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【世界の章】 グッズや、作者・声優などのインタビュー
スピンオフ作品などの紹介

↑というのが公式からの説明だが、「作者」のインタビューは一切無い。

声優のインタビューは、一番大事な神谷御大が登場しなかったのは問題外だが、その他の方々も素晴らしい人選だし、内容も良かった。個人的に気になったエピソードをまとめておきました。
スピンオフ作品紹介は、何故かガルダを完全無視した以外は、まあこんなもんかなという印象。1作品1ページの紹介というのは物足りない感じもするが、アニメメインの本なんだからしょうがない。

ただそれ以外はどれもイチマチ。

ゲーム紹介は良い方だが、割と最近のもチラホラ抜けている。
歌紹介は挿入歌が無いのが致命的。
グッズ紹介はフィギュアだけだし、しかもほぼリボルテックシリーズだけ。
パチンコ/パチスロ紹介は・・・そもそも要らないかな・・・

特にグッズがなぁ・・・。連載当時のレトロアイテムまで紹介しろとは言わないけど、パチンコ関連で出たやつとか、お馴染みセガプライズ製のグッズなんて山ほどあるんだから、それくらいは頑張って紹介して欲しかったなあ。多分、販促も兼ねないと金にならないから過去のは無視してるんだろうけど・・・

号数 内容 備考
〈01〉 【Goods】
海洋堂REVOLTECH 北斗の拳REVOLUTIONシリーズ
・ケンシロウ北斗無双ver. ・シン ・爆裂!ジード団
フィギュア紹介。
【Goods】はほぼ全部このリボルテックシリーズのみの紹介で終始する。
〈02〉 【Song】
愛をとりもどせ!!
【Song】
ユリア…永遠に
【Song】は、TVアニメのOP曲.ED曲の歌詞紹介。
〈03〉 【Game】
北斗無双

【Game】
真 北斗無双
【Game】はテレビゲームの紹介。
〈04〉 【パチンコ/パチスロ】
ぱちんこCR北斗の拳5覇者
【パチンコ/パチスロ】は、まあそのまま。
58巻中12回もこれの紹介に費やすというのは流石にやりすぎ。
〈05〉 【スピンオフ】
天の覇王 北斗の拳 ラオウ外伝
【スピンオフ】
銀の聖者 北斗の拳 トキ外伝
【スピンオフ】は外伝紹介。
〈06〉 -
〈07〉 【Goods】
海洋堂REVOLTECH 北斗の拳REVOLUTIONシリーズ
・レイ ・レイ白髪ver. ・ジャギ ・ケンシロウ
〈08〉 【Interview】
スペシャルインタビュー [シン役] 古川登志夫(前編)
インタビュー内容の詳細は下部に記載。
〈09〉 【Interview】
スペシャルインタビュー [シン役] 古川登志夫(後編)
〈10〉 -
〈11〉 【パチンコ/パチスロ】
パチスロ北斗の拳 転生の章
〈12〉 【スピンオフ】
蒼黒の餓狼 北斗の拳 レイ外伝

【スピンオフ】
極悪ノ華 北斗の拳 ジャギ外伝
〈13〉 【Goods】
海洋堂REVOLTECH 北斗の拳REVOLUTIONシリーズ
・レイ北斗無双ver. ・トキ ・ウイグル獄長 ・ラオウ
〈14〉 -
〈15〉 【Game】
北斗の拳(FC)

【Game】
世紀末救世主伝説 北斗の拳2(FC)
【Game】
新世紀創造 凄拳列伝 北斗の拳3(FC)

【Game】
北斗の拳4 七星覇拳伝 北斗神拳の彼方へ(FC)
〈16〉 【Interview】
スペシャルインタビュー 千葉繁
〈17〉 【パチンコ/パチスロ】
パチスロ北斗の拳 世紀末救世主伝説

【パチンコ/パチスロ】
デジテンCR北斗の拳有情
〈18〉 -
〈19〉 【Game】
北斗の拳5 天魔流星伝 哀★絶章(SFC)

【Game】
北斗の拳6 激闘伝承拳 覇王への道(SFC)

