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プレイ日記 【第16回】

第六章 再会(2)







なんだかよくわからないうちに一億の借金を背負い、世紀末債務伝説をスタートさせてしまったケンシロウ。



勢いで全額返済を約束したものの、金を稼ぐアテはなし。
現在の所持金、14万3千7百とんで3円。


臓器を売ることも、マグロ釣り船も、株取引も、Youtuberも存在しないこの世界で、何か他に短期間で大金を稼ぐ方法ないものかと模索するケンシロウは、そういうヤバい話が転がっていそうなナイトクラブへ戻ってみることに。







店内では、貧乳ホステスが、タチの悪いハゲに絡まれていた。

どうやらお客様は料金に見合ったスペシャルなコースをご希望の様子。

大変けしからん奴ではあるが、どこぞのアイドルみたいに無理やりキスをするわけでなく、ちゃんと交渉から入っているだけマシな気もする。






支配人のライラが短剣をチラつかせ始め、一触即発の気配が漂ってきたタイミングを見計らい、あざとくケンシロウ乱入。

真紅のカーペットに更に赤を重ね塗るが如く、悪党達の血肉を店内にぶちまけ、現世からの出禁を喰らわせるケン。




無事にトラブルを解決(物理)したケンに、先ほどの貧乳ホステス、ヒナがお礼を述べてきた。

全盛期の釈由美子を思わせる中々のショートカット美女であるが、そんな彼女の口から発せられたのは「あなたのような人が店で働いてくれたら……」という百歩先の展開まで見えてしまう悪魔の一言であった。



どうやらエデンの治安悪化に伴い、ナイトクラブの経営は苦境に立たされているらしい。そんな店を立て直すには、ケンシロウのような力と優しさをもった人の協力が必要不可欠なのだという。

あいかわらずの説得力に欠けるスカウティングを受け、返答に窮するケンシロウだったが、そんな彼の心を折ったのは、ライラの放った一言であった。


「もちろんお給料は弾むし、悪い話ではないと思うわ。
 ……特に壷を壊しちゃった誰かさんにとってはね。」



















着ちゃった……(2回目)

なんでどこの店にも132cmの胸筋にピッタリの服があるんだよ…




だが、確かにバウンサー(用心棒)という仕事はケンシロウに向いている。
お得意の指ポキも、実にそのスジの人っぽい所作だ。

なにより、店で暴れるヤカラを、民事訴訟やSNSに怯える事無くブチ殺せるというのは、接客業に携わる全ての人間が描く夢でもある。

迷惑な客への対応に疲れ、ストレスを溜め込んだ方々のためにも、ここはケンシロウの拳を通じて是非とも日々の鬱憤を晴らしてもらいたいものだ。









そう思い、早速初日の営業に臨んだのだが

ケンシロウに与えられた仕事はまさかのオペレーション。

ホールに出るキャストの選択や、客の好みに合わせてホステスを座らせるという、店を潤滑に回すための司令塔のような仕事であった。


モヒカン共をぶっ殺してただけの拳法家に何故その仕事の適性があると思ったのか。







ブーたれていても仕方が無いので早速キャスト選択から。

しかし選ぼうにも、現在出勤可能なキャストはこの4名だけらしい。

これだけでフロアを回せと!?
場末のキャバクラでももうちょい人いるぞ!?









営業の基本は、お客が来店したら5秒以内にホステスつける。これだけ。

キャストは「キュート」「セクシー」「ビューティ」「パワー」の4つの属性に分かれており、客によって好みのタイプも異なるため、どのキャストを座らせるのが最適かを瞬時に判断して回していく能力が求められる。

ていうかパワー系のホステスって何?






