
流れ落ちた一つの星。夜空を切り裂いたその一筋の光から、トキの危機を感じたケンは、急いでトキの村へと駆け出した。一方、またひとつ新たな村を落とし、覇権を目前へと控えた拳王もまた、同じ光をその目にしていた。
リュウガが取り出したのは、血にまみれたトキのサークレットであった。それは、リュウガがトキをその手にかけたのだという証であった。それほど死にたいか!狂える魔狼にとどめをささんと、怒りを爆発させるケンシロウ。それは、リュウガ自身が望んだ、ケンの真の力が発揮された瞬間であった。天狼凍牙拳をあっさりとガードし、強烈な蹴りを叩き込むケン。続いて放たれた凍牙拳は、ケンの肩を捕えたものの、もはや鋼鉄の肉体と化したケンの体には指が食い込むのが精一杯であった。残る最後の力で放った無数の突きも簡単にいなされたリュウガは、その体に怒りの連撃を叩き込まれたのであった。
天狼は、天帝の使者として北斗を戦場へ誘う運命にあったのである。そして今、リュウガはようやく確信していた。時代が望む巨木、それはラオウではなくケンシロウであるということを。| [漫画版との違い] ・リュウガの城の警備隊長が部下達の士気を煽るシーン追加。 ・城内でケンがリュウガ兵と戦うシーン追加 ・原作では最初にトキのサークレットをみせるが、アニメでは一度ケンに壁にぶっ飛ばされてから ・原作ではトキの声で拳を止めたが、アニメではユリアのペンダントが視界に入ったから |
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