世紀末覇者レビュー(1) |
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2015年7月20日(月) |
16年も北斗西斗を続けてこられたのは、ただそれが楽しかったからに他ありません。
ただ今回、私がこのサイトを続けていく意義に初めて疑問を感じました。
なんでひとつのレビューを書くのにここまで苦しまなければならないのだろう・・・と。
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第12弾 |
北斗の拳 世紀末覇者 |
劇場版北斗のイメージ画を背景に、タイトルだけをドスンと置いたこの無骨な感じ。
俺は以前、この感覚をどこかで味わったことがある。
そう、
ツクダホビーの再来である。社名を聞いた時点でメランコリーになるあれだ。
参照:ツクダホビーSLG 北斗の拳レビュー
必殺技を一回出すために4工程ほど踏まされるといったような数々のキチガイルールによって激しい精神攻撃を受け、僅か1ターンプレイしただけで放り投げてしまった前作。
そのれっきとした続編である今作にも同様の恐怖を覚えずにいられない。
だが箱をあけた瞬間、その警戒心は緩やかに解かれた。
私の目に飛び込んできたのは、ミニマムな
メタルフィギャーであった。
実にツクダらしからぬこの激シブアイテムに思わず顔が綻ぶ。
こちらが長兄を除く北斗兄弟三名。中々の出来栄えだ。
おそらく盤上で使う駒なのだろうが、その程度のものにここまで拘るとは。
ジャギの直立が若干らしくない感じはするが。
こちらは左からレイ、シン、サウザー。
高さ2cm弱くらいのミニマムサイズだが、ズッシリとした重量があるため、安定性は抜群。
ポーズも中々いいね。特にサウザーのはイチゴのおかげで見慣れた感じするね。
何故か拳王様だけ二種。
黒王号がちっちゃくてポニーみたいだ。ポニ王号。
ユダ、シュウ、リュウケン。以上十名。
それぞれ印象的なコマのポーズをチョイスされているのがいいよね。
ただ横から見ると悲しくなる程にキャシャリン。
体が出来上がってない中学生くらいの厚みしかない。
足首に至っては画鋲の針くらいの太さしかなく、実際トキとシュウは届いた時点で両足とも潘光琳状態となっていた。
これを製作されたのは伊藤宏之氏なる方で、
ご自身のホームページの作品リストにも残っておりました。
お次はみんな大好き
キャラクター能力値表を見てみよう。
11名のキャラクターの各ステータスの一覧表。これらのデータがどのようにゲームに関わってくるのかはまだ不明だが、この数字を眺めてるだけで十分楽しいね。もしかしたら実際にゲームするより面白いんじゃないかな。もう、やらなくていいんじゃないかな。
注目すべきは真ん中辺りにある
CL(キャラクターレベル)。これは、間合・攻撃・防御・パワーを足した値であり、つまりこれが、
ツクダホビーが採点した北斗キャラの総合力といったところだろう。
ケンシロウ、ラオウ様、トキが、キャラクターレベル
22で同率トップ。順当。
その次が
リュウケンの20。次いで
初期ケンシロウ(シン〜アミバ期)の19。
その次が、
サウザーと、伝承者決定時ラオウ様の18となっている。
・・・どっちも評価低すぎだろ。第一話時点のケンよりも弱いって・・・・ねぇ。
最下位は仲良く
ジャギとアミバの8。各ステータスも全く一緒だ。仲いいなおまえら。
しかしこのレベル8のジャギは修行時のものであり、本編登場時のジャギのレベルは
10なので、
実質アミバの単独最下位である。
尚、カンの鋭い人はもうお気付きかもしれないが、
アミバだけメタルフィギュアが無い。
ゲームの前所持者が紛失したか、はたまた総合最下位によるペナルティなのかとも思ったが、そうではなかった。
アミバなど所詮
に過ぎない。
"本物とほぼ外見一緒の偽者野郎の駒などわざわざ作る必要はなかろう。"
そう判断したツクダホビーが下したのは
「(アミバの駒は)トキのを代用して下さい」
というあまにりも非情な経費削減策であった。
まあアミバ当人にしてみれば益々本物に近づけたようで悪い気はしないかもしれないが。
続いてこちらは前作にもあった
技一覧表。
ふむふむ、あいかわらず北斗飛衛拳、南斗飛燕斬、朱雀展翔等といったアニオリ技が紛れ込んでいますね。アニメ派としては嬉しいところ。
