
ジャグゾ率いる盗賊集団・怒愚魔党の貯蔵庫から、一昨日襲った村からの強奪品だけが消えた。翌朝、村へと訪れたジャグゾ達に対し、自分がやったと一人の少年が名乗り出る。少年にナイフで指を切り落とされたジャグゾは、怒り狂って襲い掛かろうとするが、その顔面を殴って止めたのはケンシロウであった。ケンシロウが迎えにきたその少年・リュウは、あのラオウの遺児であった。
その夜、コウケツを倒すため城内を徘徊していたリュウは、多くの子供達が監禁される部屋を発見する。そこにいた盲目の少年シンゴは、バルガの息子であった。シンゴを捕らわれ、更に部下達全員の子供達を人質にとられたバルガには、牛馬に身を落とすしか方法はなかったのであった。ケンシロウと対面したバルガは、戦士としての誇りを奪われた己の無力さを語り、涙する。しかし、戦士の誇りを受け継ぐ少年リュウは、既にこの状況を変えるために動き出していた。
現れたケンシロウに対し、自らが作り上げた怪人をけしかけるコウケツ。その隙に、コウケツは己とリュウの二人を鋼鉄製のシェルターへと閉じこめた。コウケツは、かつてラオウに媚を売ろうと靴を磨いた際、下衆なドブネズミと罵られ、大きな屈辱を味わっていた。その恨みを晴らすため、ラオウの息子であるリュウを殺そうと考えたのである。だがあと一歩というその時、ケンシロウに吹っ飛ばされた怪人の体がシェルターを破壊した。ならばと自らが怪人の頭脳となるという羈獣拳を繰り出し、リュウを人質にとって抵抗するコウケツ。だがケンの剛拳は、巨大な怪人の上半身を後方に吹き飛ばしてしまった。恐怖さえおぼえるそのケンの力に、リュウは改めて北斗神拳の凄まじさを知るのだった。![]()
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| ≪修羅の国編 | サヴァ編≫ |