
貴様もカサンドラの墓標の一つとなるのだ。そういって高笑いを上げるウイグルに、ケンはその墓穴の大きさを聞き返してきた。それは、その墓に入るのはお前だという意味の、ケンの挑発であった。激怒したウイグルは、己の得意とする泰山流双条鞭にて攻撃を開始。高速の鞭の前にガードすることしかできないケン。しかしウイグルがとどめとばかりに鞭を振ると、次の瞬間、鞭はウイグルの顔面へと帰ってきた。何時の間にかケンは、二つの鞭の先端を結んでしまっていたのだ。カサンドラ伝説に幕が下りるかも知れない・・・ケンの強さを見たカサンドラの兵達の中には、いつのまにか希望が漂い始めていた。
減らず口を叩きおって!ケンを仕留めんために、ウイグルが取り出した秘密兵器、それは泰山流千条鞭と呼ばれる無数の鞭であった。しかし、それは真の奥義のために布石に過ぎなかった。千条鞭でケンの両手足を捕えたウイグルは、異様な構えを取ったかと思うと、突如己の右肩を倍以上に膨らましてきた。蒙古覇極道。鍛え抜かれたその巨大な肩でのタックルこそが、ウイグルの真の必殺技だったのだ。そして、鞭に絡まれ動けないケンに、その技を交わす術はなかった。覇極道をモロに喰らい、墓地の中へと吹っ飛ばされたケンは、そのまま意識を消失。カサンドラには、ウイグルの笑い声と、囚人達の叫びがこだましていた・・・
ウイグルは早速断頭台にかけられた囚人達の処刑を宣告。泣き声を無視するかのように、断頭台の石を繋ぐロープに向かって、カサンドラ兵は斧を振り上げる。しかし次の瞬間、その兵士は顔面を破裂させて死んだ。意識を取り戻したケンが、再び立ち上がってきたのだ。しぶといケンシロウにとどめを刺すため、ウイグルは更なる仕掛けを発動させた。地に仕掛けておいた針の壁をケンの背後にへと出現させ、逃道を奪ったのである。しかしケンには逃げるつもりなど毛頭なかった。それどころか、先ほど己の輪吹き飛ばした覇極道を、指6本で止めると宣言してきたのだ。舐められているという怒りと共に、再び己の巨体をケンにぶちかますウイグル。しかし、無謀かと思われたケンの予告は、見事実演された。ケンの6本の指は、見事その500kgの体を受け止めていたのだ。諦めずにケンを針の壁へと押し続けるウイグルであったが、北斗鋼裂把によって肩の筋を引き裂かれた瞬間、事実上勝負は決した。覇極道を奪われたウイグルに、もはやケンを倒す術は無かった。
不落のカサンドラ伝説を守るため、そして拳王のためにも、ウイグルは負けられなかった。兜のトサカを刃へと変え、捨て身の突撃を慣行するウイグル。だがそれを難なくかわしたケンは、隙だらけになったウイグルの体に北斗百裂拳を炸裂。吹っ飛んだウイグルが落ちた場所、それはケンのために掘った墓穴であった。秘孔の効果によって体を小さく畳まれ、狭苦しい墓穴の中で絶命するウイグル。悪党に墓標は要らん!ケンが壊した墓標と共に、カサンドラ不落の伝説もまた崩れ去ったのであった。そしてその頃、リンを襲っていた謎の痛みも完全に消え去っていた。| [漫画版との違い] ・墓穴の大きさ云々は、原作では千条鞭の前だが、アニメでは双条鞭の前 ・原作では戦いの前にミツが出てくるが、アニメでは既に死んでいるので出てこない ・リンの胸が痛くなるシーン追加 ・レイが墓穴を掘るやつらに作業を促すシーンや、蒙古覇極道をいちど柱の出っぱりにぶつけさせたりするシーンなどはカット ・ウイグルの体重が原作の350kgから500kgに増加 |
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