
ケンシロウを見つけられずに苛立つKING兵。その怒りは、酒場のマスターにまでぶつけられていた。理不尽な理由で痛めつけられるマスター。とその時、その暴力を制止する声が飛んだ。声の主は、KING配下の一人、ハートであった。君達は貴重な働き手だ。困ったことがあれば何でも言うがいい。悪党とは思えぬ優しい心遣いで、マスターに接するハート。しかし、彼が酒を貰おうとしたとき、事件は起こった。ハートが手をついたカウンターに、先ほどのいざこざで割れた瓶の破片が落ちてたのだ。手のひらから流れでた自らの血に、体を震わせるハート。そして次の瞬間、怒りに満ちた表情で、ハートは突如マスターの顔面を握りつぶした。ハートは、自らの血を見ると、我を忘れてしまう性格だったのである。巨体をゆすり、酒場を破壊し始めたハートには、もはや敵味方関係なかった。このままでは殺される。そう感じた部下達は、一斉に棍棒をぶつけてハートを気絶させようとする。しかし、ハートの特異なその体は、棍棒を逆に肉体の中へと取り込んだかと想うと、次の瞬間、猛スピードで部下達へ向けて弾き返してきた。そして、ようやくハートの怒りが収まった頃には、酒場は無残な死体の山が出来上がっていたのだった。
収容所を見下ろせる場所へとやってきたケンは、リンとバットに待っているよう告げ、一人収容所へと乗り込もうとしていた。そんな事など露知らず、収容所の見張りは暇そうにアクビをしていたが、次の瞬間、彼は信じられないものを目にした。なんと目の前の崖から、巨大な岩が転がり落ちてきたのだ。なんとか寸前で避けた男達だったが、岩はそのまま収容所へと激突。その騒ぎに飛び出してきた見張り達は、岩の上にたつ一人の男、ケンシロウの姿を目撃した。大岩は、ケンの作戦だった。あらかじめ見張りの数をリンから聞いていたケンは、この騒ぎによって見張りを一堂に集め、一片に倒してしまおうと考えたのだ。北斗四方斬等によって、次々と見張りをかたずていくケン。その活躍ぶりに居ても経ってもいられなくなったバットは・・・
何とか岩山を登り終えた捕虜達。しかしその頂上で待っていたのは、ハート率いるハートの本隊であった。追っ手達は、ケンと捕虜達を引き離すための囮だったのだ。KING軍の投げた棍棒によって、次々と殺されてゆく捕虜達。生き残ったリンとバットに対し、残る全ての棍棒が放たれる。だが、間一髪到着したケンによって、二人は再び命を救われたのだった。罪のない捕虜達を虫けらの如く殺したハート達に、ケンは怒り爆発。雑魚を北斗百方斬にて殲滅し、ハートの前へと立つケン。しかし、ハートは何を思ったか、突如自らを殴るよう指示してきた。言われるまでもないとばかりに、その拳を突き入れるケン。だが、その拳は、ハートの腹に突き刺さったまま抜けなくなってしまった。ハートの体は、どんな攻撃をもやわらかく包み込んでしまうという特殊な肉体だったのだ。動けぬままハートの張り手を喰らい、地に叩き付けられるケン。私に勝てるのはKING様の南斗聖拳だけだ。ケンを見下ろしながら得意げにそうつぶやくハート。だがその言葉が、逆にケンに闘争心を蘇らせてしまう結果となった。
南斗聖拳、それは北斗神拳と対を成す必殺拳。その拳を使うKINGこそが、自らの追い求める男であることを、ケンは確信したのだ。ジョーカーのトランプによって出血したハートは、我を忘れて突撃するが、最早覚醒したケンシロウの敵ではなかった。激しい蹴りの連打でハートの脂肪をかき分けたケンは、そのまま秘孔へ一撃。北斗神拳 北斗柔破斬によって、ハートの肉体は醜くはじけ飛んだのであった。| [漫画版との違い] ハートがバーで暴れるシーンと、VSケンシロウ以外は全部アニメオリジナル。 |
|
|
| 第3話へ≪ | ≫第5話へ |