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[第100話]
究極の奥義無想転生!
ラオウ、遂にお前を追いつめた!!
ラオウから遅れること数刻、遂にケンシロウも南斗の城の前へと辿り着いた。ユリアを狙う暴凶星を止めるため、早速その後を追って城へと入ろうとするケン。しかしその時、一人の兵士がケンシロウへと声をかけてきた。リハクに命じられ、その兵がケンを案内する先とは・・・
一方その頃、ユリアもまた海の兵団達によって部屋を連れ出されていた。残されたリハクの身を案じるユリアであったが、兵達はそのリハクの持つ頭脳という名の武器の威力を知っていた。先の先を読んで行動する天才軍師、リハク。彼は、既にユリアが必ずケンシロウと出会える作戦を画策していた、
リハクの下には、トウの遺体が届けられていた。五車星としての生を全うし、死んでいった愛娘。哀しみに暮れるリハクであったが、その遺体の葬は部下達に任せ、自らは再び戦地へと戻る決意を固めていた。トウの死は必ず無駄にはしない。そう心に誓い、リハクは一人、拳王を待ち受ける最後の砦へと向かうのだった。
壁を次々と蹴り壊しながら、最短距離でユリアのもとへと突き進むラオウ。辿り着いた最深部の部屋の扉を破壊したとき、その先には噴煙に隠れた一人の人影があった。ゆっくりとその者へと向けて歩み寄るラオウ。しかし、そこは既に海のリハクのテリトリーの中であった。部屋へと踏み入れたラオウの足が、何かを踏みつけた瞬間、その頭上に巨大な岩の塊が落下してきたのである。子供騙しだといわんばかりに片手を突き上げただけで己の立つ位置分だけ削りとったラオウであったが、この程度の罠が通用しないことくらい、リハクにも読めていた。天才軍師、海のリハク。その部屋は、その戦略の天才が仕掛けた罠によって殺気に凍りついた、この城最後の砦であった。
己の命を賭してでもラオウを足止めし、ケンシロウとユリアを出会わせること。それが五車星リハクに与えられた宿命であった。そして、この部屋全体に仕掛けられた罠もまた、その時間稼ぎのためのものであることを、ラオウは知っていた。しかし、ラオウの強大な力の前では、それらは無に等しかった。ラオウは、その大きな手を伸ばし、部屋に張り巡らされた仕掛け紐を全て一気に手繰り寄せてしまったのだ。部屋中に仕掛けられた数え切れぬほどの武器が、ラオウへと向けて飛来する。だがしかし、それら全ては、突如不自然に盛り上がった地面の壁によって防がれてしまった。ラオウはその人間離れした力で、己の身を隠せるだけの即興の盾を、地を削り取ることによって作り出してしまったのである。あまりにも常識を超えた行動の前には、リハクの先を読む力さえも通用しなかったのであった。
ケンシロウと落ち合う予定となっている部屋へと向けて、階段を駆け下りるユリア。その耳には、近付いてきているケンの足音が届いていた。そのユリアよりも少し早く部屋へ辿り着いたのは、ケンシロウのほうであった。この部屋でユリア様と落ちあう予定となっている。自らをここまで案内した兵からそう聞かされるケンシロウであったが、ケンにとってそれは本意ではなかった。ラオウある限り、ユリアに生は無い。自らの覇道のために、ラオウは必ずユリアを己の前に跪かせようとする。ケンは、今ここでユリアと逃げても、何の解決にもならないことを知っていたのだ。腕に巻いたバンテージを少しだけ千切って床に置き、ケンはラオウの待つ最上階へと走り出した。その置き土産は、己が選んだ道をユリアに伝えるための無言のメッセージであった。
ユリアが部屋へと到着したとき、既にそこにはケンシロウの姿はなかった。哀しみに暮れるユリアであったが、床に置かれた置き土産・・・ケンがたった今までここにいた事を示すその布キレを見つけた瞬間、ユリアは改めて自らの宿命を思い出した。自分に与えられたのは、ケンを信じて待ち続けるという事。そしてそれがケンとの約束であるということを。
罠を全て破られた今、ただの策士であるリハクにもはや戦う術はない。そう考え、さっさとカタを付けようとするラオウであったが、それは大きな間違いであった。南斗波砕拳。緩やかな動きより生み出される大波がごとき破壊力で相手に突撃する必殺拳。この拳こそが、リハクの真の奥の手だったのだ。その意外な破壊力に一瞬戸惑ったラオウであったが、その顔には直ぐに勝利の笑みが戻った。そして次にリハクがとびかかった瞬間、その拳が相手で捉えたのはラオウのほうであった。巨大な大波も、ラオウという名の大岩の前には小波に過ぎなかったのであった。リハクの首を締め上げ、リハクの真の狙いを聞きだそうとするラオウ。当然リハクは何も喋ろうとはしなかったが、既に彼の練った策は失敗に終わっていた。ユリアと共に城から逃げているはずのケンシロウが、このラオウの待つ戦場へと現れたのだ。今の力ではまだケンシロウはラオウには勝てない。そう読んだからこそ、リハクはケンとユリアを逃がそうとしたのである。しかし、今から繰り広げられる光景は、そのリハクの読を大きく覆すものであった。
