
ジャッカルとジョーカーは、とあるビルの屋上にいた。ジョーカーがジャッカルを助けた理由、それは、このビレニィプリズンに捕らえられている超A級囚人、デビルリバースをケンシロウと戦わせるためであった。ジャッカルの演技力ならば、デビルをも手懐けられるであろうとジョーカーは考えたのだ。しかし、ジャッカルはその命令に難色を示した。悪魔の化身を相手にすれば、自分にも身の危険が及ぶことを承知していたからだ。しかし、ジャッカルに迷っている暇は無かった。ジョーカーは、ジャッカルを追い込むため、二人のいる場所をケンに教えていたのである。命令に従わねば、ケンとKING軍の両方を敵に回すことになる。そう告げられたジャッカルには、もはや選択権は無かった。デビルの母の写真が入ったペンダントを受け取ったジャッカルは、とりあえず迫るケンシロウから逃げようとするが・・・
長い牢獄生活により、デビルの心は憎悪とかたまりと化していた。自らを闇に閉じ込めた男に対する恨みが、今のデビルの全てであった。目の前で震えるジャッカルをその犯人と定め、握り潰そうとするデビル。そんなデビルに対し、ジャッカルはジョーカーから貰ったペンダントを見せた。懐かしき母の姿に、デビルの動きが止まる。後はもう完全にジャッカルのペースであった。俺はお前の兄だ。閉じ込められたお前を助けに来たのだ。得意の演技を披露したジャッカルは、続け様にクラッカーで天井を破壊し、牢の中に光を招き入れた。数年ぶりに身を照らしたその光に、感動を覚えるデビル。そして、自らを解き放ってくれたその"兄"に、デビルはもはや何の疑いも持ってはいなかった。
ジャッカルがデビルへの洗脳を完了させたその時、ケンが監獄の中へと現れた。あの男こそがお前を閉じ込めた張本人だ!その"兄"ジャッカルの言葉を鵜呑みにし、ケンへと襲い掛かるデビル。身の丈10倍以上あろう敵を前にしても何一つ臆した様子を見せないケンであったが、デビルの強さは本物だった。デビルは、そのパワーだけでなく、意外なまでのスピードと身のこなしを供えていたのだ。五千年のインド拳法、羅漢仁王拳。デビルは、禁じ手とまでされたその殺人拳の使い手だったのである。一方、相手がただのデカブツでないことを知ったケンは、自らも本気で戦うことを決意した。北斗神拳奥義
転龍呼吸法。人間の潜在能力を全て引き出すその奥義は、ケンを闘神の化身へと変えた。
よくぞこの悪魔を倒してくれた!追い詰められ、見苦しい言い訳をのたまうジャッカル。どこまでも汚い男に、ケンはもはや自らの手を下す気も起きなかった。助けを求めてきたデビルに体を握られ、動けなくなったジャッカルを、ケンは兄弟仲良く爆死させたのだった。| [漫画版との違い] ・ラストにジャッカルを爆破したダイナマイトは、ジャッカルの顔に導火線をこすりつけた摩擦で点火するシーン追加。 ・バットが村の子供達に戦い方を教えるシーン追加 ・トヨの村に大人たち&ケンが戻ってくるシーン追加 |
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