大原画展レポ(1)
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2023年11月28日 |
10月7日より開催されていた
『北斗の拳 40周年大原画展 〜愛をとりもどせ!!〜』
が、約1ヵ月半の開催を終え、11月19日に無事閉幕しました。ご来場された方々、並びに関係者の皆様、お疲れさまでした。
私も10月末にお邪魔させて頂きました。
以下その感想となります。
10月28日、前日に東京入りし、宿をとった新橋から六本木へ移動。
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午前9時、会場がある
六本木ヒルズに到着。
意外と普通のビルヂングだった。
凄いセレブリティなの想像してた。
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このビルの52階にある
森アーツセンターギャラリーという所が会場らしいので、そこを目指してウロウロ。
しかし道を間違え、裏ルートから入場口にたどり着いてしまった私は、開場時間に開くはずの扉から逆流する形で外へ。
扉の前には既に数十人が列を作っており、その全員から
「いま会場から出てきたこの人何……?」という怪訝な視線を浴びせられるのだった。
午前10時、開場ギリギリに訪れた友人と合流し、入場。
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まずは
等身大ケンシロウがお出迎え。
一昨年に密林さんから出たやつですね。
ケンシロウの半身の構えは大体左が前だが、これは何故か右が前になってるんですよね。ちょっと違和感あるけど、まあ北斗神拳伝承者ともなれば両利きの修行もしてるだろうからいいのか。
まずは作品紹介や、北斗神拳の概要を説明するボードなどがあり、続けて
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トキが死兆星を見せつけてきた
え、突然なに!?なんで!?
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続けて、原画展示コーナーへと続く通路には
例のシェルター風の演出が。
おそらく
あのシェルターのように満員御礼になってほしいという運営側の願いが込められた演出であろう。間違いない。間違いなくあれは満員だった。きっとそう。
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そしていよいよ
大原画展がスタート。
会場内には、第1話からラオウ編までの136話と、連載当時に描かれた色彩画の中から厳選した
約400枚の原画が展示されている。
その一枚一枚に、じっくりと目を通していく来場者たち。
緻密なディティールの書込み、ホワイトによる修正、ペンの筆圧など、
漫画だけでは決して伝わらない生原稿の迫力はまさに圧巻。まるで当時の仕事場の熱が伝わってくるかのような臨場感を漂わせていた。
また、それらが飾られている壁面が、拡大された漫画のシーンで彩られていたのも素晴らしかった。まるで
会場全体が「北斗の拳」へのリスペクトで溢れているかのようであった。
多くの方々の尽力が見えるこの会場の様子には、いちファンとして感動を覚えずにはいられなかった。永年ファンを続けてきた事が報われたというか、この漫画を愛したことは間違っていなかったと確信に到るほどの、素晴らしい体験をさせて頂きました。
本当にありがとう!!
……とまあ、始まったばかりなのに総まとめのようなコメントを出してしまいましたが、それには理由があってですね。
ぶっちゃけこれ以降、
原画の展示について語る事が無いんですよね。
何故なら
実際は殆ど原画を観れてないから。
だってさぁ、同行した友人が
午後から子供の運動会が入ったとか言うんだもん。12時半には帰りたいっつんだもん。それまでの2時間30分の間に、写真も撮って、映像も見て、原画以外の展示物も堪能して、グッズ購入もして、コラボカフェも行ったら、もう時間なんて残んないよ。
仮に30分作れたとしても、原画400枚見るなら
1枚あたり4秒しかないんよ。どうせいと。
一人で周ろうにも、撮影役とかコラボカフェでの胃袋要員としても友人の存在は必要不可欠。故に今回はもう致し方なしと、
原画鑑賞をほぼ断念。今回はそれ以外の部分に注力し、来年3月の名古屋、夏の神戸開催に賭けようと、そう思い至った次第です。
千葉繁さんの無料案内音声も一切聞けなかったなあ。
まあそんな感じだったので、
バタバタで駆け抜けた野郎のレポという認識で読んでもらえるとありがたいです。
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展示構成は、
・第一章「無愛」
・第二章「親愛」
・第三章「愛蔵」
・第四章「愛憎」
・第五章「彩愛」
・第六章「敬愛」
・最終章「超愛」
の全7章からなる。
既に突入している
第一章「無愛」は、ケンシロウの旅立ち、そして初期の敵であるジード、スペード、ジャッカル、ジャギ等との激闘がピックアップされている。
なので、冒頭のジード編を過ぎると、まずはアレが姿を現した。
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『種もみじいさんの墓』
ミスミって呼んで!!
