【書籍】北斗神拳の謎に迫る 

2023年1月10日



あけヌメことサモでございます。



さて、昨年末にこのような書籍が発売されていました。





北斗神拳の謎に迫る 秘孔の真実
「空手」と「経絡理論」で考察!




著者は、中山隆嗣氏。
熊本市出身の空手家でもあり整体師でもある66歳の方。


発行元はBABジャパン。
武術系の本を多く出版されている模様。





内容はタイトル通り「北斗神拳」がメイン。

ストーリーとかキャラクターがどうのといった話は殆ど出てこない。

自分は北斗の中でも特に技・奥義に注目してる人間なので逆に嬉しい。





この本で特に注目されているのが「秘孔」の存在。更にその中でも相手を死に至らしめる「殺」の秘孔ではなく、命を救う「活」の秘孔に重きを置いた内容となっているのが面白い。

これは何故かと言うと、実在のツボと関連付けたお話をされているから。ツボの多くは人を健康するためのものですからね。かたや人をボンさせるツボなんてものは無いすからね。




こういう「北斗の拳」を実在の武道やツボと関連付けするのって、強引な結び付けになりがちなんですよ。過去にそういう本もあったし。だがこの本はあくまで「北斗の拳」を主軸としており、作中で起こった様々な事象を取り上げ、それが現実では何に当たるか、どれくらい実現可能かという視点で考察されている。これは出来る、これは出来ないとしっかり割り切っているので無理なこじつけが無く、読みやすい。


ただそうなると、悪食の私的には少々困る。北斗の拳を強引な解釈してきたところへのツッコミ一閃が私のスタイルなので、北斗がただの題材と化してしまっているこの本に対して私が出来ることは無い。これは良本です!と物足りなそうな顔で言うより他に無い。



あと個人的に好きなのが、現実には不可能としながらも「私の未熟さ故かもしれないが」みたいな感じで、ちょっとした保険をかけたりしてる所。これ凄く気持ち解るわぁ。ハッキリ決めつけちゃうと高圧的に感じちゃう人がいるかもしれないんで、こういう一文を添えたくなるんだよね。シンパシーを感じる。










巻末には9頁に渡る経絡図


これはいいですね。ツボの名称だけで効能等の説明が無い簡素なものではあるが、パッと位置を確認するだけなら便利そう。






といったわけで……先述の通り、ツッコミを封じられた私にできるレビューはこの程度となります。武道やツボのほうで解釈を広げられてしまうともう私の出る幕はありません。はえ〜そうなんや、と口開けて感心するばかりであります。

しかし本当に読みごたえはありますし、北斗の拳と武道・ツボの双方に興味のある方には特にオススメできる内容となっております。

個人的には作中に登場した秘孔が、現実のどの秘孔に該当するか、効果がどれくらい似ているかなどを考察されておられた所が特に面白かったですね。うちの技解説にも引用させてもらっちゃおうかな……




ちなみに本の中に原作絵は一つも使われていない。

それでも十分面白い本は出来るということ。

原作絵ばっか載せて、漫画読めばだれでも解るようなことばっか羅列してたどこぞの解説書気取りの本だしてた出版社よ!聞いてるか!今年は北斗40周年だぞ!この目出度い年にあんな薄味の本出したりすんじゃねーぞ!



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