ストーリー | キャラクター | 流派・奥義 |
時は世紀末。第63代北斗神拳伝承者リュウケンは、四人の男児を養子として引き取り、次代の伝承者候補として育て上げていた。だが拳を伝承できるのは一人―――。長兄ラオウ、次男トキ、三男ジャギ、四男ケンシロウ。何れが拳を伝承しようとも、他の三人は永遠に拳を奪われてしまう・・・。その非情な掟ゆえ、リュウケンは未だ次代の伝承者を決めかねていた。 ジャギの北斗千手殺を受け、倒れこむケンシロウ。組み手は三男ジャギの圧勝かに思えた。しかし、ジャギの身体に記された秘孔の位置には、くっきりと痣が残されていた。最初のすれ違いざまに放ったケンシロウの拳が、ジャギの秘孔を正確に捉えていたのである。ケンシロウの脅威の成長に驚かされるリュウケンであったが、その甘すぎる性格は、伝承者としてはあまりにも致命的であった。 ケンとユリアの周りには、彼らを慕う子供達が集まってきていた。だがそんなケンシロウの笑顔は、ジャギをますます苛立たせていた。猛烈な勢いで突っ込んできたジャギのバイクから、間一髪で子供たちを救うケンシロウ。心優しきそのケンの姿を、リュウケンはある想いをもって見ていた。 ラオウ達がいつものように修行を始めようとした時、南斗鳳凰拳のサウザーが北斗の寺院に訪れた。伝承者争いが間近に迫った今、あの南斗十人組手に挑んだケンシロウがどれほどの強さになったのか、確かめに来たのである。挑発されたラオウが、サウザーに殴りかかろうとしたその時―――、リュウケンの一喝が、その闘いを止めた。他流試合禁止の掟を軽んじるラオウに、リュウケンの怒りの声が飛ぶ。だがさらに戦いを煽ろうとするジャギに、遂にリュウケンの怒りが爆発した。お主のような輩に北斗神拳は永劫渡さぬわ!事実上の伝承者落選を言い渡されたジャギは、その身を狂気に染めていった。世界戦争の波に乗り、ならず者の大群を引き連れて暴れまわるジャギ。その狂気に応えるかのように、世界は核ミサイルによって終わりの時を迎えようとしていた。 その頃、不吉な星を感じ取ったリュウケンは、ラオウを塔の屋上へと呼び出していた。ラオウが目指すものが覇道である事を確認したリュウケンは、突如ラオウに対して秘奥義を繰り出した。北斗七星点心―――。死角から放つ攻撃で、一方的にラオウを攻め立てるリュウケン。だがラオウが反撃に放った一撃を、リュウケンは躱すことなくその身に受けた。その剛拳で伝承者を打て!! 悩みぬいた末にリュウケンが導き出した、次期伝承者―――、それは、末弟ケンシロウであった。その時、遂に世界は核の炎に包まれた。立ち上る炎と爆風が北斗の寺院に迫る。だが次の瞬間、リュウケンはラオウをシェルターの中へと突き飛ばし、扉を閉めた。同じ頃、トキもまたケンシロウ達を庇い、一人シェルターの外へと留まっていた。 数日後―――。文明が失われた世界で、男たちは新たな運命の道に進み始めていた。ジャギは暴力の時代の到来に歓喜し、トキは死の灰によって病を得、ケンシロウはそのトキの姿に哀しみを背負っていた。彼方の地では、この乱世を治めるため、南斗五車星が動き出そうとしていた。 そしてラオウは、リュウケンが最後に残した言葉の意味を考えていた。二人でこの乱世を救う救世主を造り上げる―――。ケンシロウが救世主に足り得る素質を秘めていることを、リュウケンは見抜いていた。だがその甘い性格では、とてもこの乱世を生き延びる事は不可能・・・。故にリュウケンは、ラオウの剛の拳をケンシロウにぶつけることで、その潜在能力を引き出そうと考えたのであった。ラオウには、己の覇道を行く以外の道などなかった。だがもしその道にケンシロウが現れた時、全力で相手になる事を、ラオウは"父"リュウケンに約束するのだった。 |
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