台湾旅行記(2)

2023年10月13日


【旅行2日目】


7:30、起床。
4時間未満の睡眠だったが深く眠れた。ドリエルキメた甲斐があるというもの。





朝食はホテルのバイキング。

そりゃもうシェラトンのバイキングなのだから品数も味も最高。中でも目玉焼きにかかってた謎のソースが美味かった。目玉焼きに何かけるか論争を終結させられるレベル。

ただ台湾の魅力は飯らしいので、ここで満腹になるのは賢くないと控え目に。あとフロアの冷房が効きすぎて激寒だったので、体調も考慮し早々に退散。




8:30、ホテルを出発し地下鉄へ。

水害時に地下に水が入らないためか、地下鉄の入口が少し高くなっている所が地味に良いなと思った。他国から様々な情報を吸収しながら成長している様子が感じ取れる。






駅で「悠遊カード」を購入。台湾の交通系ICカードで、電車やバスはもちろん、コンビニ等での支払いも楽になるので、移動の多い旅行には必須のアイテムらしい。

キャラデザのそこはかとない素人感が素敵。








9:00、龍山寺に到着。

台湾で一番歴史のある寺で、人気パワースポットの一つらしい。建築270年で最古というところが日本との歴史や文化の違いを感じられて面白い。

ちなみに何故ここを最初に選んだのかというと、台湾の施設やお店は大概12時を過ぎないと開かないため、午前中はこういう寺とかの歴史ある所に行くしか選択肢がないからである。


中に入ると、30人からなるツアー団体客が記念撮影を行っていたのだが、何故か力強く「カモン!」と言われ、わけも判らず参列。撮られた写真を見ると、落ち着いたおばさま方の中で一人ダブルピースをした馬鹿が映っていた。旅の思い出の一枚をぶち壊してしまった事、心より恥じる。




まずは本殿に参ってお賽銭。ガチめに旅の無事を祈願する。

その後、境内をめぐるが、日本の有名な寺とは違い凄く狭かったので、5分かからず一周できてしまった。





面白かったのが、このりんごを櫛切りにしたような謎のブツ。
「ポエ」
という占いアイテムらしい。

使い方は、まずパーソナルデータと占ってほしい事を頭に浮かべ、ポエを2個投げる。表裏が一つずつ出ればおみくじを引ける権ゲット。失敗しても3回までチャレンジ可能。

その後、棒を引いて、一番飛び出たのに書かれている数字がおみくじのナンバーになる。しかしここで更にもう一回ポエを投げ、再び表裏が出れば、おみくじを買っていいことになるらしい。





いやしかし、寺的にはおみくじをガンガン買ってもらった方が売り上げになるし、引くまでの過程が長いと回転率を下げるだけだと思うのだが、そういう商魂的な考えを無視して伝統に従っているところは凄く好感が持てるね。





寺を後にし、しばし周辺を散策。

到着したのが夜だったし、ホテル周辺もビル街だったので、初めてちゃんと台湾の街並みを目にして今更ながら感動。似ているようでもやはり日本とは雰囲気が全く違い、ようやく海外に来たのだなと実感する。

龍山寺の周辺は少し治安が悪いと聞いていたが、なるほどといった感じの程よいスラム感で実に良かった。ブラブラして一番楽しかったのはここだったまである。自分一人では敬遠してたかもしれないが、友人は100kgジャストの丸山ゴンザレス的風貌なのでボディーガードとしても心強い。

そんな街でも、一歩大通りに出れば巨大オーロラビジョンでCMが流れているというギャップ。2020年代と1980年代の建物が混在していて、その中間が無いって感じの不思議な街並だった。





あと原付が凄く多いのも印象的だった。
国民の所有台数も車の倍ほどらしい。

ここでも新旧が入り交じっていて、無音で走る近未来的な電機スクーターが走ってるかと思えば、後部にでっかいガスボンベ積んで走ってる激ヤバ野郎もいた。アクションゲームで周囲のザコ巻き込んで死んでくれる敵って本当にいるんだなと思った。







次の目的地まで散策兼ねて徒歩で移動。総督府やら大学やらデカい建物ばかりであまり面白く無い地域だったが、道中にあったスマホで自撮りするカップル像は面白かった。あらゆる意味で現代アートだなと思った。