やっぱり数字の意味は解らないが、「威力」の数値が、北斗神拳奥義で最高5までしか無いのに対し、断己相殺拳や天翔十字鳳は6まであるといった独特のツクダ査定が面白い。
あと、何故か南斗の奥義の中で朱雀展翔にだけ秘孔の数値が付加されてるのは何故なんだろうと考えたのだが、おそらくその下の虎破龍と列を間違えただけという結論に至りました。
今回は
秘孔表もありました。
「必要秘孔ダメージ力」とかいうよくわからん項目があるけど、どうやら秘孔の破壊力を参考にした数値みたいね。最も破壊力の高い秘孔である人中極が8×2の16と一番高いし。しかし定神とか建明とかいう治療秘孔も混じってるってのはどういうことなんだ。数値もゼロだし。ハズレって事なのかな。ちょっと楽しみになってきたぞ。
PCで漢字が出ない新たん中を無理矢理出そうとしてるのが涙ぐましい。
ただ、ここまで頑張ったくせに思いっきり間違ってるってどういうことやねん。
(正しくは壇の土へんを月にしたもの)
―――――というわけで楽しい楽しい付属品紹介はここまで。
いよいよゲーム本編の紹介へと足を踏み入れていかねばならない。
ただ勘違いしてもらいたくないのは、別にこのゲームで遊ぶことが嫌なのではない。
クソシステムであればあるほどネタにしやすいし、それはむしろかかってこい状態だ。
私が真に恐れているもの。それは
説明書の不親切さにつきる。
これが世紀末覇者の説明書。
ボードゲームの取説とは思えぬ文字量である。とても読もうという気が起きない。
対象年齢は15歳以上となっているが、36のおっさんでも厳しい。
一方、こちらが先日レビューした
カサンドラ伝説の説明書。パッと見でもその歴然たる差がわかってもらえるかと思う。2色カラーでイラストもふんだんに使用し、実に簡潔明瞭な説明がなされている。
ていうか本来はこれが普通だ。
ちなみにツクダの前作の説明書も、今回のと同様の文字だらけであった。その難解さに加えて、洒落にならない箇所での誤字脱字が頻発していたため、ルールを理解するのに相当な時間を費やされる羽目になったのだ。
それでも前作の説明書は
5ページで纏められていたので耐えることができた。
しかし今回のはなんと大ボリュームの
16ページ。
これはそう、若き日に幾度も味合わされた、苦手科目の試験前日のような陰鬱さ・・・・。ページをめくる前から、この内容を理解する為に浪費する時間と労力を想像し、気が触れて笑いがこみ上げてくるほどの絶望感だ。
ただここで私がいくら叫ぼうとも、その絶望感は伝わらないであろう。
「難解と言ってもたかが16ページじゃないか」とか「ゲームをしながら遊べばすぐ理解できるはずだ」と、そう思われるに違いない。
だがコイツにはそういった常識は一切通用しない。
読んでも読んでも一向に理解できない・・・本当にこれは日本人に向けて作られたものなのか?これを一度でも誰かにテストプレイしてもらったのか?文字を追う毎に得られるのは、ルールに関する知識ではなく、製作側への怒りしかない。
実際このゲームのレビューを書くために労した時間の9割8分は、取説とのにらめっこであった。もう本当にわからなすぎて、
要点を別紙に纏めて、終った箇所はマジックで消していくっていう作業までしたくらいだ。生まれて初めてだよ。取説をコピー機にかけたの。しかもその苦行の果てに待っているのが御褒美ではなく、ツクダホビーのゲームをプレイする権利という罰ゲームっいうのが更にやる気をそぐよね。こんなん地獄以外の何物でもないですよ。思えば無駄なエネルギーですよ。
まあここでいくら吼えてても伝わらないので、皆様にもその一端を御覧いただこう。
説明書を開くと、まず目次があって、次に付属品の紹介。
そしてゲームの進行についての説明が書かれている。
ここまではいい。ここまでは普通。
まず最初に行うのは、工程@
「死兆星フェイズ」。
各プレイヤーは、自キャラが死兆星が見えるのかどうかを判定しなければならない。
その判定方法は、
@双方のキャラクターレベルを求め、
Aその差の数値を表に当てはめて「死兆星ポイント」をはじきだし
Bサイコロを二回振って出た目の合計がその数値を下回れば死兆星が見える
という事らしい。
たった
3工程で済むとは・・・ツクダにしては親切な仕様だわ。
それでは早速判定に・・・・・・
ん?あれ?
