
ボロ達のリーダー・コセムは、右手に握り締めたペンダントを掲げ上げた。それは、コセム自身が交わしたラオウとの約束の証であった。この国が地獄と化そうとしていた数年前、命をかけて海を渡ったコセムは、ラオウとの接見を果たしていた。国の危機を伝えられたラオウは、いつか海を渡る事を約束し、コセムにペンダントを渡したのである。そして今、約束の時は訪れた。今こそラオウ様と共に戦うとき。コセムのその言葉に、武器を掲げて沸き立つボロ達。彼等はまだ知らなかった。彼等の見た伝達の赤水が、誤りであることに・・・
夜。子供達の囚われている修練場の周りには、続々とボロ達が集い始めていた。反撃の狼煙として、彼等はまず修練場に囚われている子供達を解放しようと考えたのである。どこから沸いたとも知れぬ凄まじい数のボロ達の夜襲を受け、修羅達はあっけなく全滅。ボロと子供達が感動の対面を遂げる中、コセムも息子チェーンとの再会を果たしたのだった。しかしその歓喜の声は、飛来した巨大なブーメランによって打ち砕かれた。ボロ達の動きを察知したブロンは、既に修練場へ駆けつけていたのである。そしてその口からは、彼等の希望を打ち砕く非情の真実が語られた。この国に来たのはケンシロウという男であること。そして救世主と崇められるラオウは、既に死んでいるのだという事を。希望の失われたボロ達に、もはやブロンに対抗するだけの気力など、あるはずも無かった・・・
北斗七星を見上げながら、ケンは己の血の滾りに考えを巡らせていた。北斗琉拳。その使い手であるシャチと三羅将。この国が己の故郷であるという事。そして、ラオウでなくては羅将ヒョウは倒せないというハンの言葉。残された多くの謎と、それに繋がる己の宿命の正体を、ケンはまだ知りえてはいなかった。
非道なそのブロンの行いは、久々にケンの怒りを爆発させた。放たれたブーメランをキャッチしたケンは、それを折り曲げてブロンの顔面へ。己の武器を顔にめり込まさせられたブロンは二刀流で立ち向かおうとするも、ケンの怒りの闘気の前にはもはや近寄る事すら叶わなかった。そしてその額にケンの指が突き入れられた瞬間、処刑は完了した。闘気で曲げられた己の刃を自分の顔に突きたてながら、ブロンの肉体は鮮血と共に四散したのであった。| [漫画版との違い] ・原作ではハン没後、ケンはリンとシャチと共に行動するが、アニメではケンは一人で行動する。 ・ラオウに怯える部下達を、ブロンが皆殺しにするシーン追加 ・修練場の見張りがやられるのは、原作では口にくわえたハンマーだが、アニメでは馬乗りから刺される ・修練場の扉を破るのは原作では武器でこわすが、アニメでは丸太で突いて壊す。 ・原作でブロンが最初にブーメランで切ったのは数人だが、アニメでは一人のボロの首だけ ・ケンが北斗七星を見上げながら血の滾りを感じるシーン追加 ・ジュウケイ、レイア、タオが滅ぼされた村を訪れるシーンは削除 ・原作の止めを刺す処理係がアニメでは居ないため、ケンは普通にコセムを助け起こす。 ・原作のコセムはケンが着て直ぐその正体をケンシロウと悟るが、アニメではブロンが死んだ後(次話) ・アニメではコセムは修練場では殺されない ・ブロンがラオウペンダントを折り曲げ、ケンを激しく激怒させるシーン追加。その後ケンが直すシーンも追加。 ・原作のブロンはブーメランを投げ返されて死亡するが、アニメではその後も戦い、自分の刀で自分の顔を切る秘孔(原作では部下が突かれた秘孔)を突かれて殺される。 ●総集編詳細 今回の総集編で流れたシーン ・ケンが船で修羅の国に渡るシーン ・惨敗ファルコ登場シーン ・シャチがパトロール修羅を倒すシーン ・ケンがレイアが私塾を訪れた時のシーン ・シャチvsカイゼル ・レイアがシャチのペンダントを捨てるシーン ・20数年前、ラオウ、トキ、ケンシロウが海を渡ったシーン ・ケンvsハン |
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