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[第32話]
怒拳四連弾!
ジャギ地獄で待っていろ!!


 ジャギはケンシロウをビルの屋上に連れ出し、邪魔の入らない場所での勝負を挑んできた。闇討ちが得意のハズのジャギが何故正々堂々と戦いを挑むのか不思議に思うケン。だが理由は簡単であった。ジャギは正攻法で闘ってもまだ己の方がケンシロウより強いと思いこんでいたのである。ジャギは、自分の頭の傷を作る原因となった事件を思い起こすよう、ケンシロウに示唆した

 伝承者がケンシロウに決定したことに激怒するジャギ。2人の兄の元へと駆け込み、その不満をぶちまけるジャギであったが、意に反して二人からは何も反応も帰ってこなかった。腑抜けた兄達に更に怒りを増幅させ、その場を去るジャギ。しかし、リュウケンの判断が人選ミスだと思っていたのは、長兄も同じであった。そしてそのミスは、やがて長き北斗神拳の歴史を終焉させるであろう事を、長兄は予感していた。

 修行中のケンの元にやってきたジャギは、ケンに伝承者を降りろと銃で攻撃。武器を使い、北斗神拳を汚し続けるジャギにとうとうケンの怒りが頂点に達した。ケンに顔を捕まれて放り投げられたジャギは、怒り狂ってケンに突撃。だが突然足がもつれてしまい、逆にその隙をつかれてケンに連撃を喰らってしまう。倒れ込んだジャギに跨り、北斗八悶九断にてとどめをさそうとするケン。しかしケンの優しさは、ジャギに致命の秘孔を突かせることは出来なかった。ジャギは今にも破裂しそうなその頭を抑えながら、ケンシロウへの復讐を誓ってその場を去った・・・


 ジャギはメットを取り、あの時の忌々しい傷を披露。矯正具を埋め込んで固定されたその頭には、強いジャギの怨念が込められていた。だがケンはそれを見ても怯むことはなく、逆にあの時の中途半端な行為が悲劇に繋がってしまったことに責を感じるのだった。そして、あの時は足がもつれたのではなく、既に秘孔を突いて足の自由を奪っていたことをジャギに教えたのであった。

 鋭い突きを連続で繰り出す北斗羅漢撃に、含み針攻撃を織り交ぜて攻めるジャギ。しかし、そのジャギの汚さを熟知するケンには通用しなかった。含み針を難なくキャッチし、逆に強烈な連撃をジャギに返すケン。劣勢に陥ったジャギは、一度捨てた銃を拾って闘おうとするが、それもまた読まれていた。既に秘孔を突かれていたジャギは、自分自身に銃口を向けてしまう体になっていたのだ。なんとか自ら秘孔を突いて解除したジャギだったが、もはや戦況は一方的だった。昔とは違う、ケンの非情さ。シンやレイとの非情の戦いにより纏った非情の血が、ジャギを驚かせていた。

 しかし、ジャギには切り札が残されていた。ジャギが戦場を屋上に選んだ理由、それはヘリの燃料のためのガスタンクを使うためだった。撒き散らした燃料に火を付け、ケンの逃げ場を奪ったジャギは、勝利を確信。そしてジャギは更にケンシロウを追い込むために、ある秘密を暴露した。それは、ケンの強敵、シンを狂わせたのはジャギ本人だという事実であった。ジャギはケンシロウを苦しめるためだけにシンをそそのかし、ユリアを奪うように誘惑したのである。己より強い者達が自分の手のひらで踊る様に快感を覚えるジャギ。だがその告白は、ケンの怒りを爆発させるための火種となってしまった。

 屋上の床をぶち破り、あっさり危機から脱出するケン。しかしジャギにもまだ秘策は残されていた。ジャギは、伝承者決定後、いずこかで南斗聖拳を身につけていたのである。北斗神拳は見切られているが南斗聖拳は見切れないだろうと考えたのだ。しかし、シンに大きく劣るその南斗聖拳は全くケンシロウに通用しなかった。そして、万策尽きたジャギに対し、ケンの復讐劇が幕を上げた。

 これはシンの分!そう言って、まずは蹴りの連打でジャギをぶっとばすケン。ヤケクソになったジャギは側にあった石柱で反撃を試みるが、石柱はケンの体に傷一つ付けることが出来なかった。ジャギは、怒りは肉体を鋼鉄と変えるという北斗神拳の真髄すら忘れてしまっていたのだ。これはユリアの分!強烈な連撃に再度吹っ飛ばされるジャギ。なんとかしようと鉄の槍をその手にとるジャギだったが、その瞬間、ジャギの全身に激しい痛みが走った。ケンは、北斗神拳奥義 醒鋭孔によって秘孔龍頷を突き、ジャギの痛覚をむき出しにしていたのだ。これはあの幼い兄弟の分。そう言って取り出された矢が、痛覚剥き出しのジャギの体に突き刺さる。そして最後は己自信のすべての恨みを乗せた拳でジャギをブッ飛ばし、ケンの怒拳四連弾は幕を閉じた。

 矯正具が外れ、頭を破裂させたジャギの肉体は、後少しで地上から消え失せようとしていた。だが、ジャギが今際の際に告げた真実は、ケンを再び地獄の旅へと誘う言葉となった。それは、残る2人の兄がまだ生きているという衝撃の告白であった。
放映日:85年6月13日


[漫画版との違い]
特になし


・指逆立ち
昔のケンシロウがやってたアノ修行。あれの名称は「一指金」「一指禅」と呼ばれる練功方で、秘孔を突くため指先の強化を狙った外功方でもあり、外功を超越した内功を鍛えるためのものでもある。つまりどんな状態でも禅を出来るようになることで本物の禅となるわけだ。早い話、堅い筋肉を貫く指先を得ると共に、天破活殺のように遠距離にまで自らの気をもって攻撃できるようになるための修行というわけである。(参考文献:拳児)
・才能の片鱗
ジャギがケンに伝承者を辞退するように言いに行くとき、ケンってジャギに背後とられてるよね。こんな銃持って殺気丸出しの奴(仮にもジャギも伝承者候補だから殺気消してたかもしれんが)に背後取られてちゃだめだろ・・・
・200m
ジャギの所有するビネは高さ200m。日本に200mものビルなんかあるのか?無ければここは日本じゃなくてあーたらどうーたらで考察の役に立つのでは!?と思ってたら、200mごときの高さのビルなんてゴロゴロありますとの事。ちなみに日本で一番高いのはランドマークタワーの296mらしい。
・マコが・・・
前話に登場したマコの容姿は、原作とは一味違った弱々しいモヤシ君みたいな感じでした。しかし今回ケンがジャギに兄弟の恨みをはす時に思い浮かべたマコは!!・・・原作と同じ生意気そうなガキでした。ま、この辺は御都合ってことで・・・


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