
ヒョウを加えた北斗の軍は、遂に最終決戦の地、魔瘴の沼へと辿り着いていた。決着の時は近い。今彼らの出来る事は、拳に命をかけた男と男の勝負を見守る事だけであった。
その時、沼の中に突如道が現れた。母の墓標へと続くその道は、まるでカイオウを誘っているかのようであった。地を這い進み、墓標へと辿り着いたカイオウは、母の霊に願う。最後に今一撃の力を!それは、魔神とまで呼ばれた男の最後の意地であった。次の瞬間、カイオウの身体は噴き出した間欠泉によって空高く舞い上がっていた。宙からの肘打ち。全ての拳とプライドを捨て去った最後の攻撃が、ケンへと頭上に襲い掛かる。しかし、ケンはそれを全力で迎え撃った。カイオウの胸を撃ち抜いたその拳は、2000年にも渡る長き北斗の悲劇に終止符を打つ一撃となったのであった。
ヒョウの亡骸を抱え、カイオウはゆっくりと岩山を登り始めた。この沼は母の眠る聖地。カイオウにとって、己の死地は他になかった。頂上の仕掛けをカイオウが作動させると同時に、二人の身体に溶岩が降り注ぐ。熱泥が流れ落ちた後に残ったのは、岩となった二人の英雄の姿であった。飛んできた焼石の熱さを手に感じながら、ケンは彼らに最後の別れを告げるのであった。
北斗の次兄 トキ| [漫画版との違い] ・ヒョウを加えた北斗の軍が魔瘴の沼へと向かうシーン&到着して戦いを見守るシーン追加 ・カイオウが暗琉襲撃破を放ち、ケンがそれを闘気断葬で防ぐシーン追加 ・母の墓標に向かうとき、カイオウの足が破裂するシーン追加 ・「たとえ転地逆と鳴っても――」の台詞は、原作では間欠泉で飛んでいるときだが、アニメでは飛ぶ前。 ・最後の一撃が、原作では左肘だけだが、アニメでは両肘 ・ケンが数々の強敵を思い浮かべながら去っていくシーン追加 |
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