蒼天の拳リジェネシス
22話〜24話


2019年11月2日


3ヶ月に1回ペースが丁度いい感じになってきた蒼天リジェ感想です。

しかし自分はチョケたレビューしか出来ない人間なので、こういう作品のレビュー書くのは向いてないんじゃないかな、と思っています。






天斗の大巨人兄弟・シャムライ&コムライとのバトルも佳境に。





未だにどっちがどっちかは覚えられていません。
上白石の萌音と萌歌も判別できません。
マナカナは流石に覚えました。




武器を破壊され、拳法に切り替えた二人は、二世帯住宅サイズの掌手で拳志郎をスマッシュ!ピンポン玉のように吹っ飛ばされて叩きつけられる拳さん。




しかし拳志郎にダメージ無し!じょうぶ!

なぜなら二人の力の源は、絶望と憎しみから生まれた怒りだから!
その怒りから生み出されたかりそめの正義では北斗神拳には通用しないから!

うん、そうなの!?よくわかんないけど!
そういう次元の物理的衝撃力ではない気もするけど!





己のジャスティスを愚弄された二人は怒り心頭。
己達の不退転の覚悟を証明せんと、全身全霊の奥義を繰り出す。







天斗煉獄雙掌!!


黒い!インク多すぎて画面が黒い!
そして相変わらず字画も多い!
ちなみに「雙」は「双」の旧字体です!





全身に闘気を纏いし二人の双掌打。
都合四本の掌が拳志郎を襲う。


しかし拳さん、なんとこれを腕一本でピタリと静止。


ええ……流石にそれは人間やめすぎでは?


……と思ったら、どうやら二人はすでに秘孔で動きを封じられていたらしい。
前回の天破豪活殺は、やっぱり秘孔もちゃんと突いてたようです。
訂正させていただくとともに深くお詫び申し上げます。








動けば動くほど苦痛が増し、肉体が崩壊する……

だが二人はそれでも諦めない。
己が光であるシメオン・ナギットのために。

脅威の精神力で腕を動かし、己のこめかみに指を突き入れる二人。




天斗聖陰拳 禁奥義
天斗拍神功





「神功」

それは神経に直接干渉する秘孔。
北斗にも一切の伝承がされていない、天斗聖陰拳の奥義。






「肉体は死すとも…」
「我らの魂は死なん…!」


動きを封じられ、すでに身体朽ち果てたはずの二人がゆっくりと動き出す。


なるほど……北斗神拳の秘孔は、経絡(気や血の流れる道)を通して信号を送ることで神経に作用させる。しかし神経に直接干渉できれば、秘孔による人体操作の命令に上書きできるということか。

……合ってる?







凄まじい速さで拳志郎とヤサカの身体を捕え、その身体を締め上げるシャムライ&コムライ。

だがここで時間切れ。
肉体が崩れ、血飛沫をあげて斃れる二人。
その血煙の中から現れるはシメオン・ナギットの幻影。

シメちゃん魔導師感すごいな。

でも僕は幼女の演技にコロリと騙されてたアニメ版の君の方が好きだよ!









純粋な二人の少年は、シメオンに心掴まれ、利用された。

だが彼らにはそんな事などどうでも良かった。

地獄から救いあげてくれたシメオンに、表しきれない感謝の思い、そして己たちホレブ族の未来を託し、最期の時を迎えるシャムライとコムライ。

そんな哀しき戦士達を、拳志郎は奥義をもって送り出す。


北斗心崩懺


その優しき一撃は、二人の肉体を光の中へと溶かし、魂を安らかに天へと昇らせたのであった。




凄い絵面だ…


こんなミケランジェロ的な死に方が許されるの、ラスボスだけですよ。


ていうかこの二人、ちょっと濃すぎじゃないですか?
大巨人×2ってだけで十分すぎるアイデンティティなのに、そこから更に悲惨な過去とかアニマル仮面とかトリッキーな武器とか驚異的な粘りとか。ほんで死に様はルネサンスでしょ。ボリューミーすぎでしょ。











長いお見送りが終わった直後、現れたのはボロボロになったハルトであった。


マンディ女医の手引きで地下へと避難したハルトとエリカであったが、なんとその先に待っていたのは、謎の天斗拳士。





その男はマンディと繋がっていた。

そう、彼女はジェネシスのスパイだったのだ!

な、なんだってーっ!!




………まあでも、当然っちゃ当然ですよね。
褐色爆乳美人女医なんて裏切り者に決まってるじゃない。
入れてたのは胸のシリコンじゃなくて腹の一物だったってことよ。







現実を受け止めきれず、マンディに捕らわれたエリカを助けようとするハルト。

果敢にも天斗拳士に挑みかかるハルトであったが、父譲りのシラットは空を切り、逆に強烈なジャンピングトーキックを喰らってしまう。

いやこれ死ぬやつ

何故生きてるんだこの少年ボーイは。



天斗の男は、身軽さを生かした空中殺法が得意そうですね。
マスクや動きからメキシコのルチャリブレを連想しちゃうなあ。
実力は大したことなさそうですけど。少なくとも昇天はしそうにない。








