流派･奥義紹介（３）

北斗神拳

北斗三家拳

極十字・西斗・他

極十字聖拳

北斗劉家拳の流れを汲む拳法。かつて異端の天才と呼ばれた魏瑞鷹が、劉家門を元にして創始し、後に彪白鳳と流飛燕の二人の弟子に伝承された。秘孔術を使う以外はあまり北斗の拳と似通った部分はなく、主に鋭い手刀で敵の身体を切り裂くといった戦い方を得意としている。その鋭利な爪痕は、触れられた事すら気付かない程の切れ味を誇る。 　その宿星は南十字星であり、拳の伝承する者達の手の甲にはその星をかたどった紋章が刻まれている。だが北斗七星が指し示す北極には天帝という星があるのに対し、南十字が指し示す南極には星がないため、守るものを探してただ闇を孤独に回るのみとされている。 その拳の真髄は、身も心も血で染め上げ、血に酔うことで恐怖を消し去り、命を見切る事にある。故に"死鳥鬼"と呼ばれる流飛燕は、死地に向かう前に、優雅な鶴の象徴である自らの拳に血化粧を施すため、多くの武芸者達の血をその全身に浴びた。だが拳志郎によると、流飛燕はその血に酔いすぎたために、師・瑞鷹の思惑を理解できなかったと語っている。 特筆すべきはその防御にあり、千手羅行の修行によって千の手を得た流飛燕には、拳志郎の拳をもってしても身体に触れることすら出来なかった。しかし全ての拳を防いでも、闘気によって秘孔を突く天破活殺だけは防ぐ事が出来なかった。 もともとは北斗神拳を凌駕するために生み出された拳であるため、その使い手達は総じて北斗神拳への強い対抗心を抱いている。流飛燕も拳志郎に敗北した際、これは極十字聖拳の負けではなく、己の不覚ゆえの敗北だと語り、自決しようとした。かつて霞鉄心もまた、その意思を汲み、義足である魏瑞鷹との戦いで拳の優劣をつけるのは惜しいと考え、それぞれの弟子に拳の決着を委ねる事を選んだ。

極十字聖拳　奥義

瞑空爪舞 めいくうそうぶ	使用した話数：110話 使用した人物：彪白鳳 使用した相手：拳志郎
彪白鳳が拳志郎との闘いで使用した奥義。電柱の上から飛び掛るような形で繰り出した。次のカットでは、子供を庇う拳志郎の背中に拳が刺さっている状態になっていたため、どのような技なのか詳細は解らない。

死鳥血条斬 しちょうけつじょうざん	使用した話数：115話 使用した人物：流飛燕 使用した相手：ギーズ
流飛燕がギーズとの闘いで使用した奥義。触れた者に斬られたことを気付かせないほどの鋭い拳で、手首から腕の付け根へと伸びる深い直線傷を与えた。

眠らせる秘孔	使用した話数：124話 使用した人物：流飛燕 使用した相手：エリカ
ナチス軍から逃亡する際に、飛燕がエリカに使用した秘孔。己と拳志郎の戦いをエリカに見せぬために使用した。

二指真空把 にししんくうは	使用した話数：124話 使用した人物：- 使用した相手：-
自らに向けて放たれた武器を指でキャッチし、相手へと投げ返す奥義。北斗神拳の技だが、拳志郎の話によると、極十字聖拳にも同じ技があるらしい。

舞裂爪破弾 ぶれつそうはだん	使用した話数：130話 使用した人物：流飛燕 使用した相手：拳志郎
高速の動きで相手の背後を取り、その背に大きな十字の傷を刻み込む奥義。かつては魏瑞鷹が霞鉄心に使用し、それに準えるかのように、流飛燕もまた拳志郎の背に同じ十字傷を刻み込んだ。ただし、鉄心が受けた傷は30年経っても消えていないのに対し、拳志郎の傷は後に消えて見えなくなっている。

自決の秘孔	使用した話数：135話 使用した人物：流飛燕 使用した相手：己自身
拳志郎との戦いに敗けた飛燕が、自決するために突こうとした秘孔。エリカが制止したため結局突かれることはなかった。右の頚動脈辺りにある。

燕舞斬 えんぶざん	使用した話数：179話 使用した人物：流飛燕 使用した相手：ヤサカ
相手の身体を十字に切り裂く奥義。ヤサカに対して使用したが、先の攻撃で間合いを見切られていたため、紙一重で躱された。

西斗月拳

1800年前、月氏の民に伝えられていた秘拳。当時、経絡秘孔に操ることに最も進化していた拳法であり、この拳と北斗宗家の拳の融合によって、最強の暗殺拳、北斗神拳が創始されたとされている。 かつて門下に迎えたシュケンが、西斗月拳の高弟を全て葬ったため、歴史から抹殺されたとされていた。しかしその怨念は永々と生き続けており、後に月氏の血を引くヤサカの手によって現代に蘇ることとなった。1800年経った今でも、北斗神拳への憎しみを忘れることなく、北斗に関わる者全てを抹殺する事を信念に掲げている。だが後にその憎しみは、ヤーマの「シュケンに会いたい」という強すぎる思いが怨念へと変わったものであることが分かり、ヤサカ自身も、シュケンとヤーマの間にできた北斗の血を引くものの末裔であることが明らかとなった。 一撃必殺の北斗神拳とは違い、複数の秘孔を突いて必殺の技とすることを奥義としている。その最後の一撃は、自らの背に拳を隠して間合いを計らせない秘奥義「相雷拳」によって完成する。これは、達人同士の戦いの中では必殺の一撃を狙う事など出来ないという「戦場の拳」ならではの考えに基いている。しかしヤサカによると、その真価は戦場の中でこそ発揮されるものであり、本来は一対一の戦いには不向きな拳であるらしい。 死んだフリで敵を油断させようとしたり、漁夫の利によって二人を始末しようとしたりするなど、勝つためには時に手段を選ばない事もある。だが、女を殺すことだけは月氏の神が許さないらしい。

