
聖帝正規兵達の死体が散乱する道を、バギーに乗って横切る二人、リンとバット。直視できぬその光景から早々に立ち去ろうとす二人であったが、その惨劇の跡は、二人にも只ならぬ事態の予感をさせる。その真実をこの目で見るため、二人もまた聖帝十字稜へと急ぐ・・・
あと一段。長かった聖帝十字陵の階段も終わりに近付き、同時にシュウの体力ももはや限界に近付きつつあった。しかし、この闇を吹き飛ばす大きな光もまた、直ぐ側にまで迫ってきていた。目の見えぬシュウだからこそ感じられた、ある一つの光の接近。その到来を告げたのは、一人の聖帝正規兵であった。砂埃をあげ、不自然に地を滑ってきたその男は、既に死んでいた。復活の北斗神拳。シュウの、そしてサウザーの読みどおり、再びケンシロウが彼等の前に姿を現したのであった。
だが、この最強の北斗三兄弟を前にしても、サウザーから余裕が消えることは無かった。自らの体に秘められた謎がある限り、北斗神拳に対するサウザーの自信は揺らぐことはなかったのだ。
どこか息子シバの面影漂うその姿に、シュウは感激の涙を流した。己の目を潰してまで守った男が、ここまで強い光を持つ人間になってくれたことが何よりも嬉しかったのだ。ゆけ!ケンシロウ。そして時代を開け!!私はいつでもお前を見ているぞ。レイと同じく、最後にこの世の平安をケンの拳に託し、シュウは静かにその宿命の幕を下ろした。ゆっくりと崩れ落ちたシュウの体を覆い隠すかのように、聖碑はその十字稜の頂きに積み落とされたのであった。| [漫画版との違い] ・リンとバットが十字稜へ向かうシーン追加 ・聖帝バイク部隊がレジスタンスの残存部隊を襲い、その後ラオウ、トキに壊滅させられるイベント追加 ・トキとラオウが出会うのが、ラオウの城でなく、聖帝部隊とレジスタンスの合戦場所に変更 ・原作のトキの十字稜出現は、ラオウと同じ建物の上だったが、アニメでは普通に歩いてきた |
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