
ケンとリンを探して奇跡の村へとたどり着いたレイ達。彼等の姿を見つけ、駆け寄ってきたのは、リンの犬・ぺルであった。ペルが主人の居場所を示すかのように吠える先。そこにあったのは、禍々しく聳え立つトキの城であった・・・
己の天才を誰も認めようとしない。それが、アミバを狂気に走らせた原因であった。今まで自分をバカにした連中を見返す為、トキになりすまし、ケンを倒して、北斗神拳伝承者となろうとしたのである。そして、その己の才を強調するかのように、目の前に倒れる無様な正当伝承者を足蹴にするアミバ。しかし、アミバの余裕もそこまでだった。ケンは、突如その身を隆起させたかと思うと、次の瞬間、ゆっくりとその身を起こし始めたのた。北斗神拳の奥義の一つ、秘孔封じによって、アミバの秘孔を封じ込めてしまったのである。本物のトキが突いたならば、俺でも秘孔を破ることは出来なかっただろう。己とトキとの実力の差を示唆するそのケンの台詞にアミバは激怒した。アミバにとって、トキより劣っているといわれることは、何よりも屈辱的なことだった。
トキの噂を聞いたアミバは、奇跡の村へとやってきていた。村人達の信頼を一身に集めるトキに嫉妬心を抱いたアミバは、自らが救世主に成り代わろうと、足の悪い老人に接近。自らが習得した秘孔で、老人の脚を治そうとする。トキ様に直して貰ったからもういい。その老人の言葉を無視し、無理矢理秘孔を突くアミバ。だがその誤った秘孔は、老人の足を更に悪化させてしまうこととなった。とその時、異常事態に気が付いたトキが現場へと駆けつけてきた。アミバの顔をはたくように押しのけたトキは、正しい秘孔を突き直し、なんとか老人を救うことに成功。しかし、アミバは怒りにその身を震わせていた。顔をはたかれたこと、そして自らの未熟さを公にされた事が、彼のプライドを傷つけたのだ。怒りに身を任せ、トキに襲い掛からんとするアミバ。だが、トキの鋭い技のキレの前に、アミバは全く動くことが出来なかった。そしてその時、己の才を見下されたアミバの中には、トキに対する強い復讐心が生まれたのだった。
秘孔膝限をつかれたアミバの体は、己の意志とは無関係に後ろへと歩き出した。背後に広がる断崖絶壁へと向かい、その歩を進ませるアミバ。手首から先が消し飛んだ腕では、秘孔を突いて止めることもできなかった。天才のこの俺が何故!自らの犯した罪を理解せぬまま、城下へと身を投じるアミバ。そのまま宙でその身を粉々に破裂させたアミバだったが、彼が今際の際に残した「拳王」という言葉が、ケン達の頭に引っかかっていた。| [漫画版との違い] 奇跡の村に着いたレイ・マミヤ・バットがネバダ率いるトキ(アミバ)の親衛隊と闘うシーン追加 ・戦癰をつかれて地に倒されたケンに、アミバが「靴を嘗めろ」と指示するシーン追加 ・アミバの前で南斗水鳥拳でやられた男が、アミバの親友兼親衛隊隊長ネバダだという設定追加 ・どいつもこいつもトキトキ言われて怒ったアミバは、原作では床をぶちこわしたが、アニメではひびが入るだけ ・アミバの断末魔が「うわらば」から「拳王様〜!!」に。 ・その後レイに軽い拳王の説明を受け、この時点でケンシロウが拳王の存在を知る。 |
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