
網を手に、川で魚捕りに興じる子供達。この国では珍しいその微笑ましき光景に、ケンの顔にも思わず笑みがこぼれる。だが子供達がケンの顔を見た瞬間、その顔は凍りついた。一目散に逃げ出だした子供達は、走りながらこう叫んだ。羅将ヒョウ様だ、と。子供達がケンを見紛えた、その羅将ヒョウなる男とは・・・
ロック達はジュウケイのもとを訪ねていた。彼等はヒョウの親衛機甲団の襲撃を計画していた。だがもし敗れた時、残された村人達を守ってもらうよう、ジュウケイに頼みに来たのである。しかし、ジュウケイは知っていた。彼等がどんなに奮闘しようが、ケンはヒョウに勝てないことを。何故ならヒョウは、ケンと血を分けた実の兄だったのである。
ケンのいる西の荒野へと向けて突き進むヒョウの親衛機甲団。だが小さな村に差し掛かった時、彼等の前にロックが立ち塞がった。ケンシロウがヒョウを倒せないなら、自分達が倒す。彼等はその標的を、ヒョウ一人に絞り込んだのである。そして決戦の地に選んだこの村には、親衛機甲団を待ち受ける様々な罠が用意されていた。まず突進してきた戦車を落とし穴にはめたロック達は、鐘楼からの狙射で隊長ルイスウを射殺。小屋の中からのガトリングボウガン、井戸の中からの不意打ち、煙幕を使用しての車奪取に、高速の鞭捌き、そしてダイナマイトによる戦車爆破。鍛え上げられた七人の戦闘術が、次々と修羅を葬っていく。しかし、最大の狙いであるヒョウの命は、余りにも遠かった。
しかし、無情にもその時は訪れた。ケンとヒョウ。二人が兄弟であると言う事実を伝えきれぬまま、ロックはその命果てたのであった。ロック達が死を賭けてまで己に戦わせまいとする男、ヒョウ。未だケンはその男の素性を知る事はなかった・・・| [漫画版との違い] ・子供達がケンをヒョウと見紛えるシーン、ジュウケイがケンとヒョウの秘密と過去を明かすシーン、見回り修羅がカイオウと出会うシーン以外は全てアニメオリジナル。 ・ジュウケイがケンとヒョウの秘密を語るのは原作ではレイアとタオにだけだが、アニメではロック達も居合わせる。 ・見回り修羅がリン達の姿を発見するシーンは削除 ・カイオウが見回り修羅達を飛び越えていくシーン削除 |
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