西斗月拳　奥義

操孔針 そうこうしん	使用した話数：174話 使用した人物：ヤサカ 使用した相手：流飛燕
投擲した針で相手の秘孔を穿つ技。ヤサカにこの技を喰らった飛燕は、身体を動かす事が出来なくなった。

死の抱擁	使用した話数：179〜180話 使用した人物：ヤサカ 使用した相手：流飛燕
背中の秘孔に両手の指を突きいれ、激痛を与える技。飛燕に腕を押し広げられたことで、胸の傷が開いしていまい、解放を許した。

相雷拳 そうらいけん	使用した話数：181　208話 使用した人物：ヤサカ 使用した相手：流飛燕　劉宗武
勝ちは無くとも負けは無いという西斗月拳の秘奥義。拳を自らの背に隠して間合いを隠すことで、相手はどこから拳が飛んでくるか判別不能になる。流飛燕戦では互いに急所を外した相打ちに終わったが、事前に突いた複数の秘孔が、その最後の一撃によって完成を迎えるという役割を果たした。 劉宗武戦では分身して使用したが、強烈な一撃を前に回避を余儀なくされ、不発に終わった。

全身から血を 噴き出す秘孔	使用した話数：181話 使用した人物：ヤサカ 使用した相手：流飛燕
全身から血を噴出したまま一歩も動く事が出来なくなる秘孔。複数の秘孔を突いて効果を発揮する技であり、相雷拳によって突かれた秘孔によって完成を迎えた。腕は動かせる模様。

自白させる秘孔	使用した話数：192話 使用した人物：ヤサカ 使用した相手：張
意思に関係なく全てを自白させる秘孔。スパイとして船に入り込んでいた張に使用しようとしたが、油をかぶって炎上自殺されたため、未遂に終わった。

その他の拳法

八極拳 はっきょくけん	使用した話数：5〜6話 使用した人物：金克栄 使用した相手：禁衛隊隊長、拳志郎
金克栄が使う拳法。肩に軽く掌底を乗せただけで、敵はその掌を体にめり込ませて死に至るほどの破壊力を持つ。かつて北斗神拳を使用していない状態の拳志郎と互角に渡り合うほどの強さを見せたが、"北斗神拳伝承者"として闘った拳志郎には全く通用せず、軽く指先を添えられただけで簡単に動きを封じられた。 実在の拳法。

南派洪家門五形拳 なんぱこうかもんごけいけん	使用した話数：23話 使用した人物：崔 使用した相手：拳志郎
楊美玉のボディーガードである崔が極めたと自負している拳法。一瞬で拳志郎に敗れ去ったため、披露されることはなかった。実在の拳法。

ボクシング	使用した話数：13〜16話 使用した人物：ゴラン 使用した相手：青幇の拳法家　拳志郎
ゴランが身に着けている格闘技。グローブの上から青幇の拳法家の顔を粉々に粉砕するほどの威力を誇っていたが、拳志郎には全く通用しなかった。実はボクシングよりもムエタイのほうが得意らしい。

ムエタイ	使用した話数：17〜19話 使用した人物：ゴラン 使用した相手：拳志郎
13世紀からタイに伝わる、地上最強の打撃型格闘技。ゴランがフランス領インドシナのフランス軍にいた時に身につけたものであり、ボクシングよりも得意としている。ラッシュによって拳志郎の身体を覆う包帯を剥ぎ取ったが、ダメージは全く与えられなかった。

首相撲	使用した話数：19話 使用した人物：ゴラン 使用した相手：拳志郎
ムエタイの真髄とされる技。両腕で相手の頭部を上から覆うようにロックし、強烈な膝蹴りを何度も叩き込む。拳志郎には全く通用せず、逆に首の力だけでその巨体を持ち上げられ、破られた。

蟷螂拳 とうろうけん	使用した話数：67話 使用した人物：連 使用した相手：拳志郎
李秀宝の側近の一人・連が使う、カマキリの動きを模した拳法。拳崎志郎（拳志郎）をビビらせようと拳を振るったが、逆に鼻の骨を折られて返り討ちにされた。 実在の拳法。

杜流陽湖拳 とりゅうようこけん	使用した話数：128話 使用した人物：杜流陽湖拳の師範 使用した相手：流飛燕
上海随一の道場を持つ流派。流飛燕の道場破りに遭い、ロクに披露することもなく皆殺しにされた。部下全員で押さえつけたところに師範が跳躍から攻撃しようとしたが、それ以外の攻撃描写は全く無いため、詳細は不明。

瓶切り かめきり	使用した話数：154、155、163話 使用した人物：杜天風 使用した相手：向世昌、手下達、劉宗武等
杜天風が得意とする拳法。鋭い手刀で人体を切り裂く。常人の体であれば切り落とせるが、超人達には通用するかどうかはわからない。

虎拳虎爪掌 こけんこそうしょう	使用した話数：206話 使用した人物：彪 使用した相手：ヤサカ
寧波にいるコック・彪が使う拳法。料理にイチャモンをつけてきたヤサカに対して使用したが、放った最初の一撃を包丁で手首ごと切り落とされた。