
その頃、当のジュウザは、自らの城につれてきた女たちと共に水遊びをしていた。拳王の読みどおり、ジュウザはリハクからの願いなど完全に無視して遊び呆けていたのだ。だが、リハクの部下たちもこのまま帰るわけにはいかなかった。水浴び場にまで飛び込み、必死の説得を続ける二人。しかし、相変わらずジュウザの考えは変わろうとはしなかった。俺は自由気ままに生きる。そう言って再び女たちと戯れはじめるジュウザ。だが、一見愉しんでいるようなその姿が、"ある事"を忘れる為の偽りの姿である事を、リハクの部下たちは知っていた。だが、彼等がそれを語ろうとした瞬間、ジュウザの顔は鬼の形相へと変わった。その事を忘れねばうぬらをこの場で叩き殺す!!ジュウザの触れてはいけない過去とは・・・
峡谷へと差し掛かったケン達に、崖の上からの大岩で先制をかける長槍騎兵隊。その攻撃はフドウの巨体によって防がれてしまったが、彼等の真の攻撃はその後に待っていた。死の特攻と呼ばれる崖の上からの集団攻撃で、一気にケンシロウを倒そうとする騎兵隊。しかしケンは、その場に落ちていた棒一本で、彼等の槍攻撃をいとも簡単に振り払っていった。その一方で、バット達に対して槍を向ける二人がいた。多くを望まない彼等は、子供たちを狙ってセコくバイクの部品を手に入れようと考えたのだ。しかし、そんな勝手なマネを、フドが許すはずはなかった。側にあった大岩を軽々と抱えあげたフドウは、容赦なくそれを二人の頭上へと落としたのであった。
空を見上げながら草笛を吹くジュウザ。だがその頭の中は、忘れることの出来ない一人の女のことで一杯であった。幼少の頃からジュウザが妹のように可愛がり、育てた女。やがて女は美しく成長し、ジュウザの想いも恋心へと変わっていった。しかし、ジュウザの叔父は、二人の結婚を認めようとはしなかった。そして、その叔父から告げられた真実にジュウザは耳を疑った。ジュウザにとって、その女は母違いの妹にあたる関係だったのである。哀しみの底へと落とされたジュウザは、全てを捨て、無頼へと走った。その原因となった女の名は、ユリアと言った・・・
かった。強烈な腕の力から繰り出す泰山破奪剛にて、ジュウザに攻撃を仕掛けるゲルガ。しかしその豪力も、ジュウザの天賦の才の前では無意味に等しかった。ジュウザの高速の手の動きで無残に右腕をねじり潰されたゲルガは、そのまま顔面と足を掴まれ、背中から真っ二つに折られて死亡したのであった。凄まじいジュウザの力を見たリハクの部下達はねやはりこの強さなくして拳王はとめられないと確信するが・・・| [漫画版との違い] ・フドウが、自らの部下から、拳王が南斗の都の位置などを知ったとの報告を受けるシーン追加。 ・原作ではジュウザはゲルガの城へ侵入したが、アニメではゲルガに捕らわれていた女達を拐ってきたに変更。 ・それに伴い、原作のゲルガは城に侵入したジュウザを排除しようとするが、アニメでは女を取り戻すたもにジュウザの城に乗り込む、に変更。また、アニメでは部下を引き連れていない。 ・原作では女と遊んでいる時にゲルガが登場するが、アニメでは一旦外に出たあとにゲルガが来たと報告を受ける ・攻めてきたゲルガと、ジュウザの仲間達との戦闘シーン追加 ・ジュウザに腰を折られたゲルガが、その後北斗神拳のように爆死するシーン追加 ・原作では長槍騎兵隊はザクの命令で出撃したが、アニメでは屯っていた場所にケン達が通りかかったので襲った。 ・原作でフドウに潰された長槍騎兵は、フドウに襲い掛かっただけだが、アニメではバット達を殺そうとしたところをやられた。 ・長槍騎兵隊の、ケンの戦う前のやりとり追加 ・ケン対ヤコブ戦追加 ・原作でジュウザとユリアの過去が描かれるのは拳王と対峙した時だが、アニメではゲルガが城に攻めてくる直前 |
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