接客が上手くいかないと、客が怒ってトラブルが発生。
放っておけばホステスの体力が激減するので、低頭平身謝ったり、お詫びの品を差し上げるなどして事態を収めなければならない。

現実でも頭を下げ、ゲームの中でも頭を下げる。

こんな……こんな哀しいことってあるかい……






そんなこんなで、なんとか4名でやりくりしながら本日の営業終了。

本日の総売り上げ……149,610円
キャストの人件費……−2,500円(やすっ)
トラブル処理費用……−20,000円
差引して、本日の収益は127,110円。

ケンシロウの借金返済にあてられるのは、その内の5%。
つまり本日のケンの取り分は、127,110×0.05=6,355円。



このペースで365日休み無く働いたとすると……

全額返済するまでに……約43年かぁ。


ババアが死ぬのが先だな。









宿に戻ると、その壷弁償ババアが家の前のベンチに鎮座していた。





きっ、貴様……何故ここに……



まてよ、先ほどのバイト料を考えても、1億の返済は現実的に不可能。

つまりこの借金返済イベントはフェイクであり、ケンシロウがマジメに働く様子を見届けた事で老婆は満足し、「さっきのは冗談じゃ」と弁償金の請求を取り下げに来てくれたのでは?




……などという淡い期待は叶うことなく……

それどころか老婆は、「私は常にここにいるから好きな時に返済してくれ」という、衝撃の24時間自宅前居座り宣告をしてきた。




己が死ぬのを待って借金をチャラにするなどという甘い考えは許さない。
命あるうちに必ず回収するという執念の圧かけで、ケンに早期返済を迫る老婆。

萬田銀次郎やウシジマ君に比肩する借金取立人「エデンの強欲な壷」
その鬼の取立てがケンシロウに襲い掛かる。



果たしてケンは無事に借金を返済することができるのか!?

借金完済まで残り99,993,645円!!
















翌朝―――――

一旦借金のことは忘れ、約束どおりキサナからユリアの情報を話してもらうため、ケンシロウは待ち合わせ場所であるカテドラルへと出発。


その途中、バザールへと差し掛かったケンシロウは、聞き覚えのある少女の声を耳にする。






「いらっしゃいませ……! いらっしゃいませ!」


とある店の前で呼び込みをする、全身ピンクの少女





こ、このカラーリング、まさか……!!



リン! お前リンじゃ……!!










リン!?

なんだそのズタボロの服は!!

そんなのコントでしか見た事ねえぞ!?
主にドリフの!




彼女は今、プーリエなる女性が営む「探し物屋」と呼ばれる店で働いていた。

自分の村の再興のため、物資を求めてエデンに買い物に来たものの、必要な品が揃わなかったのだという。そこでリンが一人でエデンに残り、この店で働きながら残りの物資を集めているのだとか。


プーリエさんは、一見すると気風のいいサバサバ系マダムのようだが、リンの小汚いナリを見る限り、小公女セーラのミンチン院長が如くにリンをイジめコキ使っている可能性も捨てきれない。暫くは児童相談所と協力しての監視が必要だろう。






「この人があんたの好きなケンシロウさんかい」
「も、もう!プーリエさん!!///」

というガールズトークに完全ノーリアクションを決め込みながら、何か手伝えることはあるかと社交辞令で言ってみたところ、納品の仕事を押し付けられた。

お客から注文を受けている品一覧をリンが提示してくるので、所持していればそれを、持っていなければどこかで手に入れてきて店に納品するというものらしい。


楽勝だ!任せとけ!

ただな、ジャンプの黄金期を代表するレジェンドヒーローにそんな地味な仕事をさせるのはあんまり良くないことやぞ。

そういうのは食べ歩き漫画の主人公とかがやるやつやぞ。








指定された品を全て納品すると

「助かっちゃった♥」

と、あざとさ爆発の笑顔をぶちかましてきた。
















逆に納品数が少ない時はスマイルをくれなかった。




















納品をこなしてリンの愛情度メーターを高めていくと、ケンシロウが自前のマル七前掛けつけ、北斗百裂拳で商品を客に手渡していくというやる気爆発演出が発生。

どうやら破格の借金によってケンシロウの何かが壊れつつあるらしい。
なりふり構っていられないのだろう。


ただこれをやったところで賃金は支払われなかった。



労基!! 労基はどこですか!?









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