【Game】
北斗の拳7 聖拳列伝 伝承者への道(SFC)
北斗の拳5のキャラ紹介、わざわざドットで切り抜いて背景を透過してありますけど・・・これ完全にうちのサイトから拝借したgif画像ですよね?
あとストーリー説明での「シュウとユダは原作以上の活躍をしてる」とかいう文章もうちから取ってるっぽいよなあ。いや、別にいいんだけどね。
〈20〉 -
〈21〉 【パチンコ/パチスロ】
CRデジハネ北斗の拳5慈母

【パチンコ/パチスロ】
CRデジハネ北斗の拳慈母
〈22〉 -
〈23〉 【Interview】
スペシャルインタビュー[バット役] 一龍斎貞友(前編)
〈24〉 【Interview】
スペシャルインタビュー[バット役] 一龍斎貞友(後編)
〈25〉 -
〈26〉 【Goods】
海洋堂REVOLTECH 北斗の拳REVOLUTIONシリーズ
・サウザー ・シュウ ・レイ 白髪 北斗無双ver.
〈27〉 【パチンコ/パチスロ】
CR北斗の拳金色
〈28〉 【Interview】
スペシャルインタビュー[ユダ役] 島田敏(前編)
〈29〉 【Interview】
スペシャルインタビュー[ユダ役] 島田敏(後編)
〈30〉 【Game】
北斗の拳(セガマークIII)

【Game】
北斗の拳 新世紀末救世主伝説(メガドライブ)
〈31〉 【Goods】
海洋堂REVOLTECH 北斗の拳REVOLUTIONシリーズ
・ジュウザ ・ラオウ 北斗無双ver.
・ラオウ最終決戦ver. ケンシロウ最終決戦ver.
ジュウザの事を「邪拳の使い手」と紹介するのはなんか違う気がする。我流の拳でいいじゃん。
〈32〉 【パチンコ/パチスロ】
ぱちんこCR北斗の拳剛掌

【パチンコ/パチスロ】

ぱちんこCR北斗の拳百裂
【パチンコ/パチスロ】
ぱちんこCR北斗の拳5百裂
〈33〉 【Song】
SILENT SURVIVOR
【Song】
DRY YOUR TEARS
〈34〉 -
〈35〉 【パチンコ/パチスロ】
パチスロ北斗の拳2 乱世覇王伝 天覇の章

【パチンコ/パチスロ】

パチスロ北斗の拳2 Next-Zone闘
【パチンコ/パチスロ】
パチスロ北斗の拳2 Next-Zone将
〈36〉 【スピンオフ】
北斗の拳 イチゴ味

【スピンオフ】
DD北斗の拳
イチゴのサウザーの副官の人がちゃんとアニメ仕様の「ブル」で紹介されてるのは評価したい。
〈37〉 【パチンコ/パチスロ】
CR北斗の拳伝承

【パチンコ/パチスロ】

CR北斗の拳強敵
【パチンコ/パチスロ】
デジハネCR北斗の拳
〈38〉 【Interview】
スペシャルインタビュー[ユリア役] 山本百合子(前編)
〈39〉 【Interview】
スペシャルインタビュー[ユリア役] 山本百合子(後編)
〈40〉 -
〈41〉 -
〈42〉 【Goods】
海洋堂REVOLTECH 北斗の拳REVOLUTIONシリーズ
・ユリア ・ファルコ ・ラオウ&黒王号
〈43〉 【スピンオフ】
慈母の星 北斗の拳 ユリア外伝

【スピンオフ】
彷徨の雲 北斗の拳 ジュウザ外伝
〈44〉 【Song】
TOUGH BOY
【Song】
LOVE SONG
たっぼいの歌詞、アニメ放送版ではeightiesがninetiesになっているよって補足はあったほうが良かったんじゃないですかね。
〈45〉 【パチンコ/パチスロ】
ぱちんこCR北斗の拳ケンシロウ

