力的な存在ではある。

だが全ては命あっての物種。死んでしまっては意味がない。

ユリアの救出を諦め、かつ世界を救うためにラオウが選んだ方法。

それは……





槍でドームの屋根ごとユリアを貫いて核ミサイルの起動を止める
という力技であった。





無理です拳王様!!




核爆発や剛掌波すら通じない防壁を

槍でどうにかするのは
絶対無理です拳王様!!





ていうか、それでドームを壊せるなら

そっから中に入ればいいと思います!











割れるのか、割れないのか、それはやってみなければ判らない。
しかしその答えが出る前に、ケンはラオウの腕を掴んで投擲を制止。


このままではユリアの命が危ない。
そう踏んだケンシロウは、遂にあの事実を公にする。



ケンシロウ
「……ナダイは生きている」


ラオウ
「……何だと?」



ケンシロウ
「知りたいなら、
オレの拳に聞け



なんで!?

別に今ラオウ様と戦うような流れじゃなかったでしょ!?
むしろ懇切丁寧に今の状況を説明してくれたじゃん!
逆にお礼言うとこだよ!?

確かにユリアを殺そうとはしたけど、それは世界を救うためであって、ラオウ様だって出来ればユリアを救いたいと考えてるんだから、今は協力した方がいいんじゃないの!?ていうか個人的に見たいし!このコンビ!






突然のケンカ腰になった弟に、流石のラオウ様も「なぜ?」と返答。

だがもう後には引けないケンシロウは
「ユリアのため……ラオウ、お前を倒す!」
と、これまでの話聞いてたんかと言いたくなるような挑発を繰り返す。



おそらくケンは今、「よくわからんけどラオウ倒したらなんとかなるやろ」という根拠のない理由だけで行動しているのだろう。

そんな場当たり的な……と思われるかもしれないが、むしろこれがケンシロウの通常運転。三歩先を考えて行動できない彼のケセラセラな特性をよくとらえている。






もはや恒例になりつつある強引過ぎる展開によって……

宿命の兄弟対決、開幕です!!









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