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ユリア伝
ストーリー 登場人物 流派・奥義 STAFF



ユリア伝

真救世主伝説 北斗の拳『ユリア伝』

は、ユリアを主人公にして描かれたオリジナルアニメーション作品。2007年2月23日に、OVAとして発売された。全五部作で製作された真救世主伝説シリーズの第二弾にあたる。

 『ラオウ伝 殉愛の章』では、言う程ラオウが目立っていなかったのに対し、本作では全篇通してユリアに関するエピソードのみで構成されている。逆に言うとユリアが関係ない部分は全く描かれていないため、この作品だけで北斗の拳本編の内容を理解する事は難しい。格闘シーンもほぼ皆無であるため、本当に北斗の拳が好きな方でないと愉しむ事は出来ないかもしれない。見る者を選ぶ作品だといえる。

 ストーリーはユリアが感情を取り戻す幼少期から始まり、サザンクロスでの出来事、南斗最後の将に就任、そして将としての活動という流れで構成されている。サザンクロスを離れてからは全てオリジナルエピソードで、特に今まで謎の多かった南斗最後の将に関する内容を描いたという点は興味深い。その重要な鍵を握るオリジナルキャラクター・ダーマの存在は、今後も北斗を考察するにおいて欠かせない存在となってくるだろう。あと一匹、特殊な宿命をもった犬・トビーというオリジナルキャラクターも登場するが、こちらは謎を解明してくれるどころか、此奴自身が謎多き存在であり、掴みどころが無い。

 本作が他の4作品と異なるのは、レイやジャギが登場する事だろう。特にレイは、格闘シーンの少ない本作品の中で、唯一と言ってもいい美麗なアクションを披露しており、いちレイファンとしても大満足の出来だった。この真救世主伝説シリーズは、風雲龍虎編(牙一族〜ユダ編)に関わる内容を黙殺する傾向が見受けられるのだが、このユリア伝だけは空気を読まず、しっかりとファンの期待に応えてくれた。その点は個人的に高く評価したい。

 だが正直この作品には残念なポイントも多い。まず声優が弱い。宇梶氏のラオウは違和感こそあれど演技自体は満足のいくものだったが、石田氏のユリアは御世辞にも褒められたものではない。脇役なら問題にしないが、ガッツリ主人公なのだからこれはいただけない。もののけ姫の頃から進歩していない気がする。あと前作では可也上手かった阿部氏のケンシロウも、今作ではイマイチな出来だった。これらがよく顕れているのがシンに七つの傷をつけられるシーンである。正直全く悲痛な感じが伝わってこない。年齢的にケンも若いのだから、もう少し声を張ってほしかった。
 作画の方も、個人的には残念な出来だった。別に下手というわけではないのだが、なによりユリアが美人でないのが問題だ。第四弾となるトキ伝でもユリアは登場するが、そちらのユリアのほうが遥かに可愛いかった。五部作の中でも一番女子が可愛くない作画が、唯一女性が主人公であるユリア伝に充てられてしまっているのである。せめて他のどれかであれば、問題無かったのだが・・・。そういえばTVアニメでも、ユリアはいい作画の回と巡りあう機会が少なかった。所詮彼女はそういう運命なのかもしれない。



公式サイトキャッチコピー

少女は少年に、未来を見たのか?

世界大戦後の荒廃した大地。
そこは国家も社会秩序も崩れ去り、
混沌と狂気が支配する
暴力の荒野と化していた。

ある男は己の欲望に生き、
ある男は乱世に覇を唱え、
また、ある男は人々のために闘おうとした。

最強と呼ばれる男達の中、
未来を希望の光で照らそうとした女がいた。
女の名はユリア。
星々と彼女の宿命が響きあう。


全五部作で展開される
『真救世主伝説 北斗の拳』シリーズ第2弾。
北斗の数々のエピソードと交錯しつつ
物語は進行する。

失われたと思われていた時が、
今、静かに動き出す。