
なんとか城壁の上へと避難したジャコウは、ケンとファルコを葬るために新たな仕掛けを発動。爆発によって城壁を倒し、ケンとファルコをその下敷きにする事に成功する。だが、眩い光と共に石壁は崩壊。その下からは、何事もなかったかのように、ジャコウに怒りの視線を向ける二人の男の姿があった。怯えるジャコウは、今度は残った帝都兵達にトドメをさすよう指示を出す。二人を倒した者には帝都の長の座を与える、との餌に釣られ、飛び掛っていく帝都兵達。だが、負った傷も、使い果たした体力も、ケンにはハンデにすらならなかった。先程自分達にむけて放たれたあの大きな鉄の矢を手に取ったケンは、まるでその重みを感じさせない様子でそれを振り回し、帝都兵達を一瞬にして撃退したのであった。
後ずさるジャコウを追い詰め、トドメをささんとするファルコ。だが、体力を使い果たしたその体は、まともに歩く事さえままならなかった。ファルコの膝が折れたのを見たジャコウは、これならば勝機があると判断。もしファルコに勝てたなら見逃してくれとケンに約束を取り付け、ジャコウは例の鉄の矢を手に取り立ち上がった。狙ったのは勿論義足。しかし、渾身の力で殴りつけたにもかかわらず、ファルコの義足はびくともしなかった。武器として鍛えられたその義足は、ジャコウ程度の力ではとても折れる代物ではなかった。ならばと今度はその体めがけて振り下ろしたジャコウであったが、結果は同じ。逆に矢を奪われ、ファルコに叩きつけられたジャコウは、骨も砕けんが程の痛みに身をよがらせる。完全に計算が狂ったジャコウは、恐怖に顔を引きつらせ、許してくれと懇願する。だが、この男の圧政によって失われた命、己が殺してきた心の痛みは、謝って許されるようなものではなかった。金色に輝く右手が、ジャコウの顔面を掴む。消え失せろ!全ての怒りを込めた金色の炎が、ジャコウの顔を醜く歪ませ、そしてこの世から跡形も無く消しさったのであった。
溢れた地下水の流れる帝都の地下で、サイヤは気を失っていた。リンにより助けられたサイヤは、殺気立った帝都兵うろつく帝都内から脱出しようと試みる。だが、その二人の前に立ちはだかったのは、タイガであった。帝都に見切りをつけ、且つファルコにも恨みを抱くタイガは、彼等の手の届かぬ地へと赴こうと考えていた。その手土産として、タイガはリンを選んだのである。サイヤを一撃で撃退したタイガは、リンを当身で眠らせ、帝都を後にする。その手には、ファルコが仕掛けた爆弾の起爆装置が握られていた。
墓地へと運ばれたアインの亡骸を前に、最後の別れをする一同。静かに父の顔に触れるアスカに、涙は無かった。気丈なアスカは、自分が泣けば父が静かに眠れないと思い、涙を堪えていたのだ。そんなアスカがケンに差し出したのは、アインの愛用していた手袋だった。ケンに使ってもらう事が、父が一番喜んでくれることだと、アスカは感じたのである。アスカと、そしてかつての強敵達と同じように己の心の中に刻み込まれたアインのため、ケンは大粒の涙を流すのであった。| [漫画版との違い] ・一旦城壁に逃げたジャコウ達が、壁を爆破し、ケンとファルコに岩壁を倒して押しつぶそうとするシーンが追加。 ・鉄騎団がやられた後、ジャコウがタイガに泣きつくが裏切られるシーン追加。 ・開放された奴隷達が帝都から出てくるシーン追加。 ・ジャコウが流された水は、原作では自然噴き出たが、アニメではケンの投げた矢で壁に突き刺さって溢れ出した。 ・故にアニメでは、ケンが矢を投げた後にジャコウが流されるため、アニメで鉄騎団に掛かるよう命じるときはまだケンの近くにいない。(一旦避難した城壁の上にいる) ・ジャコウが矢でファルコの体を殴るのが、右肩から左肩に変更。 ・原作では残された兵と勘違いして、ジャスクを助けてしまい、さらわれるが、アニメでは潜んでいたタイガにさらわれる。 ・サイヤ、ジャスクの棍棒でやられる→タイガの放った闘気でやられる、に変更 ・墓地でのアインとの別れに、ファルコ、ミュウ、ジョセフが参列。逆にマミヤ、アイリ、既に死んでいるギルもいない。故に原作ではマミヤの村だと思われるが、アニメでは別の場所なのだと思われる。 ・マミヤの「泣いてもいいのよ」の台詞などが、ミュウに変更。 ・リンが死の海の海岸へと運ばれ、海の向こうに修羅の国があることを告げられるシーン追加 |
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