世紀末覇者レビュー(2) |
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2015年7月25日(土) |
残念ながら世紀末覇者レビューの続きです。
ゲームの進行具合の方はまだ工程@を終えたばかりだが、この時点で頼りの説明書には本来なされるべき説明が大きく欠けていることを確信した私は、作戦を変えることにした。
もう自己判断でゲームの準備をしよう。
そうとも、一から十まで説明書に頼ろうという心構えがいけないんだ。そんな甘えた考えでいるからゲームが進まないんだ。なんでもかんでも取説の所為にしてちゃいけない。今こそ自立して己を成長させる時じゃないか。ツクダはいつもぼくに大切な事を教えてくれる。
そんなわけで、まず最初はコマの配置から。
前回紹介し忘れていたが、この六角形のマス(ヘックス)が連続した紙が、今回のゲームフィールドとなるボードだ。ボードっていうか神だ。歴代の北斗ボードゲームの中でもダントツのしょぼさである。きっとメタルフィギャーに金を使いすぎたのだろう。
ここに、それぞれが担当するキャラクターのコマを配置して初めてゲームが始まるわけだが、残念ながらこの説明書の中には、
その初期位置の説明はなされていなかった。
なんかもう、慣れた。
で、また説明書を熟読した結果、
「2人のキャラを8ヘックス離して置く」とだけ小さく記述してあったので、それに従い、中央付近に適当に配置することにした。
本当にいいのか?これで・・・激しく不安なんだが・・・・
あるよね、自由度が高すぎると逆にどうしていいのかわからなくなる感じ。
次に記入用紙。
約30枚つづりで入っていたこの用紙に、それぞれが担当するキャラクターの初期ステータスを記入しておく。それだけでなく、ゲームが進む度に順次この紙に進行状況を記入していかねばならない。勿論これも説明書に説明は無い。これを見て察しろということだろう。くぅ〜キビシい!キビシいでやんすよツクダの兄貴!
でまあ例によって面倒臭い計算をしたりしながら書き込んだわけだが・・・
キャラクターレベル、間合、攻撃、防御、パワーレベル、体力は、まあ普通。
鍛え方、体格というのも斬新なステータスで面白い。
各部毎に細かく分類された
耐久力もよしとしよう。
しかし・・・・
防具のステータスとか、要る? しかも
4箇所も。
更に
ランク、防御力、耐久力とか細かく設定する必要ある?
北斗の拳の世界において防具なんてほとんど無意味な存在だろ・・・
むしろ本気の時は自分から脱いでいくぐらいだと思うんだが・・・
では折角なので、この細分化されたステータスについて軽く説明しておこう。
まず
「体力」という項目があるが、これはいわゆる「ヒットポイント」ではない。
どちらかというと、頭、胴、右腕、左腕、右脚、左脚と細かく細分化された
「耐久力」のほうがそれにあたる。そう、このゲームは
体の各部位毎にヒットポイントが存在するのだ。更に上の表の通り、それぞれの箇所を覆っている防具にも耐久力が存在するので、バトル時にプレイヤーはこの
最大12箇所の中から攻撃する箇所を選択することになるのだ。
すげえ・・・すげえこだわりだ・・・・
で、「体力」は何なのかというと、これはキャラクターが行動する度に減っていく
スタミナのようなものであり、攻撃を受けてどうこうなるものではない。ダメージはダメージ、体力は体力とちゃんと線引きがなされているのである。
す、すげえ・・・・!こっちもすげえ!なんてリアル志向だよ!!
ただそのこだわりが絶対良い方に転んでないと確信できるのがまたすげえ!
ま、ともかくこれで事前準備は大体整ったと思うので、説明書本来の手順に戻ろう。
工程Aの
「技選択」。
プレイヤーは、各イニングに入る前、そのイニングで使用する
技を決めねばならない。
まだ相手と出会ってもないのに技を選ぶのか・・・
技は、先日ご紹介した技一覧表の中から選択する。
今回のキャラで言うと、まず
レイは
南斗聖拳の1〜6番の技を使用出来る。
原作・アニメで登場した南斗水鳥拳の技だ。
一方
拳王様は、
北斗神拳27種、南斗聖拳21種・・・・
つまりここに載っている全ての技を使うことができる。
技は一回きりしか使用できないため、当然多いほうが遥かに有利となる。
これもうレイ詰んでる気がするんだが?
