
ヒューイに続き、ハヤブサから伝書を受け取ったのは、真紅の服を纏った男だった。男の名は炎のシュレン。ヒューイの兄であり、彼もまた南斗最後の将を守る五車星の一人であった。ヒューイの死に涙したシュレンは、自らの城に火を放つよう部下に言い放った。その炎はヒューイの魂を静めるための炎、シュレンの怒りの炎、そして彼等朱の軍団の帰るべき場所を無くすための炎であった。風の仇を獲らんとする炎が、今打倒拳王へと動きだす・・・
結局バギーについていくことが出来ず、手ぶらで戻ってきた部下二人にモーガンは怒り心頭。バギーを見つけてブチ壊すまでは戻ってくるな!!モーガンの部下、壊し屋二人組の巨大ハンマーに脅える二人は、必死の捜索の結果、遂にキャンプをはるケンシロウ一行を発見したのであった。停車してあったバギーにロープをかけ、傍へと手繰り寄せた二人は、手際よくバギーのタンクに着火。ケン達が轟音に振り向いた時には、既にバギーは炎の中であった。長年連れ添った愛車を失い、号泣するバット。しかし、ケン達もこのまま引き下がるわけにはいかなかった。
モーガンの支配する街へとやってきたケン達。だが、その街も拳王という影に覆われた死の街であった。彼等を苦しめているもの、それは街中で車を暴走させるモーガンの極度の車好きにあった。その日もモーガンは、壁に正面衝突したのを「この壁を作ったのはお前だな」と無茶苦茶な理由で村人を殺害。あまりの行いに殺生を止めるよう願い出てきた老人も、ゴミのように蹴飛ばすという暴虐ぶりを見せていた。バット達に介抱された老人は、この街の惨状、そして自分の家族もモーガンに轢き殺されたという悲劇を語る。しかし次の瞬間、今度はその老人自身が命を奪われることとなった。モーガンの悪口を話した罪としてモーガンの部下に矢を打ち込まれたのである。その男たちは、先日バットのバギーを炎上させたあの二人組であった。親玉、子分達ともに腐りきったこの集団に対し、ケンシロウは・・・
ケンシロウの力は車の馬力を遥かに超えていた。素手で触られて車を汚されたと激怒するモーガンは、部下を招集してケンシロウ抹殺を支持。その間、のんきに車の掃除にいそしんでいたモーガンであったが、振り返った底に広がっていたのは、あっさりと全滅させられた部下達の死骸であった。| [漫画版との違い] ・拳王が、「次に動くは・・・」と考えるシーン以外全てオリジナル |
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