
強敵と出会い、マミヤと出会ったレイがこの世にやり残した事、それは、ユダを倒してマミヤに女を取り戻させる事。己の最後の使命のため、レイは残り少ない命に全てを賭け、ユダを探す旅へと出ようとしていた。しかし当のユダは、レイ達のすぐ側にまで迫って来ていた。自らの手でレイに止めを刺すため、ユダはマミヤの村に訪れようとしていたのだ。
レイ達の前に現れたのは、マミヤを捕らえたユダと、その部下達であった。義星は妖星のピエロに過ぎない。自らの刻印を背負った哀れな女一人のために命を投げようとしているレイをそう例え、嘲笑するユダ。だがレイの心に揺らぎはなかった。全ては愛のため、そしてそれが自らに愛を教えてくれた女のためであることに対し、レイは何の後悔も無かったのだ。ユダが拳の錆を確認すべく放ってきた配下二人をさらに切れ味を増した水鳥拳で斬り刻み、遂に二人の戦いの幕が切って落とされた。
南斗聖拳の修練場――――レイは他の修練生達の前で、足場僅か数十pの鉄柱の上での演舞を披露していた。その修練生達の中には、かつてのユダの姿もあった。その時、レイの側を飛んでいた小鳥を狙って大鷹が飛来してきた。その様子に気がついたレイは、軽やかにジャンプしたかと思うと、その鷹の上空を舞って再び鉄柱の上へと着地。鷹は自らが切断されたことにも気付かぬまま、暫く飛行した後、その体を分断させたのだった。南斗水鳥拳奥義
飛燕流舞。そのあまりにも美しい動きに、感嘆の声を上げる修練生達。そしてユダもまたその華麗な動きに完全に心を奪われていた。明らかに動揺した面持で屋内へと駆け込んだユダは、自らを映した鏡を一撃の下に粉砕。ユダは、己の美しさを信じているはずの自分が、他人に魅入ってしまったという事に対して激しい屈辱を覚えたのだ。鏡の破片を握りつぶし、自らの手に流れた血で血化粧を施したユダは、後にレイにも己と同じ屈辱を与え、最も醜い死を与えることを誓ったのだった。
切り刻み、さらに嫉妬心を募らせていく。だがいくら攻めようともユダの攻撃は当たらず、逆に今度は顔面にエルボーを入れられてしまう始末。ユダには解らなかった。既に肉体と精神が崩壊しているはずのレイが、何故強くなっているのかが。それは、レイのマミヤを思う愛の力に他ならなかった。愛を知らぬユダには理解できないその究極の力がレイの肉体を支えていたのであった。| [漫画版との違い] ・マミヤが両親の墓に祈るシーン追加 ・原作ではレイ復活と同時にユダが来るが、アニメでは翌朝レイがユダ探しに出ようとしていた時に来る。 ・原作でユダが攻めてきたのは夜だが、アニメでは昼間。そしてマミヤを捕らえたのが墓場に変更。 ・アニメではこの時点で既にマミヤは自分が死兆星を見ていることを知っているので、ユダに死兆星の事を伝えられるイベントは無し。、また同様に、マミヤが死兆星を見ていることをユダがレイに教えるイベントも無し。 ・原作ではユダが部下をけしかけてきた後にレイはマミヤのために涙を流したが、アニメでは逆。 ・最初に交錯した時、原作ではユダは顔に傷を受けたが、アニメではレイも胸に傷を受ける。 ・南斗の修練場で、修練生達が修行しているシーン追加。 ・ユダが六聖拳の崩壊を導いたとレイが語るシーン削除 |
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