【パチンコ/パチスロ】

ぱちんこCR北斗の拳ラオウ
【パチンコ/パチスロ】
デジハネCR北斗の拳
〈46〉 -
〈47〉 【Interview】
スペシャルインタビュー[フドウ役] 飯塚昭三(前編)
〈48〉 【Interview】
スペシャルインタビュー[フドウ役] 飯塚昭三(後編)
〈49〉 【パチンコ/パチスロ】
パチスロ北斗の拳

【パチンコ/パチスロ】

パチスロ北斗の拳SE
〈50〉 【Interview】
スペシャルインタビュー[リン役]冨永みーな(前編)
〈51〉 【Interview】
スペシャルインタビュー[リン役]冨永みーな(後編)
〈52〉 -
〈53〉 -
〈54〉 -
〈55〉 【パチンコ/パチスロ】
CR北斗の拳
〈56〉 【Goods】
海洋堂REVOLTECH 北斗の拳REVOLUTIONシリーズ
・名も無き修羅 ・カイオウ
〈57〉 【パチンコ/パチスロ】
CR北斗の拳6 拳王

【パチンコ/パチスロ】

CR北斗の拳6 宿命
〈58〉 【Goods】
海洋堂REVOLTECH 北斗の拳REVOLUTIONシリーズ
・ケンシロウ修羅の国版

【Goods】
海洋堂 メガソフビアドバンス北斗の拳
・ケンシロウ ・ジャギ
【Game】
北斗の拳 世紀末救世主伝説(PS)

【Game】
北斗の拳 審判の双蒼星 拳豪列伝(PS2)
古川登志男 スペシャルインタビュー 要点まとめ

シンが人生初の悪役だった。
戦闘シーンの台本は白紙でアドリブでよろしくと書いてあった。映像も完成していないから表情もわからないまま演じ、後に完成したのを見てチョイスミスを感じたこともあった。
当時のファンからもシンの印象は悪くなかった。(ユリアが嫌いと言うファンレターは来た。)悪役でありながら悲劇的な部分もあったからその落差が良かったと思う。
シンが部下に怒鳴った後「ユリアの我慢も限界だ・・・」とソフトにいう事でユリアを思い浮かべる様を演出。
シンの拷問シーンは難しかった。しかしいかに憎憎しげにやれるかという挑戦が面白かった。
「同じ女を愛した男だから・・・」とケンが言う場面はゾクゾクするしジーンとくる。
シンで低い声を演じて守備範囲が広がりピッコロ役にも繋がった。シンは声でやるがピッコロは息でやる。
キャラを見て直感的に声のイメージが沸く。シンもそれだった。
あれだけの帝国を築きながら欲しかったのがユリアだけというのがシンの人間味が現れており、自分もシンのファンも好きな部分なのだと思う。
シンのフィギュアは200体以上持っている。シンの等身大フィギュアも作ってくれたら買う。
シンは自分の声優としての幅を広げてくれた存在。悪役を演じることになった座標点。出会えてよかった。
自分と神谷さんがケンとシンのどちらかをやるオーディションを受け、自分も上手く出来たが、アクションつきで怪鳥音のような「あたたたた!」をやられて負けたと思った。
格闘シーンの掛け声には従来使われる「た行」は使わないよう言われ、千葉繁さんが断末魔に「抜け毛!」と言ったのをヒントに愛用のシャンプーからとって「ウエラ」と叫んだ。(花王はすぐわかるから止めた)
神谷さんの頑張りが現場のムードを作っていた。休憩中にも皆にレクチャーして緊張をほぐしたりと頑張っておられた。
神谷明さんとは同い年のライバル。バンド仲間でもあった。「ガ・キーン」で初めて主役をやった際に1話の収録が思うようにいかず、神谷さんに相談したら「ガ・キーンア↑ターック」と「タ」を高くしたほうがいいとアドバイスをもらい好評を得た。
神谷さんはリハーサルの時から煽ってくるのでこちらのテンションもあがった
自分の声はハイバリトンで音域が高いので、低音の悪役は初めてで緊張した。
芸能界を志した切欠は、月光仮面に出ている子役を見て
声優になろうと思ってなかった。大学の劇団では食えなかったので、座長の声優・中田浩二さんの伝でオーティションを受けて小さな役から始めた。
影響を受けた声優は中田浩二さん、富山敬さん。
声優のタイプは2種あり、自分のようにキャラによって声を使い分けるタイプと、山田康雄さんのように強烈な声を武器にひとつのトーンで勝負していくタイプ。山田さんは常にルパンを求められていた。
自分もかつて「ルパンIII世 風間一族の陰謀」でルパンの声をやったが、非難轟々で「これを飲んで死ね!」と薬が送られてきたことがあった(中身は正露丸)。
人間以外の声は難しい
福永莞爾さんというオーディオディレクターに育てられた。シンの演技方法を尋ねても回答を得られず、自分がやるシンの声を楽しみにしているといわれた。キツい事を言うので若手は萎縮するが皆に愛されていた
一番伝えたいのは「シンを愛してくれてありがとう」ということ

