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章烈山編
なんとか命を繋ぎとめた潘光琳であったが、立つ事すらできぬその身体では、青幇の御大を続ける事はできなかった。その後釜として葉が推薦した人物……それは、舞い戻ってきたばかりの玉玲であった。女頭目として馬賊を纏め上げた実績のある彼女は、まさに組織を率いるに相応しい"カリスマ性"を備えていたのである。突然の言葉にうろたえる玉玲であったが、彼女自身、それが運命である事を理解していた。2年間、馬賊の頭として生きた自分には、もはや普通の生き方は出来ない……。重い宿命を背負い、血塗られた道を歩もうとする玉玲に、拳志郎はその"夫"として、運命を共にする事を約束するのだった。
潘が倒れた今を好機とばかりに、遂に章元帥が動き出そうとしていた。章の目論見……それは、各地から呼び寄せた馬賊達を手懐け、"第二紅華会"として仕立て上げる事であった。そして、それを成せるだけの人物を、章はすでに上海へと呼び寄せていた。抗日の英雄として知られる伝説の馬賊将軍、羅虎城。章烈山と対照的な、驚くほど小さな体躯を持つその人物こそが、章が用意した新たなる紅華会の頭であった。
数日後、章のホテルでは、馬賊達を集めた宴席が開かれていた。あの小さな身体で本当に馬賊達を纏め上げる事ができるのか―――。章のその心配は、直ぐに杞憂に終わった。小さな体から発せられた、地響きが如き羅の声は、一瞬にしてその場全員の魂を掌握したのだった。巧みなる話術と資金で、羅虎城が馬賊達の心を掴んだその瞬間、彼等は第二紅華会として生まれ変わっていたのだった。
伝説の英雄である羅将軍の復活記事は、上海市民の心を掴んだ。更に、国民党と共産党を背後に持つ羅の力は、第二紅華会の勢いを急速に増していった。このままでは青幇の壊滅は必死―――。そう考えた青幇の男達は、潘光琳に、章と玉砕させてほしいと申し出た。潘に大恩ある彼等には、幇を守るためならば、自らの命すら惜しくは無かったのだった。
だがその頃、拳志郎は、彼等よりも一足早く行動を起こしていた。羅虎城の屋敷に忍び込んだ拳志郎は、羅の軽功術をあっさりと破り、秘孔を突いた。それは、自分の名「羅虎城」を口にすれば死ぬという、屈辱極まりない秘孔であった。術を解く条件として羅に与えられた指令……それは、この屋敷で晩餐会を開き、そこに章烈山を招く事であった。
数日後、羅将軍から異常なもてなしを受ける章烈山は、すぐにこれが罠である事を見抜いていた。だが、目の前に閻王が現れても、章に焦りは無かった。己は生まれながらに強い―――。相手が北斗神拳であろうとも、その数倍の体躯をもつ自分が負けるはずは無いと考えていたのである。爆弾が如き破壊力を持つ巨大な釵で、矢継ぎ早に拳志郎を攻め立てる章烈山。だがその中で拳志郎は、章の眼に宿る、死への恐怖を見抜いていた。それは、かつて父・章大厳が、烈山に北斗曹家拳を伝承しなかった理由でもあった。拳志郎がその眼に静寂なる殺意を込めたとき―――、死を感じた章烈山からは、もはや完全に戦意が失われていた。
秘孔により、助けを求める声すら出せなくなった章烈山に、止めの秘孔を突き入れんとする拳志郎。しかし、それを制止したのは、彼の弟である張太炎であった。日本軍の侵略が激しさを増す中、中国に求められるのは、国民党と共産党が力を合わせること……。その双方を動かし、国共合作を成せる章烈山は、今の中国に必要な男だったのである。
それは父・大厳の願いでもあった。彼が烈山に北斗曹家拳を伝承しなかった真の理由……それは、烈山が父・大厳を愛していたからであった。北斗曹家拳は、師との命を賭した闘いの果てに伝承を許される拳。既にその大厳も、張太炎と闘いの果てに、命を落としていた。だが優しき烈山には、自らの父を殺す事など出来る筈が無い―――。それを見抜いていたが故に、大厳は烈山を突き放し続けていたのだった。