大原画展のクラウドファンディングが、当初の目標金額である200万をアッサリと突破したため、
888万8888円のネクストゴールとして設定されたのがコイツだ。
もちろんこれ自体にそれだけの金がかかっているわけではないが、
こんな朽ちた板を十字に組んだだけのオブジェのために900万弱を集めたという事実はギャグとしてもっと宣伝すべきだと思う。狂気の沙汰ほど面白いのだから。
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ただその割には
十字に組んだ板の縦横の重なりが原作と逆という痛恨のミス。
組み立て時に深く考えず、前後逆に土に刺しちゃったんだろうなあ。シンプルなオブジェだからこそのウッカリだね。わかるよ。
さて、噂によると、
ここでケンシロウの「実るさ…」を実体験させてもらえるとのこと。ならば遠慮なくパラパラさせていただこう。
気合入れて
種モミ袋も自作してきたので、これを使って早速……
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ん?
なんだ?この……なんだ?
緑色で……
カチカチの……
京都辻利製の丸薬みたいなものは。
あまりに種モミから遠いビジュアルに面食らったが、まあリアルに再現しすぎるとね、
風で飛んじゃうからね。ヒルズにゴミ撒き散らすわけにもいかんし、何か既定のようなものがあったのだろう。
緑色にした理由は謎だが。
では改めてパラパラを……
すると見せかけて……
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?
コンセプトは
『種モミを拾い集めるボロ』
ケン達が去った後、ミスミの墓へと近づく一人のボロ。
周囲を気にしながら、撒かれた種モミを拾い集めたボロは、それを小袋に詰め、そそくさとその場を後にする。
「今日より明日……?俺たちはその今日すら生き延びれるか判らねえんだ!!」
……みたいな感じ。
これをさらに発展させて
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『撒穂拾い』
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ミレーの代表作『落穂拾い』風に種モミを拾ったならば、このみっともない行為ですら芸術的に見えるのではないか、という怪作。
こんな事やってっから時間無くなるんだよ。
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あと、某所のおまけ品で貰った
ミスミの米袋も置いてみたが、墓とサイズ差がありすぎて上手くいかなかった。
というかこの土部分、なんでこんなジャガイモみたいな形にしたんだろう。
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お次に現れたのは
黄金のジャギ像。
セイマイネイムポーズって基本真正面なのに、こいつは斜に構えてポーズまでとってやがる。若干ひろみ郷寄り。
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その後、ゴールまでの間に
トキ、ケンシロウ、ラオウ様の黄金像も登場。
皆神々しかったが、特にトキはこういうクソデカ立体化は初だと思うので感動したなあ。めちゃめちゃ脚太かった。
ラオウ様のはこれ、日本各地のデパートで開催されている
大黄金展に展示されているのと同じですね。けど原画展開催中も黄金展はやっていたので、おそらく2体存在するのだと思われる。
続けて
第二章「親愛」に突入。
南斗六聖拳との出会い、別れ、闘いのシーン等が特集されている。
ここでまず登場したのは
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ハートのおなかおさわりコーナー。
着眼点は凄く面白いとは思うが、
なぜそんな冷めた表情をしているんだ。いつもの笑顔はどうした。まあ毎日毎日ヤロウ共に腹揉みしだかれたら不機嫌にもなろうというものだが。
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フィット北斗で鍛えた渾身のパンチ!
ふむ……
かなり高反発な素材だ。
デブの腹の質感としてはリアルだと思う。
ただ
ハートの脂肪は特殊も特殊だからねぇ。あのケンシロウが腕を抜けなくなるほど絡み付いてくるんだから。
なのでガチで再現するなら、
ジェル枕の中のを更にスカスカにしたような素材みたいな方が良かったかな。肌に吸い付くしっとり感は欠かせないと思う。
手垢とか埃が吸着しまくるけどね。
その後ズズズイッと進んで
聖帝編に突入。
ここで登場するのが、この催しの
裏メインとも言うべき……
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『サウザーの玉座』
おおお……これがあの……
この玉座ってネタ的な扱いされがちだけど、やはり実物大を目の当たりにすると凄く厳かだなあ。
……と思ったが、これが面白イメージなのは
ドデカ三輪バイクの上に設置されてるからであり、地面に設置してあれば普通に威厳も出るよね。
では早速撮影タイムといこう。
この椅子でやるポーズと言えばひとつ!
頬杖ついて…足組んで…不敵な笑みを…
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できませんでした
いやいやいや……
逆に皆よくあのポーズ出来るな。
だって、サイズ合ってないじゃん。
181cm・93kgの人用に作られた玉座やねんで。それを満たしてない奴が座ったら明らかにミスマッチじゃん。ブカブカじゃん。実際ブカブカになってる写真ぎょうさん見たで儂。
そんな状態でイキったポーズなんて、クソチビの俺にはできないよ。なんか惨めになるから。
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だから俺が座るなら惨めな格好じゃなきゃ駄目なんだよ。
頬杖も、足組みも、笑みを浮かべる資格すらないんだよ……
しかしまあ、この玉座を前にしてアレしないのもアレなので
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折角なんでご本人に
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やってもらいました
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