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[第91話]
雲いぜん動かず!
遂に仮面の将が素顔を見せた!!
南斗の都へと進軍する拳王の本体は、自らの支配下である大きな村に通りかかった。開け放たれた巨大な門を潜り抜け、村の中を駆け抜けていく拳王軍。とその時、拳王の目にある男が飛び込んできた。それは、村人の中に紛れてこの進軍を見物に来ていたジュウザの姿であった。やはり雲は動かない。その事実を改めて確信した拳王は、一歩も立ち止まる事無く、その場を走り去っていった。
城へと戻ったジュウザに、諦めず説得を続けるリハクの部下達。手ぶらで帰る事の出来ない彼等は、自らが腹を切ることでジュウザの心を動かそうとするが、それが単なる犬死になる事は、ジュウザの態度を見れば明らかであった。もはや完全に説得する術を失った二人は途方に暮れるが・・・
とある岩場の中にあった湧き水で、喉を潤わせるケン達。だがそれは、近くの村が所有する村の水であった。フドウは勝手に飲んだことを詫び、力仕事で償おうとするが、村人たちはさっさと逃げるよう示唆してきた。既に拳王の支配下となっていたその村の水は、もはや拳王軍の所有物となっていたのだ。しかし、既にその場は拳王部隊たちによって取り囲まれてしまっていた。雑魚では話にならないと、ケンはボスの所へ案内するよう指示するが・・・
鞭を打ち、村人達に強制労働を強いる拳王部隊。だがその時、彼等に暴力を止めるよう命令してきた者がいた。男は、その日よりこの村を預かるよう命じられた拳王軍の一人、ドルフィであった。俺は今までの奴等とは違う。お前たちの意見も聞いてやろう。
暴力反対、そして民主主義で村を作っていくと言う自らの思想を唱えるドルフィ。長老は半信半疑ながら、そのドルフィに意見を申し出ようとするが、その時、ドルフィの相方であるゼンダが、長老の背後へと回りこんできた。俺達のやり方に不満などあるはずがない。そう言ってゼンダは、長老に鉄の爪を突きつけてきたのである。暴力によって自らの意見など言わせないそのやり方は、やはり他の拳王部達と同じ、力による支配と何ら変わりはなかった。
その時、水を勝手に飲んだ罪人として、ケンシロウ達が連れてこられた。判決は死刑と言うことで意見の一致したドルフィとゼンダは、早速村人たちにも挙手で賛成を求める。結果は明らかだった。鋭く光るゼンダの爪で脅された村人達には、手を挙げるしか生き延びる術はなかった。しかし、ただ一人かたくなに手を挙げない者がいた。それは、先ほどゼンダに脅され、自らの意見を引っ込めたあの長老であった。ゼンダの執拗な脅しにも屈せず、頑なに反対を貫く長老。だがドルフィにとってそれは、一人の反対意見ではなく、一匹の反乱分子に過ぎなかった。振り下ろされたゼンダの爪を背に食らい、絶命する長老。だが、悪に屈した生より、正義を貫いて死んだその長老の顔には、笑顔が浮かんでいた。
これで反対意見はなくなった。そう言ってケンシロウ達の処刑を始めようとするドルフィであったが、長老の死は村人たちの心を動かしていた。一人の声を機に、村人たちは次々と反対の声をあげはじめたのだ。思い通りにならないその村人たちを一掃してしまわんと部下をけしかけるドルフィであったが、その前に立ちはだかったのはケンシロウであった。襲い掛かってくる拳王部隊を、次々となぎ倒してゆくケンとフドウ。やっと相手がケンシロウだと気付いたドルフィは、自らの拳、泰山黒影拳にて勝負に出た。全身の筋肉を膨張させ、ケンと相対するドルフィ。だがその時、ケンの目に強い光が飛び込んできた。犯人はゼンダだった。あらかじめ近くのビルの屋上へと移動していたゼンダは、自らの鉄手に光を反射させ、ケン
の視界を奪う作戦に出ていたのだ。ドルフィの攻撃、そしてゼンダのサポートをあわせたこの二人の連携プレイが、泰山黒影拳の正体であった。飛び込んでくる光の位置とタイミングをつかめず、次々とドルフィの攻撃を食らうケン。しかし、ケンにもまた力強い相棒が存在していたことに、二人は気付いていなかった。異変に気付いたフドウが、ゼンダのアシストを止める為、屋上へと登ってきていたのだ。ゼンダの身体を捕らえ、下へと放り投げるフドウ。なんとか着地には成功したゼンダであったが、もはや黒影拳の型が崩れた時点で、勝負はついていた。襲い掛かってきたゼンダを一撃でふきとばしたケンは、ドルフィのヤケクソのハンマー攻撃をかわし、その首を捕獲。その後に待っていたのは、ドルフィの大好きな決議会であった。ドルフィの死刑に賛成なら手を挙げろ。そのケンの言葉に、まっすぐに手を挙げるゼンダ。既にゼンダの身体は、秘孔によって自由を奪われていたのだ。判決どおり、致命の秘孔を突きたてられたドルフィは、その怒りを挙手したゼンダへと向けつつ、コンビなかよく爆死したのであった。
自らの城にて盛大な宴会を開くジュウザ。その中でジュウザは、酒を注ぐ一人の見慣れぬ女を目にした。聞けばその女は、城の近くで行き倒れになっていたのだという。女を一目見て気に入ったジュウザは、早速自らにも酌をするよう言い寄ってきた。戸惑いながらも、酒瓶をジュウザのグラスへと傾けようとする女。だがその瞬間、女の手から一粒の薬が酒の中へと落とされた。女に見とれ、その事に全く気付かなかったジュウザは、一気に酒を飲み干し、そして深い眠りの中へと落とされたのであった。
ジュウザが目覚めた時、その四股は頑丈な鉄鎖につながれていた。そして、目の前に立っていたリハクの背後にいた女が、全ての事情を物語っていた。ジュウザに近づき、眠り薬を飲ませたのは、リハクの娘のトウだったのである。こんなやり方になってしまったことを詫びつつ、再度将のために動いてくれるよう説得を試みるリハク。だが相変わらず首を縦に振らないジュウザに対し、リハクは最後の手段に出ることにした。足音を響かせ、階段を下りてきたのは、全身を甲冑で覆い隠した南斗最後の将であった。そして、自らへと語りかけてきたその将の声を聞いて、ジュウザは驚愕した。なんとその声は紛れもなく女の声だったのである。しかし、ジュウザが真に驚いたのはその後であった。兜の下から現れたその将の正体に、ジュウザは言葉を失ったのだった。私の為にお前の命が欲しい。その将の言葉に対し、ジュウザは力強く答えた。よかろう。このジュウザの命、あんたにくれてやるぜ!拳王を止めることのできる最後の男が、今自らの宿命の為に動き出したのであった
。
放映日:86年10月23日
[漫画版との違い]
・拳王が町を通り抜けるシーンとジュウザが将と会うシーン以外は全てアニメオリジナル
・町を通り抜けようとしている拳王を、ジュウザが見物に来ているシーン追加
・迷い道くねくね
アニメではジュウザは、拳王軍の行進を見に来ている。その行進が去った後、ジュウザは自分の城に帰って宴会。そこで眠り薬を盛られ、起きた時には南斗の城。そこで将にあって戦闘服着替えて出発して、峡谷で拳王軍と鉢合わせる・・・
拳王軍遅いよ!!
・トウ
見事城に潜入してジュウザに薬を盛ったトウだが、
その後どうやってそこからジュウザを運び出したんだ?
トウって実はすごい強かったりするのか?
・オカマ?
こいつ
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