TOP
※当サイトはJavaScriptを有効にしていないと正しく表示されません。メニューを表示するにはJavaScriptの設定を変更していただくか、上記ボタンからトップページへとお戻りください。
▲話数選択へ▲
[第5話]
地獄に咲くか愛の炎・
おまえはもう死んでいる!!
遂にケンは、シンの居城をたどりついた。ケン、ユリア、そしてシン。三人の間に生まれた哀しき過去に決着をつけんがため、ケンその歩を踏み出そうとしていた。
その頃城内では、シンがユリアに旅立ちの指令を出していた。南に建設された煌びやかな町、サザンクロス。全てがユリアのものと名討たれたその町へ移住することを、シンは決定したのだ。自らのために未だ殺戮を繰り返すシンに、ユリアの悲しみは募るばかりであった。
バットとリンを外に待たせ、ケンは単身城へと向けて歩き出した。ケンがシンを追い求める理由、それは一年前の哀しき事件にあった。
一年前、ケンはユリアと共に、師の墓に旅立ちの報告をしていた。恋人同士であった二人は、この先力を合わせて生きていくことを、師に誓っていたのだ。しかしその時、彼らの前に、いかにも悪党面をした男達が現れた。そしてその男たちの中から姿を現したのは、ケンの修行仲間でもあったシンであった。力こそが正義・・・そんな時代の流れに沿うかのように、シンはユリアを力ずくで奪いに来たのだ。北斗と南斗は争ってはならない。師のその言葉を糧に、戦いの中止を呼びかけるケン。だが、その教えを戯言と言い放ち、墓を粉々に蹴り砕くその男に、もはや昔のシンの面影はなかった。南斗獄殺拳。北斗飛衛拳。二人の奥義が空中で交錯する。勝ったのはシンであった。両手両足の腱を切られたケンは、惨めにその地に伏したのであった。シンの勝因、それは執念であった。ユリアを手に入れたいというシンの執念が、ケンシロウに勝っていたのだった。
俺を愛していると言ってみろ。そのシンの言葉に当然ユリアは首を振るが、シンはその首を縦に振らす方法を知っていた。部下にケンの体を引き起こさせたシンは、その体に目掛け、指を突き入れ始めたのだ。一つ、二つ、三つ・・・言葉にならぬ痛みにみを悶えさせるケン。その処刑を止める方法、それはユリアがシンを愛すと言う他になかった。ユリア、生きてくれ・・・俺のために生き続けてくれ・・・。ケンのその言葉は、自らが死を覚悟したという意味であった。しかし、ユリアにはその非情の決断は選べなかった。愛します!一生何処へでも付いて行きます!自らの愛を犠牲にし、ユリアは恋人の命を救ったのだった。高笑いをあげてユリアを連れ去るシンを、ケンはただ泣きながら見送ることしか出来なかった。
見張り達を北斗神拳で圧倒しながら、城内を突き進むケン。だが、その先の広間で待っていたのは、シンではなく、ジョーカーであった。KING様はもう此処にはいない。ジョーカーは、その衝撃の事実をケンに伝えた。ほんの数分前、シンはユリアを連れてサザンクロスへと出発していたのである。そしてその頃、車の上のユリアもまた、ケンが城内にいるという事実を伝えられていた。あのシロがケンの墓場となる。そのシンの言葉の真意とは・・・
不意打ちさせた部下達を事もなく撃退されたジョーカーは、この城に仕掛けられた最後の罠を使うことに決めた。いつの間にかジョーカーは、広間の床に石油を張り巡らせていたのだ。ジョーカーの燃えるトランプによって、広間はたちまち炎上。跳躍で何とか逃れたケンは、逃亡したジョーカーを追って屋上へと走る。しかし、追い詰めたと思ったその時、ジョーカーはペットの鷹に掴まり、空高く逃亡してしまった。そしてその去り際、ジョーカーはこの城の地下が石油の倉庫になっていることを告げた。爆発炎上するシンの居城。その燃えさかる城の屋上から、ケンは決死のダイブを敢行する・・・
ケンの華やかな弔いを見届け、満足げに高笑いを上げるシン。そして、そのあまりにも辛い現実に、ユリアは再び頬を涙でぬらした。哀しみに暮れるユリアを乗せ、車は一路サザンクロスへ・・・
焼け落ちた城の前で、ケンの身を案ずるリンとバット。最悪な結果を予想し、顔を曇らせる二人であったが、二人の心配はすぐにかき消された。瓦礫の中から、ケンが再び生きた姿を現したのだ。必ずユリアを取り戻す。シンから学んだ"執念の力"で、ケンは再び宿命の旅へと出るのだった。
放映日:84年11月8日
[漫画版との違い]
・一年前のケンVSシン以外はアニメオリジナル
・リュウケンの墓には、『北斗神拳師の墓』と書かれている。原作では意味不明な文字。
・獄屠拳が獄殺拳に名前変更
・「避難させたぜ」
ケンが城に向かおうとしているとき、バットは
「皆はとなりの町へ避難させたぜ」
と言っているのだが・・・
誰?
捕虜の人達は皆死んだ筈だし・・もしかして戻ってドラドの街を壊滅させたのか?
・感染?
シンの城の中でケンが雑魚と戦っているとき、ケンは先刻捕らえていた雑魚を、自らに向かってくる奴等に投げつけました。ケンの投げた男と向かってくる男は衝突。しかし
何故か奴等は全員秘孔を突かれたかのように膨れ上がって死んでしまいました。
何故!?
向かってきた奴等はまだケンに何もされてないのに・・・もしかして秘孔の効果って
感染する
んですか!?
・影山さん
この回では絵コンテを担当している影山氏って、昔「ベルサイユの薔薇」のアニメを担当していた方らしい。それの影響なのか、この影山氏がスタッフに関わっている回の絵はとにかくすごい。今回で言うと、ケンがユリアを抱えてサイドカーへ向かうシーンやね。いきなり背景が花柄に・・・。北斗でこんな少女漫画風演出やっちゃったらある意味ギャグですわな。メルヘンと言う言葉に一番遠い漫画ですからなあ。しかし何故かケンの眉毛はいつもの2倍程大きくなっていたというのはこれ如何に。
第4話へ≪
≫第6話へ