技には、
拳、奥義、究極奥義のランク付けがあり、ランクが下の技から順にステップアップしていかないと上位の技は使うことが出来ない。例えばレイで言うなら、まず最初のターンに使用できるのは「拳」or「基本」に属する技である
「南斗水鳥拳」「飛燕流舞」「朱雀展翔」「虎破龍」の4つ。それを一度使用したら次は「奥義」である
「飛翔白麗」が使用可能となり、その後やっと「究極奥義」である
「断己相殺拳」を使えるようになるということだ。
因みに
究極奥義は、全48種の中で
七星点心と
断己相殺拳の2つしかない無想転生は今回は収録されていないので仕方が無いにしても、この二つが入るんなら天破活殺とか天翔十字鳳も究極扱いにしてあげてもいいんじゃないかなぁ・・・
まあそんなわけで、スタートとなる1イニング目は、「拳」しか使うことが出来ないので、レイの方は基本拳法である
南斗水鳥拳、ラオウ様は微妙に惜しい
北斗断骨拳をチョイスした。
次は工程Bの
「闘気発生判定」
双方のキャラクターレベルが18以上で、共に剛の拳であった場合は
闘気が発生し、戦闘に影響を及ぼすらしい。
今回はレイのキャラレベルが15なので、空気は平穏なままでした。
しかし、この闘気に関する説明の一文なんだが
「このゲームでいう闘気とは、キャラクターの体から発するオーラのことではなく、戦闘時にキャラクターから発する闘気による戦闘への影響のことをさします」
この注釈、要る?
もっと他に説明すること沢山あるんじゃない?
よし次! 工程C。
「移動」
あの六角形広がる無機質な荒野を奔ります。やっとなんとなくゲームが始まるね。
移動は、まず例の記入用紙に、自分の移動方法を記入。その後、両者同時に自駒を移動させるというシステムとなっている。相手の動きを見てから自分の行動を決めるという作戦がとれないため、あらかじめ敵の行動を予測しなければならないわけだね。
移動できるのは、自分の駒があるマスに隣接する六方向のマス。ただし、1マス移動するたびに
「行動力」を1つ消費する。しかも前方3方向に移動するには行動力1で済むが、後方3方向には行動力2を消費しなければならない。また、行動力1を消費して、向きを60℃回転させることもできる。
この行動力の数は、最初に選択した技によって決まる。移動ランクがSの技の場合は1、Nは2、Qは3回の行動力が与えられる。今回の場合は、北斗断骨拳のラオウ様はSなので行動力1、南斗水鳥拳を選んだレイはQなので行動力3だ。ただしこのシナリオでは、拳王様は馬に乗っているという扱いなので、どんな技を使おうが移動力は2あるらしい。馬上の不利とは何だったのか。
で、そもそもこのイベントも何も無いフィールドを何の為に彷徨わなければならないのかというと、それは
戦闘を開始するための一点に尽きる。それぞれの移動が終了した時点で、2人が立っているマスが隣接していた場合、戦闘が開始されるのだ。
その時に重要となるのが、
隣接時にキャラの向いている方向だ。コマには「向き」という概念があり、隣接した際に相手の方に正面を向いていた場合は問題ないが、側面や背後を取られていると、戦闘時のステータスが減少するというデメリットを負うのだ。MOTHERシリーズのシンボルエンカウント方式に近い。
・・・・以上が移動時にやることの全てである。
相手の死角に滑り込むこと。それこそがこの移動フェイズにおける最大にして唯一の目的なのだ。他は何も無い。マジで。
しかしまあやる事は少ないとは言え、相手の動きを予想して有利な位置取りを目指すというのは、なかなか戦略性の問われるコク深いシステムのようにも思える。
しかし実際にやってみるとそうでもないことが解る。
何故なら、
有利な体勢に持ち込むことなどまず無理だからだ。
例として、移動力が3のレイが上図のように動き、敵の背後をとれたとする。だが相手側も最低1は移動力があるので、前方に移動していればマスは隣接しないし、正面の向きを60℃変えていれば背後をとられたことにはならない。
なにより問題なのは、この時のレイの向きだ。そう、
ラオウ様の背後をとったは良いが、自らもラオウ様に背を向けた状態になってしまっているのだ。つまり行動力をフルに活かしていいポジションをとっても、相手の方を向きなおすための行動力が残っていないので、結局は二人共に不利な体勢となり、相殺されてしまうのである。
ていうかね、そもそもね、運よく側面とか背後を取れたとしてもね
そこまで大きなアドバンテージでもないんですよ。