先制攻撃と呼ぶにはあまりにも強烈な剛拳がケンを襲う。しかし、ケンがそれを弾いた瞬間、背後の石柱へと吹き飛ばされたのはラオウのほうであった。天へ帰るときが来たのだ。そう言って天を指差し、ここがラオウの野望果てる場所であることを告げるケンシロウ。だが当のラオウにとって、それは戯言にしか聞こえなかった。さっきのは油断しただけ。そう思い、再び強烈な攻撃の嵐を開始するラオウ。それらを全て受けきったケンは、剥がれたバンテージを投げ捨て、攻撃へと転じようとする。だが、まだ直接的な戦闘においてはラオウとは大きな差があった。簡単に蹴りを受けられ、そのままゴロリと床へ転がされてしまうケン。続けざまにすさまじい剛拳が、今度は倒れて動けないケンへと放たれる。しかし、確かにケンの体を捉えたはずのその拳は、虚しく床へと突き刺さった。たった今まで目の前に寝ていたはずのケンの体は、いつに間にかラオウの背後へとまわっていたのだ。間髪いれずに今度は裏拳で殴りつけようとするが、やはりケンには当たらない。その流れるような動作。ラオウの闘気を受け流しながら移動するその動きは、まさしくあのトキの動きであった。目の前の事態を飲み込めないラオウは、今度は闘気を飛ばして攻撃する北斗神拳の奥技、北斗剛掌波を放つ。しかしまたもケンの体を捉えることはできず、今度は逆にその脇腹を高速の拳で切り裂かれてしまった。そのすさまじい突進で相手を切断する拳は、あの南斗水鳥拳、レイの拳に他ならなかった。
既にラオウの拳は、二度ケンの体を砕いているはずであった。だが拳が届くその刹那、ケンの体は空に消え去り、いずれも剛拳は空を切った。理解不能の事態に戸惑いを隠し切れないラオウ。だが、己を見つめるケンの目を見た瞬間、ラオウの脳裏にある記憶が思い出された。ケンの瞳に宿る、あまりにも深い哀しみ・・・。その哀しみこそが、北斗神拳の究極奥技、無想転生を体得させるための鍵であることを、ラオウは知っていた。
突然の発作により、ラオウの前に敗れ去ったリュウケン。師をその手にかけたラオウの拳は、既にその体に致命傷
を与えていた。しかし、ラオウには最後にリュウケンに聴かねばならないことがあった。北斗神拳に伝わる究極の奥技、無想転生。謎に包まれたその奥技の正体を聞き出さねばならなかったのだ。だが、リュウケンにはそれを教えることは出来なかった。北斗神拳
二千年の歴史の中で、その奥技を体得したものはいなかったからだ。この世で最強なのは無・・・。その無より転じて生を拾う奥技、無想転生。この究極奥技を極めるに必要なもの、それは強大すぎるラオウには決して知ることの出来ない"哀しみ"を背負うということであった。哀しみ・・・。絶命したリュウケンの亡骸を見つめるラオウの頭には、その言葉が繰り返し響いていた。
ケンシロウが背負った多くの哀しみ。それは、幻となってケンの背後に現れた。トキ、レイ、シン、シュウ、サウザー、リュウガ・・・。それは、選ばれた男達の流した血が、ケンシロウの中に脈打っていることの証であった。
ラオウ、トキが待っている。それは、哀しみを背負った最強の戦士から告げられた、ラオウへの最終宣告であった。
放映日:86年12月25日
[漫画版との違い]
・リハクが五車波砕拳でたたかうシーン追加
・ケンが構えを取ると背後の強敵達もそれと合わせて動いたりするシーン追加
・どことどこ?
既に二度ケンシロウの体は砕けている、と拳王様はおっしゃいますが、私は
その二回がいずれといずれのときか判りません。
みんなわかってるんだろうか。
一度は
ぶっ倒したケンにパンチ放つところ
だと思うんですよ。あと一回は
本命◎
剛掌波
対抗○
裏拳
大穴▲
初弾
だとおもうのですが、皆さんはどう思われますか?
・枯れた大地
神谷さんの名曲挿入歌、枯れた大地が初登場です。あんまり歌詞に意味がないように思うのですが、メロディは好きです。
・おひさなのに
今回一言「ひょーしゃおう」だけ声での出演をされるレイさんですが、声が塩沢さんじゃない・・・
ご冥福お祈りいたします。
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