
ダム破壊という策略によってレイの動きを封じたユダは、水面に衝撃波を走らせる技・南斗紅鶴拳奥義
伝衝裂波にて攻撃を開始した。動くことすらままならないレイは、ただガードすることしか出来ず、次々とユダの技に切り刻まれていく。このまま水量が増え続ければレイの戦況は悪くなるばかり。そう感じたケンは、レイの戦いを見守る一同の前から姿を消した。
そしてそのまま力任せに崖の一部を切り取ったかと思うと、自らの数百倍はあろうかというその大岩を抱き上げてしまったのだ。ユダの部下達を巻き添えにしながら豪快に放り投げられたその大岩は、見事にダムの穴を塞ぎ、水の流れを塞き止めたのであった。
ユダは昔のあの時と同じく、レイの動きに目を奪われてしまった。本当に美しいと認めた者の前では無力になる、それがユダの弱さであった。自らの敗北を認めたユダは、己に突き刺さったレイの腕を引き抜き、再度自分の胸へと突き入れ、自ら止めを刺した。そして己がこの世でタダ1人認めた男の胸の中で、ユダはその命を絶ったのであった。
激しく右肩が弾け、血に染まった肩当が宙を舞う。幸せにな。それがレイの、マミヤへの最後の言葉だった。| [漫画版との違い] ・ユダが血粧嘴を出す寸前に、水の流れが静かになるというシーン追加 ・コマクが鉱支描牙拳をつかって戦ったり、バランスを失う秘孔を突かれたりするシーン追加 ・原作のコマクは水に毒を流そうとし、それをケンに飲まされて死ぬが、アニメでは毒は使わず、ケンと戦って死んだ |
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