10:30、中正紀念堂に到着。

1980年に、台湾の発展に貢献した蒋介石への哀悼の意を込めて作られた建造物。一般にも開放されており、台湾の人気の観光スポットの一つとなっている。






蒋介石と言えば、蒼天の拳にも登場したことで我々界隈にも有名。拳さんに中国最強の拳法家(流飛燕)を差し向けたり、ヘッケラーに挨拶したり、鮫島義山との会合に応じたりと、実在の人物としては以外と出番が多い。

基本的に歴史全然知らんマンなので「国民党の偉い人」「孫文の後継者」という蒼天由来の情報しか持ち合わせておらず、台湾とこれだけ縁深い人物とは知らなかった。ていうか台湾の10元、5元、1元と3種のお金に登場してるんですよこの人。凄いよね。大谷が総理大臣なって日本経済救っても3種は無理だと思う。


本来は蒋介石の情報無しで来るところではないのかもしれないが、個人的には結構楽しめた。何故なら建物がデカいから。自分は巨大建造物恐怖症で、デカい建物の下にくると足がすくむという症状を抱えているのだが、それが逆に気持ちよかったりする変態なので、こういう意味不明に巨大な建造物が大好きなのだ。







本堂にある蒋介石の銅像を眺めていると、「フワァ〜〜ン」という謎の音を合図に兵隊さん達が何かを始めた。

これは衛兵交代式というもので、日本でも陸自とかがやってる儀仗隊の小規模版といった感じ。須藤元気のパフォーマンスみたいに速い動きと遅い動きが交互にくるのが特徴。

1時間おきに行われているらしく、偶然遭遇できたのは運が良かった。ただ人だかりの壁に遮られて全く見えず。なのでスマホを掲げて録画し後で見ようと思ったのだが、家に帰ってファイル整理している時に謝って動画を全部消してしまった。まあいいか。





12:00、台北101に到着。
オープン時間ジャストに到着するという完璧なスケジューリング。





「台北101」は、高さ508mを誇る超高層オフィスビルで、完成した2004年当時は建築物として世界一の高さを誇っていたらしい(現在は10位以下)。名前の通り101階迄あり、5階までがショッピングフロアで、89階が展望台、91階が屋外展望台となっている。最上階への行き方は知らん。


形状から見ても、中国の白馬寺にもあるような古代の塔をモチーフにしているんだろうな〜と思っていたら、まさかの竹モチーフであった。竹……







折角来たのだからとチケットを買って超高速エレベーターに乗り、展望台へ。

建造物としては俺史上最高の高さから臨む景色は確かに凄いのだが、正直こういうスポットから見る景色って何処もそんなに変わらんし、なんなら数時間前にもっと高いところ飛んでたし、こういう所の最後の楽しみである「あそこに見えるの○○だ!」という遊びも全く知らない土地故に不可能であったため、ただひたすら高さを持て余す結果に。

まあタワー系はこういう感じになるよね。
けど登らないわけにはいかないじゃん。





しかし売店では、香港映画レジェンズがカイオウ滅殺隊状態になっているティーバッグというこの旅行におけるベストワン土産を買う事が出来た。ネタ的要素の強い少林寺十八銅人まで入っているのが最高だ。もはや台湾関係ない気もするが







13:00、タワーの近くにある四四南村という所へ。

ここは、古い集合住宅を文化的遺産として残し、カフェやショップ、資料館にリノベーションした場所らしい。


確かに建物自体は趣ある古さであったが、扉や窓枠などの一部はピカピカの新品であり、そういう新旧をミックスさせるというオサレ手法なのだろうなと冷静に見てしまった。単純に「古い台湾文化を見たい」という目的で訪れた自分には、ちょっと方向性が違うかな。龍山寺周辺のガチスラム感の方が好みかも。





13:30、昼飯探しの旅へ。

とりあえず地下鉄の讐連駅で下車。ここと一駅隣の中山駅の間に飲食店が沢山あるらしいので、適当にブラつきながら探すことに。


その道中、少し東にある林森北路なる所へ寄り道。ここは台湾の歌舞伎町とも言われる歓楽街で、夜は助平な日本人客で溢れるのだとか。

風俗街を観光するのが大好きな自分としては結構楽しみにしていたが、「いかにも」といった店は特になく、ネオンが無いと雰囲気も解らないため、特に面白くは無かった。残念。






14:00、小籠包の有名チェーン店である「京鼎楼」で昼食。
選んだ理由は、大分前に旅猿の台湾ロケで系列店に行ってたから。


注文を決め、店員さんを呼ぶ。
ここで忘れてはならないのが八角の確認

旅行前に唯一覚えてきた言葉をスタイリッシュに店員にぶつける。


「ヨージャンバージャオマ?」
(八角は入っていますか?)


