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[第49話]
史上最強の戦いラオウVSケン!
死ぬのはきさまだ!!
今ケンシロウを秘孔縛から解き放てば、確実に拳王を倒せる。しかしトキは、敗北を目の前にしてもそれをしようとはしなかった。北斗神拳二千年の歴史・・・その崇高で重い歴史を、トキは死をもって教えようとしていた。己とトキの足を貫く剣をさらに深く突き立て、流れ出る血の量を増やすラオウ。流れる血の量、それつまり病のトキが活動不能になるまでの時間の減少を意味していた。もはやトキを支えているものは気力のみ。トキ自身も、間近に迫る己の限界を感じるていた。私の死を糧とし、伝承者の道を歩め。ケンシロウに北斗の全てを託し、トキは遂に最後の攻撃に転じることを決意。ゆっくりと両手を合わせたトキは、互いの闘気の攻防を貫くように、強烈な突きを放った。だがその最後の攻撃も、ラオウには通じなかった。ラオウは、剣の刺さった足を強引に回転させ、無理矢理身をよじらせることによって、その突きを皮一枚で回避したのである。すぐさまトキの両手を脇に捕らえ、押し倒し、止めの一撃を放とうとするラオウ。だがその拳は振り下ろされなかった。その寸前、ラオウの耳はある音を捕えていたのだ。その音の正体、それは、マミヤがラオウに向けたボウガンに矢をセットした音であった。今闘えるのは自分だけ。そう思ったマミヤは、なんとかトキを助けるためにボウガンでラオウを射、トキを助けようと考えたのである。しかし北斗神拳の奥義には、放った者にその矢が返って来るという二指真空把が存在していた。マミヤがラオウに矢を放ったとき、それつまりマミヤが死ぬ時を意味していたのだ。レイの制止を聞かず、ボウガンを構えるマミヤ。笑みを浮かべ、矢の発射を待つラオウ。だがそのラオウに、マミヤの殺さぬよう必死の形相で懇願してきた男がいた。それはレイであった。レイにとって、マミヤは愛を教えてくれた女、己が愛した唯一の女だったのである。だがその告白も、マミヤの決心を変えることは出来なかった。その気持ちだけでこんな時代でも生きていて良かったと思える。マミヤの言葉は、もはや自分の死を悟っているかのようでもあった。
皆と暮らした日々、そしてこれから生まれようとしている小さな光。レイに続き、マミヤまで死んでしまえば、その全てが消えてしまう。訪れようとしている最悪の未来に絶望を感じるリン。そして、リンが必死でケンの復活を願う中、遂にマミヤはボウガンの引き金を引いた。ラオウへ向け、高速で飛来する矢。だがその全てがラオウにとってはスローモーションであった。いとも簡単に矢を二指で捕らえた後、クルリと矛先を逆転させ、投げ返すラオウ。返って来た矢は、寸分の狂いも無くマミヤの顔面を捕らえていた。飛び散る鮮血。だがそれはマミヤのものではなかった。間一髪トキの秘孔縛から脱出したケンが、マミヤの盾となり、その身に矢を受けたのである。秘孔縛を破ったもの、それは、あくまでも人間として生きようとするリンの幼い汚れ無き心であった。
溜まった怒りを爆発させ、ラオウへと歩み寄るケン。ラオウは自らを刺していた剣を抜き、ケンへと向けて投擲するが、ケンに一蹴されたその剣はあっという間に拳王軍2人の命を奪った。今のケンならラオウに勝てるかもしれない。ケンの身を心配するアイリ達に、レイはそう言い放った。技や肉体ではラオウが勝る。しかしトキの秘孔縛をも破ったケンの魂なら互角に渡り合えるのはずだと考えたのである。同じ気持ちにとらわれていたトキもまた、もう二人の戦いを止めようとはしなかった。
一気に間合いを詰めようと突撃するケン。だが、突如ラオウが起こした突風は、再びケンを遥か遠くに押し戻した。羅漢仁王拳奥義、風殺金鋼拳。数々の拳を習得し、我が物にする、それこそがラオウが拳王と呼ばれる所以であった。貴様は俺と拳を交えることなく果てる。そう言ってラオウは今度は南斗聖拳だけに伝わるという秘奥義を発動。地を走る3本の衝撃波が、ケンの体を面白いように切り刻んでいく。しかし、立ちはだかる拳王軍を倒しながら、巧みな横移動を織り交ぜて走り続けた結果、遂にケンはラオウの間合いへと辿り着いた。ケンはラオウの首筋に、ラオウはケンの左腕に、それぞれ蹴りを炸裂。互いにうまく避けたかのように思えたが、次の瞬間、ケンの左手、そしてラオウの左肩が破裂した。そして、北斗神拳同士の頂上決戦の最後に訪れたのは、双方ノーガードでの殴り合いであった。
いつ終るとも知れぬ殴り合いは、二人のおびただしい流血を誘い、残ったのは一撃分の力のみであった。身を捨てた最後の一撃、二人がそれを互いの胸に突き刺したとき、永かった戦いは幕を閉じたのだった。互いの成長を認めながら、力尽きる二人。その相打ちは、拳王軍の中に激しい動揺を巻き起こした。そして、拳王という無敵の将を失った彼等一目散にその場を逃げ出したのである。不甲斐ない部下に怒りを覚えるラオウは、ケンの秘孔まで手を伸ばし、勝負を決めようとする。だが、それを制止したのはトキであった。これ以上戦えないこと、そしてラオウが此処での相打ちを望んでいないことを見抜いていたのである。今日が戦いの始まり。そういい残し、去ろうとするラオウに、体力の限界が訪れた。だがラオウの拳王としてのプライドは、決して己の膝を地につけさせようとはしなかった。今にも倒れそうな体を気力で支えるラオウ。そのラオウに近づき、傷を舐めたのは、ラオウの愛馬・黒王号であった。黒王に跨り、去り行くラオウもまた、部下を失った孤独な男なのであった。
放映日:85年10月31日
[漫画版との違い]
・ラオウが、己とトキの足を刺していた剣を
、ケンシロウへと投擲し、跳ね返されたその剣が拳王軍二人を切り裂くシーン。
・ラオウが風殺金鋼拳や南斗聖拳に伝わる秘奥義でケンシロウを苦しめるシーン
・やっぱり・・・
拳王様が
見事な羅漢仁王拳
を披露したという事を考えれば、やっぱり
デビルリバースをビレニィプリズンに収容したの
拳王様だった
んですかなあ。あっさりとデビルを撃退し、羅漢仁王拳をも伝承した拳王様は、カサンドラにデビルが収容できなかったので、ビレニィプリズンに放り込んだ、と。デビルが自分を放り込んだ人間を覚えていなかったのも、拳王様に秘孔突かれて記憶を失っていたのかも。後にデビルを拳王軍の秘密兵器として使用することを考えた拳王様は、デビルの自分への恨みに繋がる記憶を消したと考えれば・・・
・トキよ
個人的にこの回
拳王様がマミヤに二指真空把をしたのは、ケンシロウを買っていたから
であると思う。ケンシロウなら秘孔縛を破り、マミヤを助けるであろうと信じていたから、女を殺した事のない拳王様がマミヤを殺しかねないような行為に及んだのだろう。でも
トキはあの場面になったら秘孔縛といてやらんといかん。
トキも拳王様と同じようにケンシロウのパワーアップのために黙って見ていたという可能性もあるけど、トキはそういうキャラじゃないしなあ・・・。
・袋小路
拳王様!
そっちは行き止まりに見えるんですが、気のせいですか?
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