千葉繁 スペシャルインタビュー 要点まとめ

当時は声優業だけで週8本でドラマ、映画、芝居もやっていた。
北斗の拳の収録は木曜。午前中に乃木坂でアニメのアフレコをやった後に午後から大久保で北斗、夕方から奇面組を録っていた。
自分はいきなりスタジオにいってくれと言われ、そこが北斗だった。オーディションなし。
当時は現場で初めて台本を読んで初めて映像を見てその場で役作りが当たり前だった。
本番前に映像を見れるのは1回だけ。それでどこまでイメージを膨らませられるかがカギ。
自分は漫画の読み方が判らないので未だに北斗の拳を読んでいない。ただそれはキャラを見て直感的に役作りができるのでプラスだと思う。事前にイメージすると演技が狭まるし他人と声色がかぶるかもしれないし音響監督の望んでるものと違うかもしれない。
北斗の拳は壮大な兄弟喧嘩。巻き込まれた方はたまらない。ラオウは悔い無かったが周りは悔いだらけ。
自分が演じたザコや村人も生きたいわけで、彼らにどんな人生を与えら得るかを意識していた。
モヒカンだって核戦争前は会社員だったかもしれない。彼らもこの世界で家族を養って生きていかねばならない。だからボスに雇ってもらうために格好に力を入れた。悪党がモヒカンにしたりチェーンを巻いたりしているのはそのためなのかもしれない。
名前のあるキャラクターが特別だとは思っていない。全てのキャラに人生がある。どこにカメラが向くかという話。モブだけでも映画一本作れる。
ジョーカーだって普段は突っ張らかっているけど家では奥さんに頭が上がらないのかもしれない。結婚記念日を覚えていなくて怒鳴られたりしているのかもしれない、などと考えた。強がったり残虐性を見せるキャラは本当は弱い。本当に強ければ強がる必要が無いから。だからその台詞の裏にある弱さや素の部分を表現できたらいいと考えていた。ジャコウも同じ。
演じ分ける際に方言を使ったりアドリブを入れたり工夫した。駄目ならやり直せば良いだけ。
「チバッ、シゲッ、ルー!」という断末魔は流石にNGが出た
声優陣にとって、カッコいいキャラはバカが出来ないので悪役のほうが面白いし人気がある。ケンシロウが蚊に刺されてケツをかくわけにはいかない。
何人かが一気に死ぬシーンでは「今回はレバニラ炒めで行こう」「次はブタのケツだ」などと相談して「レバッ」「ニラッ」「イー」「タメ!」とか「ブタッ」「ノー」「ケツッ」といったチームプレイも披露していた。内海さんだけは声でバレるから入れてもらえなかった。
車にはねられたのに飛びながら「どうもすいませーん」と叫んだ人の話を聞いて、逆にリアリティを感じた。だから断末魔に意外な台詞が出るのは不思議ではない。「あべし」にしても「あ〜・・・別にそんなことするつもりじゃなかったのに・・・死ぬのかよ?」と言いたかったのに頭文字の「あべし」しか肺が収縮しなかったのかも、と考えていた。
当時のアニメはレギュラー人が持ち回りで次回予告をしていたが何故は北斗は自分だけになってヤケクソになりテンションが上がっていった。
ハイテンション次回予告で血管が切れそうになったので講談調にしたら抗議のハガキがきて製作サイドが慌て、プロデューサーから「死んでくれ」と言われて元に戻した。
北斗の拳の登場人物はみんなおかしい人。だから次回予告もおかしくていい。
もし北斗の拳の世界になったら劇団を作って各地を回るかも。戦場に笑いをもっていく。闘いたく無い。
ファンあっての作品。みんなが北斗の拳という名の神輿を担いでくれている。
作品の解釈は人それぞれ。見直してみると今までと違う発見があるかも。北斗の拳を末永く愛してほしい。