しかし返って来たのは「ファ?」という店員さんの声と顔であった。


大丈夫。想定内だ。
そんな事もあろうかと、用意していたスマホの画像を店員にかざす。






理解してくれた店員さんからの返答は、イエス。危ない所であった。

困った時はこれを見せろと教えてくれた台湾グルメ系youtuberさんのおかげで命拾いをした。 ありがとうゾロさん。







というわけでノン八角メニューである小籠包、炒飯、空芯菜、タロイモまんを注文。どれもこれも美味しく、特に空心菜はいくらでも食えるほど絶品であったが、全体的に少し味付けが薄めかなと思った。やはり台湾は八角が味付けの軸になっているのだろうか。





14:30、足ツボの店

マッサージや足ツボも台湾の名物のひとつ。正直私は全く興味が無かったのだが、午前中から歩き続けて既に疲労がたまり始めていたので、乗っかる事に。

まあ北斗を嗜む者として、ツボを突かれておくのも悪くないだろう。






じっくりとジャグジー足湯で筋肉を解した後、マッサージ開始。いかがわしい店では無いので、普通の兄ちゃんが俺の脚を揉みしだいていく。


「君もしかして俺のふくらはぎ千切ろうとしてる?」というレベルで境目に指を突っ込まれ、握撃に悶絶するワイ。ボルゲ拷問時のバットの如く声を噛み殺す。これ30分はキツイな…と思ったが、徐々に慣れて最終的にはほぼ痛みを感じることなくなっていた。大胸筋突かれて肉体が死に始めているんじゃなくて良かった。




16:00、台北駅へと移動し、電車を乗り換えて瑞芳駅へ。

目指すは、台湾で人気No.1観光地である九分(正確にはにんべんに分)。ガイド本で見た中では一番行ってみたいと思っていた場所なのだが、日暮れ時がオススメと書いてあったので、この時間に向かうことにしたのだ。


九分は海沿いの傾斜地にある街。かつて金鉱の町として栄え、後に衰退するも、映画のロケ地になったことで自然の景色やレトロな建物が注目され、一躍人気の観光地になったのだとか。

また千と千尋のモデルの地とも言われているが、公式から発表されているわけではなく、単に似ているだけの可能性が高いらしい。まあジブリが困ってないのなら、その辺りはぼんやりさせといていいんじゃないかなと思う。




瑞芳駅からタクシーに乗り、九分に到着。

とりあえず街のどこにいけばいいのか判らないので適当に歩くと、凄い数の人が狭い路地に吸い込まれていくので、流れに身を任せることに。





踏み込んだのは、九分のメインスポット「九分老街」

狭い小路が縦にも横にもうねるうねる。そこに店が並ぶ並ぶ。こんなところに人を呼ぼうという発想は、あまり日本にはない感覚だと思う。ネット等の紹介分には「古い台湾の雰囲気」とあったが、店自体は今風のが結構多く、逆にサイバーパンクな様相すら呈していた。


メインの通りは提灯や人ごみで実に華やかだが、少し路地に逸れただけでヤバさMAXのダンジョン感を味わえるのも良き。気を抜けばすぐに棍で額を割られそうな気配が漂っている。絶対にそんなことはないだろうが。


露店には見た事も無いB級グルメがよりどりみどり。こういうところで爆食いするのが今回の旅行の野望の一つでもあり、そのために飯も程々に抑えていた筈なのだが、いざ来てみると全然手が出なかった。八角が怖いのか、年齢的に食えないだけなのか、常に異臭が漂っている上に10m歩く毎にその臭いが変わるという状況に脳がやられていたのか、理由はよくわからない。

結局ここで食べたのは、抹茶と小豆のドリンクという無難オブ無難な一品のみであった。このヘタレ野郎が!