わざわざ図まで作って解説しましたけど、そこまで力入れて解説するほど戦況に影響はしないんです。特に今回みたいな戦力差のあるバトルの場合、無条件でレイの方にアドバンテージをあげてもいいくらいなんですよ。それを加えたところで全く戦況には変化ないレベルなんですから。
つか、これ作った人も後書きで言っちゃってるからね。
「移動ボードを使用せずにプレイするのも良いと思います」ってね。
おまえがそれ言っちゃ駄目だろうって。
まあそんなわけで移動計画をたてることになったわけだが、既にこの時点でシステムに辟易していた我々は、どちらから言ったわけでもなく、
二人とも開始と同時に真っ直ぐ正面にダッシュしていた。とにかくまず1回バトルを起こしてゲームを前に進めたかったのだ。
そんな二人の阿吽の呼吸によって、やっと最初のバトルが勃発。
工程D
「戦闘の準備」に入ることができた。
無論、正面からのぶつかりあいなので有利不利など全く無い。
バトルは、まず
「戦闘チット」の準備から始まる。
これがチット。
プレイヤー二人は赤と青に分かれてそれぞれを所有する。
戦闘チットには
「間合」「攻撃」「防御」の3種類がある。だが付属のチット全てを所持できるわけではなく、各々が最初に選択した技によって、所有できる数が決められる。
今回ラオウ様がチョイスした北斗断骨拳のステータスは、間合3、攻撃4、防御4.。これを別紙表に当てはめると、それぞれ間合チット15、攻撃チット9、防御チット7となる。
ではその枚数を用意して・・・・とならないのがツクダホビー。
ここからが面倒臭い。面倒臭すぎるので以下は読まなくて結構です。
チットは、様々な条件によって枚数の調整が行われる。
まず
キャラクター能力による修正。ラオウ様のステータスは、間合5、攻撃6、防御5。これをまた専用の別紙表に当てはめると、間合チット+4、攻撃チット+3、防御チット+2となる。
次に
消費体力による修正。先程説明したとおり、このゲームにおける体力とはスタミナのことであり、1マス移動する度に体力を1消費(ラオウ様を含む体格Lのキャラは2消費)し、戦闘でも1ターン毎に1消費していく。これを常時カウントし、正の字で記入用紙に書き込んでいかねばならない。その体力の減少具合によって、配布されるチットもマイナスされるのだ。今回はまだ殆ど動いていないので増減は無い。
次に
対峙方向による修正。移動の項で触れた、隣接時にどの方向を向いていたかというやつだ。もし相手に側面を取られていた場合、間合チット−2、攻撃チット−1、防御チット−1となる。背後の場合はその倍だ。
そして
馬による修正。もし馬に跨ったまま戦闘が始まってしまった場合、間合チット−2、攻撃チット−1、防御チット−1される。やっぱり馬上は不利だった。
以上の増減を計算すると、
間合・・・17+4±0±0−2=19
攻撃・・・9+3±0±0−1=11
防御・・・7+2±0±0−1=8
となった。
これが今回ラオウ様が所有できる戦闘チットの最終値となる。
覚悟していたとはいえ流石のツクダクオリティ。ブレがない。絶対にプレイヤーに楽などさせやしないぞという強い信念のようなものを感じる。怨念と言ってもいい。
何回も別紙表と照らし合わせねばならないこの作業は本当に辛い。
そして1センチ四方程度の大きさしかない各種チットを、1、2、3、4・・・・とチマチマ数えさせられるのもかなりストレスの溜まる作業だ。
そして何より一番恐ろしいのは、
この作業を1イニング毎にリセットして再計算&再配布しなければならないという事だ。
オラ震えがとまんねぇぞ。
これが終わると
イニシアティブ判定へ。ムツカシイ事いってますが要は先行決めね。
方法はサイコロを1個振った出た目・・・・・に
キャラクターレベルによる修正と、
対峙方向による修正と、
移動方法(馬)による修正と、
前回のバトル内容による修正を行い、数の大きいほうが先行となる。
もういいだろ・・・・・サイコロだけでいいだろ・・・・・・
いや順番なんかジャンケンで十分だろ・・・・・・
ていうかラオウ様とレイのレベル差7もあるんだから、サイコロの目なんかほぼ関係なくラオウ様先行になるじゃねーかよ・・・・・圧倒的にステータス負けてんだから先行くらい譲ってやれよ・・・・
なんで戦闘準備だけでこんなに疲れるんだよ・・・・
だがしかし、やっとたどり着きましたよ。
工程E
「戦闘」。遂にバトル開始でございます。
※画像はイメージです
思ったより長くなってしまったので分割します。