
通りがかったサトラにブランカの事を伝えるケンシロウ。だがサトラはその事実を信じようとはしなかった。ブランカは温厚な民が暮らす国であり、その国の王女ルセリはサトラの許嫁だったのである。だが辿り着いたケン達が目にしたのは、変わり果てたブランカの姿であった。国を、そして民達の信仰を変えたもの。それはバランという一人の男の登場であった。彼が持つ奇跡の力に、人々は心酔させられていたのである。その日もバランは、呼吸をしなくなった赤子の息を見事に吹き返らせるという奇跡を起こした。だがケンシロウは、その奇跡の正体が秘孔である事を見抜いていた。
囚われていたブランカの王族達を救ったケンたちは、そのまま地下を伝い、バランの居城へ。王の間に捕らわれたルセリを助けようとするサトラであったが、それを阻んだのは怒り狂うバランであった。ルセリが神の遣いと信ずるケンシロウを標的と定め、攻撃を仕掛けるバラン。彼の使う拳は、限りなく北斗神拳に近いものであった。
バランが目指す、神を超えた存在。かつてそれを唯一実現させた男をバランは知っていた。その名は拳王。バランが身に着けた拳も、全てその拳王から学んだものであった。しかし、バランは知らなかった。彼の未熟な拳では、決して神を超えることは出来ない事を。自らの北斗剛掌波を霧散されたバランは、ケンシロウより放たれた真の剛掌波により、その身を吹き飛ばされたのであった。![]()
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