
リーダーのシュレンを失い、もはや勝機をなくした朱の軍団であったが、拳王に容赦という言葉はなかった。号令をかけ、一気に部下を突撃させる拳王。結果はやはり拳王軍の圧勝に終わったが、それでも朱の軍団の粘りは凄まじいものだった。彼等を奮い立たせる南斗最後の将の正体に、拳王はますます興味を深めるのだった。
町を出たニワトリ商を待ち構えていたのは、コグレ率いる野盗集団であった。問答無用に振り下ろされる剣を、為す術無くその身体に突き立てられる商人。ケン達がそこへ通りがかった時には、既にその命は尽き掛けていた。もう娘に会えない。自らのささやかな願いすら叶えられぬまま、無念のうちに商人は息を引き取った。そして、そのささやかに願いを奪いとった外道共の居場所は、立ち昇る黒煙が示していた。
全て片付いたかと思ったその時、フドウが崖の上から飛び降りてきた。しかし、フドウの狙いは、岩陰に隠れていたコグレ一味の残党であった。怒りに打ち震える巨大なその腕を、悪党へと向けて振り下ろすフドウ。五車山峨斬。男の使った技は、間違いなく熟練した拳法の技であった。
山とケンシロウの接触には成功したリハクであったが、彼にはまだ拳王の進軍をとめるという難問が残されていた。未だ拳王は南斗の都の存在を知らないではいたが、それももはや時間の問題。もはや一刻の猶予もないリハクは、拳王を止められる残り一人の五車星に願いを託すが・・・| [漫画版との違い] ・拳王軍vs朱の軍団のシーン追加 ・ニワトリ商が、娘の病気とかを語るシーン追加 ・ニワトリ商を殺してチキンを食っていたのが、コグレ一味に変更。 ・老人が、フドウの正体に気付き、ケン達に教えるシーン追加 ・ケン対コグレ一味追加 ・フドウが倒したのが、デカい男ではなく、岩陰に隠れていた雑魚に変更。 ・リハクがジュウザに伝書〜ジュウザがそれを破り捨てるシーン追加 |
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