
朽ち果てた木々の奥に眠る一本の巨木。その下で座禅を組むのは、コウリュウという名の老人であった。コウリュウが危惧するのは、あまりにも巨大な力、ラオウという名の巨星。その動きを把握せん為、コウリュウは自に仕える忍・ゼンギョウに、ラオウ監視の命令を出した。南斗乱れるとき、北斗現れり。北斗の運命が、また乱を呼ぶ・・・
謎の高熱にうなされる少女、ユリ。彼女の容態を見守る母親と村人達の元へ、吉報が届いた。かつて一つの村を救った奇跡の男・トキが、その家へと訪れることになったのである。早速その治療法を調べんと、ユリの体に触れるトキ。その優しき兄の背を見るケンの顔には哀しみが漂っていた。技のキレ、流れ、速さ。どれをとっても非の打ち所のないトキこそが、北斗神拳伝承者になるべき筈だった。その運命を狂わせた核戦争の日。自らとユリアを救うため、トキが死の灰を浴びたあの日のことをケンは思い出していた。だが、トキには悔いなど無かった。トキが目指すのは、あくまで北斗神拳を使っての医療・・・現代医学で治せぬ病に苦しむ人々を救う事。そのためになら、北斗神拳伝承者という肩書きなどトキには必要なかったのだった。絶望の中、旅に出たトキが出会った村、奇跡の村。病人達が捨てられていくだけのその死んだ村を、トキは生き返らせた。村はアミバの手によって再び死に絶えたが、その村との出会いが、トキに再び自らの生きる道を示してくれたのだった。
食糧を運んでいたトラックを襲撃し、奪った食糧をむさぼる野盗達。そんな彼等の前に姿を現したのは、巨大な馬に跨った巨大な男、世紀末覇者拳王であった。相手はたかが一人。その拳王の容姿に内心恐れながら、食糧を差し出すよう脅しに入る野盗。無ければその馬でもいい。それも嫌ならお前を食う。身の程を知らぬ台詞をはき続けるその男たちを、拳王は殺す価値も無いと判断した。闘気だけで野盗達を黙らせ、その場を去る拳王。その一連のやり取りは、ゼンギョウによって全てを目撃されていた。
北斗神拳伝承者の座をかけぶつかり合う、若き日のリュウケンとコウリュウ。二人の拳はほぼ互角だった。しかし、相打ち覚悟で相手を倒したとしても、相手は同じ兄弟弟子同士。共に拳を競い合ってきた兄弟と、何故こんな過酷な戦いをしなければならないのか。伝承者を巡る戦いに、二人は意味を見出すことが出来なかった。その葛藤の果てにコウリュウが出した答え。それは、自らが身を引き、リュウケンに伝承者の座を譲ることだった。| [漫画版との違い] ・トキがラオウと戦う決意を固める以外はほぼアニメオリジナル ・ゼンギョウが普通の人から忍者みたいな男に変更 総集編詳細 総集編である今回流されたシーン ・マミヤの村でのケンシロウとラオウの闘い ・トキが核シェルターの外で死の灰を浴びるまでのシーン ・核戦争前、北斗神拳を医療に使いたいとケンに話すシーン ・トキが奇跡の村を救うシーン ・トキがカサンドラで拳王親衛隊を倒すシーン ・北斗神拳の使い道をリュウケンに聞かれたラオウが、天と答えるシーン |
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