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[第14話]
不幸な時代だ!
善人ほど早死にする!!
反乱軍を鎮圧してサザンクロスへと戻ってきたのは、KING軍の一人、ダンテであった。かつての同門であるそのダンテに、早速シンは次なる指令、ケンシロウの抹殺を命じた。ジョーカーの示したケンの居場所へ向け、早速ダンテは行動を開始する・・・
空腹でハンドルさばきもままならぬバットは、村を見つけて大喜び。しかし、村に入った彼らを待っていたのは、武器を構えた村人達であった。異常なまでの警戒心を持つこの村は、来訪者であるケン達を敵とみなし、排除しようとしたのだ。しかし、その村人達を止めたのは、この村のリーダー・デュランであった。純真な子供達が悪人と一緒にいるわけが無い。リンやバットとともに行動しているケンが悪人であるはずがないことを、デュランは見抜いていたのだった。
その村でのやりとりは、全てダンテ一味に盗み見られていた。今すぐ攻めるかどうか、作戦を立てるダンテ達。とその時、部下の一人があることに気付いた。ケン以外に興味を引く何かが、その村にあったのだ。その"ある物"をつかっての作戦を思いついたダンテは、ひとまず夜を待つことを決
めた。時間つぶしのために一つの村を壊滅させつつ、一行は日没を待つ・・・
村娘・カンナの父が発作を起こすとマッサージで楽にしてやり、子供達が遊んでくれとせがめばお手玉をしてやったりと デュランはとにかく村のために尽くす好青年であった。しかし、彼には隠された過去があった。その夜、デュランの家に、ダンテの部下達が姿を現した。彼らは初対面ではなかった。デュランはその昔、ダンテの仲間の一人だったのだ。しかし、人を殺すことに罪の意識を覚えたデュランは、この村の人たちに尽くすことで己の罪を償おうとしていたのである。だがダンテが思いついたのは、そのデュランのやさしさを利用する作戦であった。村人全員の命を条件に、ケンシロウの抹殺を命じてきたのだ。そのため
の道具として一袋の火薬を渡し、ダンテ部下達は帰還。地獄のーような決断を迫られるデュランは・・・
ケン達が泊まる小屋へとやってきたデュランは、その周りに火薬を蒔き、暗殺の準備を始めた。しかし、その小屋の中での話を聞いた瞬間、デュランの手が止まった。自らの優しい男であると評してくれるリンの姿を見て、決心を鈍らせてしまったのである。とその時、デュランの前にカンナが現れた。昼間父を助けて貰った礼にと干し肉を持って来たのだ。大きくなったらデュランのお嫁さんになる。そう告白して去っていったカンナの姿を見て、デュランは更に悩みを膨らませていた。やはり村の人達の命は守らねばならない。しかしリン達を巻き添えにするわけにもいかない。悩んだ末にデュランがはじき出した答えとは・・・
翌朝デュランは、近くの火山での薬草取りにケンの助力を求めてきた。足場が悪いからという理由でリン達を村に残し、デュランはケンと二人きりになることに成功。火口に落ちそうになる演技でケンをおびき寄せたデュランは、すかさず導火線を溶岩に垂らし、ケンの足元を爆破させたのだった。その全てを見届け、デュランの額に褒美のキスを与えるダンテ。しかし、ケンは死んではいなかった。溶岩の直ぐ側のところに着地し、難を逃れていたのだ。火口に落としてきた岩をなんなくかわし、ケンはデュランのもとへ帰還。裏切りの理由を問われ、口ごもるデュランだったが・・・
その時、一同の前へと姿を現したのは、カンナであった。父の発作が再発したため、デュランを呼びに山を登ってきたのだ。好機とばかりにカンナを捕まえたダンテ達は、彼女を人質にケンに火口へと戻るよう指示。しかし、そのダンテ達からカンナを取り戻したのは、デュランだった。自らを信じてここまで来たそのカンナの姿に、デュランは過去を吹っ切ったのだ。しかしその裏切り者を、ダンテ達が許しておくはずは無かった。幾多ものブーメランをその背に受けデュランは帰らぬ人となったったのだった。そして、正義を踏みにじるその男たちに、ケンの怒りが爆発した。
ブーメラン攻撃を跳ね返したケンは、北斗四方斬で雑魚を一掃。ダンテは南斗百斬拳でケンに襲い掛かるが、怒りに燃えるケンの体に致命傷を与えることは出来なかった。激しく全身を突かれたダンテは、秘孔 具足を突かれ、意志とは関係なく歩を踏み出す体となってしまった。彼の足の向く先には、溶岩を滾らせた火口が口をあけていた・・・
デュランの墓の前で、涙にくれる一同。自らとカンナの命を守るために死んだ勇敢な男に、ケンは祈りを捧げるのだった 。
放映日:85年1月24日
[漫画版との違い]
・アニメオリジナルストーリー
・ナイスキャラクター
アニメオリジナルのシナリオとしてはかなり好きな回です。ケンシロウが目立ってないから・・・ではなくてキャラがかなり良い味出てます。死体にキスするハードゲイダンテ様。どこぞのHGとは違うガチホモ。アッー!そして萌え少女カンナ。しかしやっぱり今回の主役のデュランが一番良いですね。こういう「昔悪党だったキャラ」ってのはフドウ以外いないパターン。しかしその悪事を働いていたときのデュランの恰好が現在と変わっていない(ノーマル村人服)のだが、ただひとつ違ったのは、悪事バージョンの時のデュランは
肩当をしてること。
やっぱり北斗の世界では肩当=悪物なのかねぇ・・・
・頼りない奴等
火山の頂上までデュランを呼びに来たカンナは相当父親思いの健気な娘だと思うが、それにしても村の人間達が頼りなさすぎる。
カンナ一人で此処までこさせるのはどうかと思う
。山の頂上から村への往復を考えても相当時間がかかることは確実。応急処置できる人間すらおらぬのか。そういえば、結局デュランはカンナの父を診てやることができずに死んじゃったわけだから、カンナの父も結局発作を治してもらえずにポックリ逝ったのかしら。
・火薬って・・・
火薬でケンシロウを谷に落とすシーン。まあ8話の時にリンを助けた手榴弾と同じなのだが、ケンの側の火薬を爆発させたのなら、
ケンに腕を捕まれているくらいの距離にいるデュランも相当アブナイのでは、
という気がする。どうも北斗のアニメは火薬というものの威力を誤って認識しているのではないか?と思わせるシーンが目立つなあ。
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