一龍斎貞友 スペシャルインタビュー 要点まとめ

当時は鈴木三枝。平成4年に講談師・一龍斎貞水に弟子入りし現在は声の仕事もその名でやっている
自分がリン役になる可能性があったらしく、当時のオーディションでもやったはずだが全く記憶に無い
リンの方が楽かと思ったが鈴木富子さんの儚げなリンの声を聞いて自分はバットが合っていると思った。
役が決まってから作品を読んだ。PTAで大変な事になると思った。
当時から男の子を演じることが多かったので抵抗はなかった。最近は少なくて寂し。い
自分が演じる男の子キャラの一番の土台はバット。
バットはやんちゃだが孤児ゆえの悲しみもある可愛いキャラ。リンとの対比を意識してやっていた。
バットの成長に合わせて演技を変えた事は無い。自分が物語に引き込まれていたのでその影響はある。
自分なりの演じ方はあるがバットをやっていた頃はそこまで考えていなかった。
今ならもっと上手く出来るかもしれないがバットはあの余裕が無い感じが良い。
神谷明さんから「もう少しベテランになったら直球だけでなく変化球も投げれるようになりなさい」と言われた事は強く覚えている。実はよく意味がわかっていなかった。
神谷さんと古川さんの二人が印象強い。華奢な二人が決闘シーンで凄い声を出して要るのを聞いて驚いた。古川さんは諸星あたるのイメージだったので「これが変化球か」と感動した。
内海さんがノリノリだったのも印象深い。ラオウの存在感を作り上げた本当に凄い人だと思う。
悪役を演じる実力者の方々が断末魔をやっても監督から「前にやった」等と言われて苦しんでいた。
全員が「討ち死に!」みたいな気分でやっていた。
マミヤ役の藤田淑子さんは演技が達者すぎてため息が出た。とても勉強になった。
好きなキャラはユリア。演じられた山本さんとは今でも親しい仲。
フドウも好き。演じられた飯塚さんは敵役が多かったが実際は凄く優しいフドウそのもの。
「お前はもう死んでいる」が流行語になったが、テレビ側はちゃんと作品を読んだ人には北斗の拳が暴力賛歌ではないとわかってもらえる自信があったのだと思う。
北斗の拳は自分のキャリアの中でも相当高い位置にある。主人公のケンシロウについていく大事な役を頂いたことを誇りに思っている。もう一度演じられるとしたら是非やりたい。
皆ひたむきで熱かった。目の前に作品に向かっていく大切さを北斗の拳から教わった。
あの頃は全て探り探りだったが、凄い先輩たちに囲まれて間近で演技を見れた幸せな時間だった。
バットをやっていた当時はキャプテン翼の松山くんと浦辺くんを同時にやっていて、二人が同時に登場するシーンで盛大にNGを出して鈴置さんに怒られた。
ある作品で、お金持ち役は駄目だが貧乏人役は上手いといわれた。

