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[第29話]
命ごいは遅すぎる!
地獄へ落ちろ牙大王!!
ケン達の策略によって人質を取り返されてしまった牙一族。しかし彼等にはまだ最後の手段が残されていた。牙一族達は、あらかじめケン達の足下に爆薬を埋め、いざというときに起爆できるようにしていたのである。爆発した衝撃で起こった地割れは、敵をケン、レイ、そしてマミヤとアイリの3隊に分ける事に成功。マミヤだけではアイリを守りきれないと考えたレイは、溶岩を飛び越え、岩から岩へと飛び移り、アイリの元へと急ぐ。
再び女達が人質同然の状態になったため、牙一族はケンシロウに対して強気な姿勢を見せ始めた。ゴジバは、もしケンシロウが少しでも俺に手を触れたら直ぐに女達を殺してくれ、と大王に告げ、ケンに挑発を開始。唾を吐きかけ、刀で突き、盛んに挑発を繰り返すゴジバ。しかし人質などと言う手段ではケンを止めることは出来なかった。ゴジバをしこたま殴りつけてぶち殺したケンは、さあ人質を殺して見ろと逆に挑発。その言葉通り、牙大王は即座に人質の抹殺命令を出すが・・・
襲いかかる牙一族達を倒しながら、アイリを連れて逃走するマミヤ。しかし溶岩をまたぐ岩の橋で、とうとう挟み撃ちにされてしまう。先程ヨーヨーで顔を切られた牙一族の1人は剣を持ってマミヤへと接近。互いの武器を使って交錯した2人の勝負は、かろうじてマミヤに軍配が上がった。そして、その二人の戦いは、レイを到着させるための十分な時間稼ぎとなった。先ほど手を出せなかった時の鬱憤をはらすかのように、存分にその拳を奮うレイ。そして遂にレイは妹アイリとの再開を果たしたのだった。
遂に自ら出陣することを決めた牙大王は、まず華山鋼鎧呼法によって自らの肉体を変態させた。鋼鉄の鎧。自らの体をそう称した牙大王の言葉は嘘ではなかった。ケンが思い切り鉄柱で殴打しても、牙大王には傷一つ無く、逆に鉄柱のほうがひん曲がってしまったのだ。だが、そんな奥義を前にしても、ケンには何一つ焦りの色はなかった。左右のこめかみと、鼻に一撃を与えたケンは、再度鉄柱で牙大王を攻撃。すると今度は、鉄柱は大王の横腹に深々とめり込んでしまった。先ほど顔を殴った際、ケンは秘孔大胸筋を突き、鋼鉄の鎧をブヨブヨの脂肪へと変えていたのだ。
万策尽き果てた牙大王は、今度は息子達をケンシロウにけしかけ始めた。しかし大王でも勝てなかった男に自分達が勝てるはずがないと判断した息子達は、ケンに背を向けて一目散に逃走。しかしその先には、既にアイリを救い出したレイが、復讐の炎をたぎらせて待ちかまえていた。
残るは自分だけとなった牙大王は、ケンに頭を下げながら、背からクラッカーを取り出した。ケンシロウが油断した隙に、クラッカーで爆殺してやろうと考えたのである。だが、クラッカーが大王の手から放れることはなかった。大胸筋の効果により、ブヨブヨの脂肪が今度は逆に硬直し始めていたのだ。自ら着火したクラッカーを持ったまま爆発させてしまった牙大王は、右手を丸々紛失。しかし大王の体に痛みはなかった。大王の肉体はすでに秘孔によって死に始めていたのだ。残りの命をあと5秒と宣告された牙大王に、ケンのカウントダウンが始まる。せめて一傷と思い、大王は最後の頭突きを放ったが、その硬い頭も岩山両斬波に真っ二つにされてしまった。絶命した牙大王の肉体は、ゆっくりと溶岩の中へと消えていったのだった。
村では、牙一族壊滅を祝う宴が始まっていた。そしてケンが突いた秘孔建明をのおかげで、アイリの視界は回復。例えようのない感謝の念をケンに送るレイ。だが、その時、突如ケンは七つの傷の男の話をレイに持ちかけ始めた。そしておもむろに服を脱いだかと思うと、今まで隠していた自分の胸の七つの傷を、レイに披露したのである。しかし、レイには解っていた。自分やこの村、そしてアイリの視力までも取り戻してくれたケンシロウが、自らの憎むべき敵ではあるはずがない事を。
七つの傷の男はいつも黒いメットを被っていた。自らを拐った男の事を問われたアイリは、そう答えた。ケンシロウの名を語って残虐非道を繰り返し、黒いメットを被った男。ケンには、その男の正体が朧気に見えてきていた。
その頃、とある街では、一人の女が図体の大きい男に追いかけられていた。女が側にいたメットを被った男に助けを求めると、男はおもむろにバイクから降り、暴漢の前に立ちはだかり一言「おいお前、俺の名を言ってみろ」。訳が解らずにつかみかかってきた暴漢に対し、メットの男は華麗に飛び膝蹴りをかまし秘孔を突いた。正しくそれは、ケンと同じ北斗神拳の動きであった。秘孔で動けなくなった暴漢に銃を向けたメットの男は、再び自分の名を男に問う。知っている、と苦し紛れの嘘を言った暴漢に腹を立てメットの男は容赦なく発砲。運良く銃は不発だったが、暴漢はその恐怖でショック死してしまっていた。
追われていた女の兄が駆けつけ、メットの男に感謝の言葉を述べる。しかしメットの男は、その兄貴にまで容赦ない攻撃を加えた。メットの男は最初から女を我が物にするつもりだったのだ。殴られた兄の仲間達はメットの男に殴りかかろうとするが、その男の胸の七つの傷を見た途端、攻撃の手は止まった。男達は、牙一族達を全滅させた七つの傷の男の噂を知っていたのである。胸の傷を見せつけ、自らがケンシロウであることを誇示するかのように再び己の名を問うメットの男。ケンシロウの名を語り悪行を続けるその男の正体は、ケンシロウの兄、ジャギであった。
放映日:85年5月9日
[漫画版との違い]
・爆薬で地割れを起こし、ケン、レイ、マミヤ達を引き離し、マミヤがアイリを守るために戦ったりするイベント追加
・ゴジバをしこたま殴った後、もう一回ボコボコにするシーン追加
・牙大王が岩山両斬波の後、溶岩に墜落するシーン追加
・ゴジバが殺されるのは、原作ではまだアイリ達が人質の時だが、アニメでは後。
・爆発で地割れを起こして戦力分断作戦
こんなん相当な量の火薬がないと無理でっせ。というかそんな破壊力があるもの持ってるんなら地割れとかじゃなくて
直接武器として使えよ
・・・やっぱりアニメ北斗スタッフは爆薬の威力を勘違いしているっぽい(8話、14話参照)
・ラストカット
最後の最後、つまり一般に言われる「ヒキ」の場面ですな。この回はヅャギの「俺の名を言って見ろぉ!!」で終わっていくんですが、なぜかその最後のカットで、
ケンシロウが変な石柱みたいなのに鎖で縛り付けられています。
実はこのカットは愛蔵版などにも収録されている原氏が描いたイラストのようなものなんですが、この場面で出すのはちょっと無理矢理やなぁと思った。
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