父の愛を知った烈山は、涙を流し、太炎に誓った。もはや何も見ず、天の命じるがままに生きよう―――。そう言って烈山は、太炎に己の眼の光を奪わせ、ただ時代のために生きる一人の男へと生まれ変わったのであった。
その時、一同の前に、機関銃を構えた羅虎城が現れた。第二紅華会の御大として上海を支配できるはずだった彼にとって、この結末はとても納得のいくものではなかったのである。その場にいる全員を抹殺し、再び自らの野望を実現させようとする羅虎城。彼もまた、章と同じく、中国を一つに纏め上げられるだけの力を持つ男であった。だが金が全てである彼にとって、国や人民のことなどどうでもよかった。無論、そんな男に天が微笑むはずはなかった。拳志郎の誘導によって、うっかり己の名を口にしてしまったその瞬間、羅虎城の身体は肉片となって飛散したのであった。
・巨大な看護婦、潘に消毒用エタノールを点滴しようとする。実は章元帥から送られてきた刺客。
おかしいと思ったんだよなー。平和飯店で玉玲の記憶が戻ったときも、章の刺客が何人も入り込んでたのがさぁ。つまり青幇の人たちは危機感が足りないんだよ。あんなバケモンみたいな看護婦いたらすぐ制止しなきゃおかしいもん。拳さんいるからまあ大丈夫だろうみたいな依存症があんじゃないの。
・章烈山、馬賊達を纏め上げるため羅虎城を上海に呼び戻す。異常に小さな身体の男。
確かに小さいんだけど、もうちょい後になったら彼より遥かに小さいノミの孔さんが登場するんだよなあ。アイデンティティーぶちこわされちゃったよね。
・青幇一の殺し屋、フクロウの顧。章元帥が潜むホテルをつきとめるが、逆に銃撃される。
金克栄さん情報によると、李永健の肩にあった小龍の刺青は、青幇屈指の殺し屋の証らしい。ということは顧さんにも勿論あるんだろうか?
・拳志郎、葉と顧を助ける際に銃弾を数発被弾。自室で治療する。
部屋があるってことは、拳志郎は潘の家に住んでるって事よね。
つまり嫁の玉玲の家にお世話になってるってことよね。
これっていわゆるマスオさん状態ってやつですよね・・・
いや別にいいんだけどさ、このひと後でダイナマイト爆発させて家のガラス割りまくってんだよね。マスオさんのくせになにしてんだよ。
・羅虎城、軽功術で拳志郎を煙に巻こうとするも、匂いで捕まえられる。
弾丸を躱す拳志郎の軽功術でも、羅さんにとっちゃ稚戯に等しいらしいので、当然彼のはもっと凄いんだろう。確かに拳さんも目で追いきれてない感じがした。鼻が利く拳さんは天敵だったけど、うまく戦えばギーズくらいになら勝てる力はあるのかもしれない。いや、ないか。
・羅虎城、新しい名前候補に「羅小龍」を挙げられ、自分が小さいから小龍なのかと激怒
李小龍(ブルースリー)さんディスってんの?
・章元帥の好みは小柄な女。アレは普通サイズだから。
そ、それって体格との比率でいうともう「ついてない」に等しいのでは・・・
・章烈山、巨体を持つ自分は生まれながらにして強く、拳法など小物の虚仮脅しだと言い放つ。
あんた親父さんの前でめっちゃ小っさなってたじゃないか
・章大厳が烈山に望んだのは、中国の為に生き、国共合作を実現させる事だった。
国共合作とはつまり、いがみ合ってる国民党と共産党がケンカをやめて手を結びましょうってことで、これは実際に歴史上に2回起こったことなんですね。烈山が実現させたと思われるのは2回目の方で、これは1937年の9月に起こってます。作中ではこの時点で1936年なので、約一年後に実現してるってことですね。流石の手腕です。
・章烈山、これからは天の念じるがままに生きる事を誓い、そのための証として太炎に自らの目の光を奪わせる
いや・・・・あんたみたいな巨人が目ぇ見えんようになったら困る人いっぱいいるから、止めたほうがいいと思うよ。サイズ的に手を引いてくれるような人もいないでしょ。
≪再会編
流飛燕編
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