
俺が恐れたのは唯一、トキの拳のみ。無敵のラオウをも恐れさせるトキの拳の秘密とは・・・
ラオウがケンとトキの再会を阻んだ理由、それはトキの拳をケンシロウが体得することを恐れていたからであった。トキが来るまでになんとかして勝負をつけようとするラオウ。しかしレイは、黒王号の突進から身を呈してケンを守るなどして、徹底的に二人の勝負の実現を阻もうとする。二人の拳は同質。ぶつかれば例え相手を倒しても自分も死ぬ。トキが見抜いていたケンシロウ敗北の理由を、レイもまた見抜いていた。そしてケンとの旅は、レイにもう一つの事実を目抜かせていた。ケンはこの時代に必要な男・・・リンやバット、そして全ての人のために生きねばならない。ケンシロウこそが唯一この世を拾うことが出来る救世主であることを、レイは悟っていたのだった。
北斗神拳の伝承者がケンシロウに決まり、リュウケンの元を去ろうとするラオウ。リュウケンは伝承者争いに敗れた者の宿命である北斗神拳の使用禁止を命じるが、覇天を目指すラオウにとって2000年の掟などゴミに等しいものであった。己が育てた最強の男。その男が描く恐ろしい謀略を阻止せんがため、ラオウの拳を封じようとするリュウケン。かたや先代伝承者を倒し、自分が最強の男になろうと企むラオウ。それぞれの想いを胸に対峙する2人。最初に動いたのはリュウケンであった。北斗神拳奥義のひとつ・北斗七星点心。人の動きの中にある七つの死角、その死角が描く北斗七星をたどる動きは、ラオウですら見切ることが出来なかった。どこから来るともわからぬ攻撃をしこたま喰らい、戦闘不能寸前にまで陥るラオウ。殺しはしない、その拳だけ二度と使えぬようにするだけだ。そう言ってとどめの一撃を繰り出そうとするリュウケン。だが、悲劇は突然訪れた。リュウケンが煩っていた心臓の病が、突如症状を表したのである。父の発作、だがそれはラオウにとってはただのチャンスに過ぎなかった。全身から血を噴きながら起き上がってきたラオウは、病で苦しむ父に向け、その非情の拳を振り下ろしたのだった。
劣勢を感じたラオウは、己の有利な状況に持っていくために戦法を変えたのだ。空中で交錯する二人。その衝撃でバランスをくずしたトキを追うかのように着地したラオウは、即座にトキの足を踏みつけ、そのまま己の足ごと剣で貫いた。ラオウは、病のトキと持久戦にもちこむため、トキの動きを封じたのである。達人同士の戦いはにらみ合うだけでも体力を消費する。更に流れ出る血は、病のトキの体力をどんどん奪っていく。お前が見た死兆星の使者は、病ではなく俺だ。勝利を確信し、高笑いをあげるラオウ。トキを救える唯一の男・ケンシロウは、その模様を歯がゆい思いで見つめていた。リンの涙ながらの声を受けても、トキの秘孔縛は一寸たりともケンシロウを動かせてはくれなかった・・・| [漫画版との違い] ・烈闘破鋼棍の男が、己の勢いを利用されて壁まで飛ばされるシーン追加 ・烈闘破鋼棍が烈斗破鋼棍に変更 |
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