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死の抱擁
しのほうよう



使用: ガヒルカ (対 ケンシロウ)
登場: 北斗の拳(118話)/アニメ版(95話)


 鎧から無数の刃を生やし、敵へと抱きつくという技。拳王軍のヒルカが、泰山妖拳蛇咬帯で動けなくなったケンシロウへのとどめとして繰り出したが、その前にケンは蛇咬帯を引きちぎって脱出。大岩をガードに使われ、その岩に突き刺さったまま動けなくなった。



 一見すると単なるバカ技にしか見えないが、よくよく考えると結構的を射ている。敵はどうせ蛇咬帯で動けなくなっているのだから、少しでも殺傷力の高い技を選択するのは当然。ケンはどうだか判らないが、並の拳士ならこれで120%確実に死ぬ事は間違いない。
 ナイフや剣を携帯し、動けぬ相手をそれで切るという方法もあるにはある。しかし蛇咬帯は、一度咬みついたら絶対にはずせぬとヒルカが自負する素材である。そう簡単に切れるようなモノではないだろう。万が一切れたとしても、同時にそれは蛇咬帯の生地に裂け目が入るわけで、それは敵に捕縛からの脱出チャンスを与えている事に他ならない。生地を切るなら、確実に敵を仕留めるだけの殺傷力を求められるわけだ。今回のように部下を引き連れているなら矢での集中砲火でも良いが、もし勝負がタイマンであった時、この死の抱擁は必須と言えよう。
 だがいくら殺傷力が高いと言っても、敵に密着するというのは多大なリスクを伴う。やはり不確実でも距離は保っておいたほうが賢明だといえる。しかし、ヒルカは多分密着したいのだろう。彼はきっと、串刺しにされて死んで行く敵の断末魔をゼロメートルの距離で聞きたいサイコ野郎なのだ。うん、最後の一文が一番自信あるな。