島田敏 スペシャルインタビュー 要点まとめ

ユダ役に決まる前から作品のファンだった。
北斗の拳は物凄い世界観を持った作品だという印象だった。怒りと哀しみを打ち出した作品ながら、その根底に愛や友情といった要素があったので痛快だった。
子供の頃は力道山に憧れていたので強さへの憧れがあり、北斗も南斗も凄いなぁと見ていた。
ユダはそのメイクから、濃いキャラだろうなと想像できた。初登場時ふんどしというのは今考えると笑える。
ユダのイメージは、とにかく自分が一番美しいと信じるナルシスト。美しさと強さを兼ね備えた自分が正義だと信じるキャラを表現しようと思っていた。
演じ方が判らなかったが面白そうなキャラなの体当たりで演じようと思っていた。気持ちの整理がつかないまま収録を迎えた。
あまりに極端なキャラクターだったので演じるにあたってモデルにした人などはいない。
ユダ以外の役もやったと思うがユダのインパクトが強すぎてほぼ記憶が無い。
ユダを演じたのはデビュー7年目。色々なタイプの役を楽しみながら演じていた時期。
直ぐ死んだので現場で過ごした時間は長くないがユニークな声優さんばかりだったのでいい思い出。
ユダは演じる自分にとっては「当の本人」なので悪とは思っていない。演じている間はユダの思想や行動こそが正義だと思い込んでいた。
ユダの、心の奥で熱い思いを燃やす生き方には共感できると思った。
現場は音響監督の福永莞爾さんがリードしていた。北斗の拳をよく理解していたから世界観がブレなかった。つわもの声優の皆さんとの駆け引きが面白かった。
最も印象強いのは千葉さん。スタートからトップギアなのでその後の収録は皆ハイテンションになった。
神谷さんはまさに座長という雰囲気。気配り、目配りが完璧。お芝居も天才肌。劇団の先輩で後の事務所の先輩にもなった方だがなかなか共演の機会がなかったのでそういう意味でも北斗の拳は思い出深い。
塩沢さんはイイ男だった。後輩の面倒見もよく思ったことを真摯に口にする役者らしい方。よく一緒に飲みに行ったり泊めてもらったりした。存命だったら今でも誘ってもらっていると思う。
内海さんに手相を見てもらったらあまりいい結果ではなかったが、手相は統計論だからハミ出し者のほうが個性的な役者になれると言われた。大好きな先輩だった。
他に演じたいキャラはラオウ。壮大な世界観を持った人物を演じるのは楽しそう。
北斗の拳の現場は、本番はビシッとやって舞台裏はみんな仲良しというイメージ。メリハリがあった。
舞台役者を目指していた頃、劇団の先輩だった納屋悟朗さんと村越伊知郎さんが出演する外国映画の吹き替え現場を見学するよう言われて行ったら来る筈だった若手が来なかったため、急遽代役として声優デビューを果たした。
翌週も監督から来るよう言われた。実は納屋さんが監督に頼んでいたと後で聞いた。納屋さんは現場でミスするとそれを全部覚えていて飲みの席でその恥を糧に上達するようよく言われた。

