第二章 囚人闘技
この街でユリアを探すには、
囚人闘技で優勝する事が近道。
キサナからの助言でそう判断したケンシロウは、
一度脱獄した牢へと帰宅。
その舐めくさった所業は、ジャグレ隊長をカンカンに怒らせた(当然)。
己の処遇について話し合いが行われる中、厚かましくも囚人闘技への参加を申し出るケンシロウ。
当然却下されるものと思われたが、意外にもジャグレはこれをあっさりと承諾。偶然にもその日は月イチの闘技会が行われる日であり、早速ケンシロウはそこにエントリーされるのだった。
まあねえ……囚人同士が殺し合ってくれれば、処刑する手間が省けるからねえ。
しかもここの牢獄、
地下10階まであるらしいからね。つまりそれだけお縄にかかる奴等が多いってことだから、どんどん間引いていかないとね。
多くの者達が力をぶつけ合う、命を賭けた闘技会。
しかしケンシロウは、今までにも多くの闘いを乗り超えてきた。
常に死と隣り合わせにあった数々の激闘が、ケンシロウの脳裏によぎる。
リンとバットを護るための
ジードっぽいモヒカン野郎達とのとの激闘……
ミスミっぽい老人を殺した
スペードのように見えないこともない奴等への復讐……
「俺たちだけの国を作る!」という
台詞だけはGOLANっぽい奴等との戦い……
なんか突然未消化の原作エピソードを回収し始めたけど……
再現度が雑い!!
そして闘技会開始の時間が訪れた。
暗い通路を抜け、観客達の熱気に包まれる
コロセウムへと降り立つケン。
そこには、既に参加を希望した囚人たちが顔を揃えていた。
うーん……
地味!!
「闘技会」だっていうから、こういうのかと思ってた……
いろんな流派と戦えたりするのかと期待してたのに……
でも「囚人」闘技なんだから、ハゲとモヒカンだらけなのは当然よね。
そんな無個性な奴等の中でも一際デカい
モヒカンゴリラが話しかけてきた。
お?なんですか?新人いびりですか?
開始前に脅しかけて優位に立とうって腹積りですか?
「なあ、お前、もし優勝したら何が欲しいんだ?」
「俺はな…… 自由なんか望んじゃいねえ」
「それよりもな あの女とヤるって決めてんだ!」
ただの馬鹿だった。
でもなんだろう……何故かわからないけど
少し君を応援したい。
そのゴリラが発情していたメスがこちら。
左手に葉巻、右手に拡声器を携え、
ノリノリで闘技会の進行を行う妖艶な美女。
事前情報によると、
ライラという名前のようです。
三部作で予定してたのに不人気で続編作られなさそうな名前ですね。
ちなみに彼女、
「時間よ〜ん」「できるのぉ〜ん」てな感じで、やけに語尾がネチっこい喋り方をするのだが、これは
原先生から喋り方に関してご指示があったのではないかと推測。近年の先生、語尾への拘りがハンパないからな〜。
VIP席では、このエデンを統治する
「聖女」と、
ジャグレ隊長が観覧中。
まあ既に
聖女様の正体がバレバレなのはともかく……
ジャグレってこの位置で玉座に腰掛けられる程のポジションだったんすね。
ますますその容姿が異様に思えてきたぜ。
そうこうしている間に、銅鑼の音と共に闘技会が始まった。
【一回戦】
ドキッ!ハゲモヒだらけのバトルロイヤル。
ゴリラさんのセックスドリーム、儚く散る。
【二回戦】
即興で組まされたコンビ同士での
タッグマッチ。
一回戦でケンがAグループだったので、他の三名はそれぞれB、C、Dグループで勝ち残った強者ということだろう。
相手は斧&ハンマーの痛恨コンビ。
対するこちらは
拳法家コンビ。
おいおい、拳法家って……
北斗の拳で「名も無き拳法家」ってのはクソザコフラグだぜ?
……などと思っていたら、案外頑張る謎の拳法家。
何者だこの男……
はっ!!
ま、まさか……お前もしかして
崇山通臂拳の男じゃないのか!?
ほら! 服の色とか似てるし! 髪も長いし!
それにどっちも
「囚人」だし!!
カサンドラの中で絶望の内に死に果てた哀れな男が
こんなところでフィーチャーされる日が来るとは!!
【三回戦】
三回戦の内容は、
生き残った二人でのタイマン。
あのラオウ様がお認めになった崇山通臂拳……
一体どんな拳法なんだ……
とか思っていたら、不穏な事を言い出した。
「お前の拳……北斗神拳だな?」
「わざわざ人を殺しまくって来た甲斐があった
ようやく本気の殺し合いが楽しめるってもんよ。」
「拳法など人殺しの道具よ!!」
「優勝したら人殺し放題の許可証でも頼んでみるかな」
うわぁ……こいつ
クズ野郎じゃん。
ごめんな、崇山通臂拳の人。全然違ったわ。
妻子思いのあんたがこんなクズなわけないよな。
それじゃあ殺す前に、オマエの本当の
名前と流派名を教えてくれよ。
せめてうちのデータベースの一部として刻んでやるから。
………え? それもないの?
うわぁ……こいつ
クズ野郎じゃん。