ミガドルパゥアを見せ始めたエリカをお注射で眠らせ、マンディとマスクマンはその場を立ち去った。

しかし気を失う直前、エリカはマンディの瞳に宿る哀しみをみていた。
冷徹なその顔の裏で、マンディの心は泣いていたのだった。


そうともよ。俺は知ってたよ。
褐色爆乳美人女医が悪人のわけがないじゃないの。
何を言ってるんですか。







ハルトからの報告を聞き、怒りに震える拳志郎とヤサカは、早速エリカの救出へと向かうことに。

ダウンフォールを発令して以降ずっとラリっていたゴールマンさんを、強烈ビンタで正気に戻し、エリカの連行された先を問う拳志郎。






行き先は「死霊の街 ハイドラ」

この世とあの世を繋ぐ選別の門、らしい。

なんかタジン鍋みたいな街ですね。








そこには、アニメ版にも登場した核分裂装置の姿が。

そしてエリカを浚ったマンディと天斗の男も程無くハイドラに到着。ここでエリカから設計図を手に入れてミガドルの雷を完成させようと、そういうことですかね。



しかしアニメの時も思ったんですけど、拳志郎とか玉玲が必死になってミガドルの雷(核爆弾)の完成を止めようとしてましたけど、結局この数年後には完成して日本に落とされるわけじゃないですか。折角頑張ったのに、報われないなぁと感じてしまうんですよね。

それならさ、このジェネシスの核開発があったせいでリアルとの差異が生まれて199X年の世界崩壊という未来が訪れた、みたいな設定にしたほうがいいんじゃないかと思うんですよね。北斗の拳エピソードゼロ感が出て良くないすか?

ん?発想がチープ?そうですか……すいません……









風雲急を告げるかのように、ハイドラの傍の火山が噴火をはじめる。

噴石飛び散る中、街へと急がんとする拳志郎とヤサカ。
だがその時、一人の男が現れる。








お、おまえは――――っ!!



おま…… おま……



え、誰?







いや、見た目は間違いなくヒムカこと霞拳心さんなんですけど……







俺の知ってる拳心はこんな哀しい目してない!

世界に絶望して闇の力を纏った男の顔じゃない!







死霊の兵士達の亡骸を集め、一箇所に積み上げた拳心らしき人は、やけにオーバーなアクションで膝をつき、亡者達に祈りを捧げ始めた。


拳志郎
「信心深いねえ」



拳心(?)
「この世に神などいない…」

「だが…死者の魂に貴賎無し」


くぅー!かっちぇー!
今度どっかでパクろ!


しかし台詞からしてますます拳心ぽくないぞ!マジで誰なんだこいつは!
ていうか拳志郎も誰か解ってないみたいじゃん!!

拳心のキャラ設定をいじってきた可能性はあるけど、流石に拳志郎と兄弟弟子だっていう所までは変えてこないと思うんだよなあ。しかし拳志郎は拳心を知らない……どういうことだ?

アニメでは暫く共に修行してたけど、漫画では拳志郎が赤子の時に門下を出たから顔を知らないとか……もしくは拳心が拳志郎に秘孔を突いて己に関する記憶を抹消済とか?謎は深まるばかり。









共に祈りを済ませた後、ただ無言で対峙する二人。

頭上に飛んできた巨大な噴石を、仲良くクロスパンチで粉砕する二人。

ヤサカは完全に空気だ。




拳心(?)
「怒りは己を焼く炎…
 憤怒に身を任せればいずれ…
 大事なものを見失うぞ…」



それアニメ版の自分に言うべきでは?といった感じの台詞を残し、その場を後にする拳心らしき人。

名も素性も解らなかったものの、その男との間に北斗の血の因縁を感じた拳志郎は「奴とはいずれ再び巡り会う」と全読者が知ってる事を口にするのだった。



――――つづく






【総評】

なんかシャム&コムが出てきてから異世界感がエゲツないですね。コールの実験体やモモタロウズの石化の術もかなりのもんでしたが、ここにきて更に超常現象のレベルが上がってきている印象。辻センセは以前からAKIRA好きを公言しておられますし、その趣味嗜好を抑えきれなくなって来ているのかしら?

いや、全然良いんですよ。良いんですけど、どうせならもう「異世界感」じゃなくて本当に異世界行っちゃうなんて展開の方が個人的に好みかな、と。なんでもアリになるから、変に難しく考える必要もないというか。無理なのはわかってるんですけどね。



今回で拳心も登場し、ようやく役者が揃ってきました。しかし現状まだ謎だらけ。ハイドラに着いてもシメオンとの決着はもう少し先かなあ。極十字聖拳の人もあれっきりだし、マンディ女史の謎も出てきたし、まだまだ物語は続きそうです。リアルに蒼天の拳の連載期間(9年)超えてくるんじゃないすかこれ。



しかしその一方で、ちょっと展開がダルい箇所が出てきてる気もします。例えばシャムライ&コムライの死ぬところ。本文で昇天の所に触れましたけど、あのあと更に子供の姿に戻った二人が安らかな顔で死んでもう一回昇天するんですよね。あれはちょっとクドかったかなぁ。ポッと出のキャラの死に様にしてはやりすぎではないかと。
あとゴールマンの死ぬところもそう。秘孔で銃を咥えさせられてから次回に続くってのはキリが悪かった。あんなんバァーンと撃って拳志郎が一言添えて終わりでいいのでは?まあ回の区切りは単行本でガンガン修正されてるので、これも気付いたら編集点が変わってるかもしれませんけどね。


ではまた、3ヵ月後くらいに。


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