山本百合子 スペシャルインタビュー 要点まとめ

当時はまだアニメ声優を始めて3年目。それまでは元気キャラが多かったのでユリアは「いい女きたぞ!」という感じだった。
北斗の拳のオーディションには女性が全然おらず驚いた。
仕事が決まったときは嬉しかったが徐々に不安も大きくなった。ユリアは台詞が少ないので「ケン」という一言で色んなニュアンスを出さなければならず心配だった。
パチンコでユリアを演じたときは、大当たりでユリアが出てくるので「何ででてきてくれないの」と言われた。
その日の台詞が「ケン」だけでからかわれたことがあった。しかしその一言も「げんん〜」みたいになったこともあった。収録は通しで行われていたので咳払いも発声テストもできなかった。
形から入るタイプなので女性らしい服装で収録に臨んでいた。スカートを選ぶことが多くなった。まだ駆け出しだったので現場に行く前から今日はあのキャラだと身構えていた。
ユリアはとにかく一途で辛抱強い女性という印象。好意を寄せるシンに「そう思われただけで死にたくなる」と返す場面は驚いたがそれがユリアの強さなのかと思った。
モテキャラを演じられたことは嬉しかった。私生活ではないこと。
恋人にするならシン。想うより想われたい性格なので。あんな世紀末の過酷な状況であそこまでしてくれる男性は凄い。ラオウもかっこよかったけどやっぱりシン。
ユリアが再登場したのはまさかだった。あとは回想シーンが時々あるくらいかと思っていたのでまたユリアをやれると知ってとても嬉しかった。
最初はユリアで満足していたがマミヤが出てきてカッコイイと思ったりした。
将となったことで堂々とした、余裕を持った喋り方に変化させた。
男性が多く皆断末魔に一生懸命だったのでアドバイスをもらえる雰囲気ではなかった。
今の時代は無いが、当時は自分がお茶組みなどもしていた。
ハート様が好きだった。かわいかった。
断末魔だけに凄い時間がかかっていた。大変そうだった。
神谷さんは「あたたたた」の数を数えていた。時間ピッタリに〆ていた。
バット役の一龍斎貞友さんと仲が良かった。自分が魔法使いサリーをやったときのよし子ちゃん役だったのでその頃からの縁。
リン役の鈴木富子さんは憧れだった。台にのって演じられていた。
内海さんもサリーのおじいちゃん役だったので可愛がってもらった。ゴルフをよく一緒にした。会うと私の事をユリアを呼んで下さっていた。
武論尊先生の結婚式で、神谷さんとのケンシロウ・ユリアのコンビで司会をさせてもらった。時折キャラの声を交えながら進行した。
角田さんがお子さんにケンシロウとユリアと名付けてくれたことを知って嬉しかった。一度お会いしたい。
ユリアは自分の声優人生を代表するキャラ。サリーとユリアだけは誰に話しても知っていると言われる。
「ケン、あなたとの約束守れなかった」という台詞をよく覚えている。もっと大人っぽい声を出したかった。再放送を見ると甘い、若いと痛感する。
今は色んな人がユリアをやっているが「私が初代ユリアよ」と言い続けたい(笑)
ユリアは自分が演じた中で一番の美形。台詞が少ないのに存在感があった。
歌手としてデビューしたが同期のピンクレディーが大人気になり、自分は全くだった。サイボーグ009の挿入歌を歌わせていただいたのがアニメとの最初の繋がりで、「ハロー!サンディベル」の主題歌のオーディションを受けた際に主役のオーディションも受け、歌は落ちたが声優デビューすることになった。
003役の杉山佳寿子さんと会ったときに声優の真似をしたら褒めてもらえ、それを心の支えにした。
皆に愛を与えるユリアのように生きられたら素敵だと思う。当時は今ほどユリアの愛を理解できていなかった。今なら当時を越える女神のユリアを作り上げられる自信がある。
ユリアが愛されているのはキャラと北斗の拳という作品の魅力。ファンそれぞれの中に色々なユリア像があるのだと思う。それを大切に思い続けてほしい。

飯塚昭三 スペシャルインタビュー 要点まとめ

82年に喉の調子を壊して6ヶ月かけて現場に復帰。北斗の拳は復帰後初の大作だった。
子供の頃から不動明王が自分の守護神だと思っていたのでフドウ役と聞いたときは天の導きだと思った。原作を読んで女房がピッタリだと言ってくれた。
不動明王の化身だと思って拝むような気持ちで大事に演じた。大きさを表現するのが鍵だった。根っからの善人なので豊かさも意識した。東映のデカい悪役はトーンを落として相手を押さえつけるような演技をするが、そうならないよう気をつけていた。自分にとって新しい表現が出来た点でお世話になったキャラクター。
ハートはおなかでケンの攻撃を跳ね返すシーンが印象強い。肉質を意識して役作りした。
ハートのオカマっぽい口調は「モンティ・パイソン」のテリー・ジョーンズ役の経験が活きた。あれがあったから自分が起用されたのかも。
音響監督の福永莞爾さんはみなの性格や能力を把握していて「お前さんならできるだろ?」みたいな雰囲気だった。みんな力を出し切れる演出をしてくれる人だった。
神谷さんはすごく勢いがあった。喉をやった経験があるので「アタタタ!」を聞いて心配したがノってる声優さんは潰れない。
千葉さんもナレーションやザコ役をハイテンションでやっていたので喉が心配だった。断末魔もギリギリNGを出されないユニークな叫びを思いつく天下一品の表現者だった。
声が特徴的過ぎるからフドウだとバレてしまうと言われ、ガヤ等から外されて断末魔もできなかった。ケン坊(内海賢二氏)も同じ。でもハートでひでぶは出来た。当時は有名な台詞とは知らなかった。
ひでぶが生まれた経緯は知らなかった。そこまで深く考えていなかった。ハートだけ「様」がついているのは不思議。お不動様のフドウにはつかないのに。
ラオウ役のケン坊とは長い付き合いなのでどんな演技で来るか収録前からわかっていた。きっと向こうも同じ。生きていたらあの時どうだったか聴いてい見たい。「別にどうってことねぇよ」と言いそう。
北斗の拳は見るからに強面の悪役が死ぬのが情けない。おかげで勧善懲悪の物語として判り易い。
安原義人くんが演じたジュウザはカッコよかった。特攻野郎Aチームでも一緒だったが彼の役はジュウザに通じる人物で、そういうタイプの演技がすごく上手い。
忍たまでの長い付き合いである一龍斎貞友さんとは北斗の現場では会話した記憶が全く無い。当時、劇中通り自分が貞友さんにタマゴをあげたことがあった。お礼は貰ってない。
前述の通り、自分はフドウをお不動様の化身だと思っているのでぜひお参りしてみてください。