この地で最大の衝撃だったのは、ジブリグッズの多さ。千と千尋のモデルかどうかなぞどうでもいい!この機を逃すな!と言わんがばかりに商魂炸裂しており、ほぼ全ての雑貨店がジブリ、ジブリ、ジブリ。グッズの総数で言えば三鷹の森の100倍はあるだろう。もちろん全て非公式グッズである事は言うまでもない。

オカリナ屋の店員がトトロ型のオカリナでトトロを吹いているのを見た時は流石に笑うしかなかった。






上へ下へと歩き回った後、一番有名なスポットである阿妹茶樓へ。

ここが湯婆婆の油屋のモデルと噂されたが故に九分のジブリブームが始まったわけだが、正直言うほど似てはない。しかし撮影スポットには、この店と一緒のフレームに納まる位置にカオナシのオブジェが造られており、もはや後退する気はないという覚悟が垣間見えた。



一通り周り終えて帰路につくが、ここで問題発生。客待ちのタクシーが、「瑞芳駅には行かねえ!台北駅までじゃないと乗せねえ!」と言うのだ。

通常なら瑞芳駅から九分に行く客、帰る客を乗せて往復するのが効率的なのだが、もう時間も遅いので、今から九分に来る客は見込めないという事だろう。故に台北まで行って、それで今日はアガリ!としたいわけだ。気持ちは解る。

しかし瑞芳駅までは約1000円、台北駅までは約5000円かかるので、我々としても譲るわけにはいかない。根気強く探した結果、瑞芳駅まででいいよ!という人を見つけたので、謝謝を連呼しながらタクシーに乗車。

しかし走り出した瞬間、始まったのは「台北?台北?1000元!サービス!」という交渉であった。瑞芳駅に着くまで、いや着いてからもずっと言われ続け、ゲンナリした。




20:30、電車で台北駅へと向かう予定を変更し、松山駅という所で下車。

ここで降りると夜市が直ぐ近くにある事に気付いたのだ。






饒河街観光夜市に到着。

「夜市」とは、夜中に開店する屋台・露店の集合体。中華圏や東南アジアで広がる文化であり、ここ台湾でも夜に楽しめるイベントとして人気を博している。早い話が縁日を毎日やってるようなもんで、それが台北だけでも10以上あるらしい。

その中でもこの饒河夜市は、台北で2番目の規模だとか。






ついこないだも「マツコの知らない世界」で取り上げられていたように、この夜市こそが台湾で一番人気のコンテンツであるという人も多い。観光客にとっても勿論だが、共働きの多い台湾では、夜に家族が揃って楽しめる幸せな時間なのだという。


なので私も全力で愉しみたい……ところだったのだが、これと似た状況をついさっき九分で体験してきたところなので目新しさが無く、かつ一日中歩き続けた事で足も限界。そしてこの夜市、2番目の規模ということもあって超広い&人多い&道狭いのトリプルコンボで、俺の体力ゲージは完全に枯渇。もはや肉体的にも精神的にも楽しめるような状態では無かった。

もし今後台湾に行く予定がある人には、夜までに体力を残しておくことを強くお勧めしたい。






八角チェックする気力もなかったので、絶対に大丈夫そうなものを探した結果、「サンチンポ」とカタカナで書いてあった店の焼き小籠包をチョイス。醤油が効いて美味かったが、朝も昼も小籠包食ってんなぁと思った。



22:00、結局チンポしか食べれず腹が満たされなかったので、道すがらにある店に入る事に。

選んだのはあえての日本風居酒屋。BGMは宇多田とかミスチルがかかっていた。しかしメニューに日本語は無く、店員さんも全く言葉は通じなかった。本当に「風」なんだな。

酒が全く飲めないので、焼き鳥と烏龍茶を注文。別に酒が飲めなくて困ったことはないのだが、旅行先でその土地の酒を味わったり出来ないのは少し勿体ないなという思いはある。



23:00、ホテル着。
買って来たプリン味アイスを食べる。微妙。

テレビでは日本のBSも放送しており、そこでやっていた「スイーツ頂上決戦2023」を食い入るように見てしまった。折角なんだから現地の番組を見ろよ。


0:00、日本チームの優勝を見届けた後、シャワーだけ浴びて就寝。



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