冨永みーな スペシャルインタビュー 要点まとめ

5歳で子役デビューをして小学生から声優の仕事を始めました。徐々に仕事が増えていってリンを演じた20歳の頃が一番アニメ作品に関わっていた時期だと思う。
男っぽい性格なので北斗の拳の世界が好き。ケンの底知れぬ強さがたまらない。リンを理解するほうが難しかった。
リンはバットのことを兄弟としか見てないだろうなと思いながらやっていた。ケンとユリアの愛の形を見てきたので、そういう愛を知り、求めていたキャラなんだと思った。
リンは芯が強い人物。運命に反発するのでもなく、悲観的にもならず、前に進んでいくイメージ。
「ケン!」の台詞にも色々なパターンがある。当時のイベントなどでは"ケンの五段階活用"を披露していた。「ケン・・・」「ケン!」「ケン?」「ケーン!」「ケェン!」
今回の取材にあたって北斗の拳2を見直したらファンのみなさんに謝りたい気持ちでいっぱい。もっとリンならではの芯の強さを出せなかったかと反省している。
よく泣くキャラなのでその時は特に強く気持ちを入れた。
自分の声優人生においてリンはどんな存在か、拙い演技を見てしまったせいでよくわからなくなった。ただ演じているだけで心がウェットになるキャラは他に無いので特別な存在であることは確か。
敵役を演じる声優さんがゲスト主役のような形でスタジオに来る。今日は誰が来るのか、どんな演技をするか、断末魔は何か楽しみだった。男性が多い現場でガヤも手伝えないので見学気分だった。
声優さんたちが作品に魂を吹き込んでいく、熱さを感じられる貴重な現場だった。
バット役がタッチで一緒だった難波圭一さんで、和ませてもらった。神谷さんは凄く優しかった。
難波さんの方が年上だが弟のように思っていた。声優暦は長いので。生意気だと思われていたかも。
ケンシロウ伝でヤマン・サキの夫婦役に自分と難波さんが起用された時は、リンとバットが求められているんだなと感じた。二次の母の役は初めてだった。
山口健さんが演じたアインが奇抜な格好で印象に残っている。
ラオウ役の内海さんも凄い方だった。「みーなはガッハッハッハ!」と笑われる方で、笑い声が大きすぎて話が聞き取れなかった。
お酒が飲める年だったが飲み会にはいかなかった。子供だと思われていた。
老け役なら老け役専門の声優がおられた誤魔化すことのできない所が北斗の拳の熱さ。
泉野明を演じたパトレイバーの現場もみんな自分より年上ばかりだったので北斗の拳2の雰囲気に通ずるものがあった。
演じたキャラの中で一番自分と性格が似ているのはカツオ。
演じるときは大丈夫だが人前に出るのは恥ずかしい。皆が好きなのは作品のキャラであって、中の人である自分がファンの前に出ても困らせるのではないかと心配になる。
声の使いまわしにならないことに気をつけている。リンはリン。カツオはカツオ。


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