自分のキャラクター・・・・・って言われてもまだ何も決めて無いぞ?
まずどうやって自キャラ選ぶの?その説明が無いと判定もクソもなくね?
どこにも書いてないんだけど?
ていうかそもそも
どういうゲームなのかの説明がないんだけど?
いやまあ大体はわかるよ。二人がバトって相手倒したら勝ちなんでしょ?
わかるけどさ、それでも一応説明はいるじゃん。最低限のマナーじゃん。
そんな説明全部ふっとばしていきなり「死兆星判定!」って言われても困るじゃん。
さすがの死兆星さんだって対象が誰かもわからないのに煌けるわけないじゃん。
・・・とは言っても今の私に出来ることは取説様の仰ることに従うことのみ。
仕方が無いので、まずはこの広大な取説文字群の中から、マイキャラの決定方法に関するヒントとなる記述を探すことに。冒頭からのとんでもない大停滞に早くも心が折れそうになる。
だがその答えはあまりにも意外なところから発見された。
それは
説明書の最後にある、ゲームデザイナーの後書の中であった。
何故そんなとこに書いた!?
デザイナーさんのご意見によると、「シナリオに従ってプレイするのが基本だが、カードを裏向けて抽選でキャラを選んでもいいよ」とのことらしい。
シナリオ・・・?確かそんなのも載ってたな。原作の各バトルを順に列記したものが。そのシナリオに準じて2人のキャラを選ぶということか。・・・うん、でもそのシナリオも10以上あるんだけど、それは自由に選んでいいのかな?どっちがどっちを担当するか決めるのはどうやんの?結局その説明はないんだけど?
これ以上悩んでも無駄だと判断し、プレイするシナリオは勝手にチョイス。
今回は
「死闘8 凶星炸裂」を選んだ。
早い話がマミヤの村での
ラオウ様vs
レイのバトルだ。
因みに今回は助っ人として、友人を召喚してプレイしている。京大の院まで出た男だ。
その男をもってしても全く説明書の意味が解らなかったのだから、単に私がアホで理解できないだけという推察はやめていただきたい。
というわけで私がラオウ様、友人がレイを担当して進めていくことにする。
さて・・・えーと何だっけ、そうそう、死兆星の判定だ。
まずは
「@双方のキャラクターレベルを求める」。
キャラクターレベルってのは先程キャラクター能力表の紹介の中で紹介した「CL」の事。間合・攻撃・防御・パワーを足した値の事です。ただこれも説明書の相当後ろのほうにサラッと書かれているため、実際にこの数値を求める方法を調べるまでに20分は要した。何故後ろに書くんだ。何故なんだ。
ラオウ様のレベルが22、レイのレベルが15なのでその差7。
死兆星ポイント表によると、レベルが+7のラオウ様はサイコロ2回振って2以上、−7のレイは8以上を出せば死兆星点灯を回避できるらしい。2回振って2以上って100%なんだが、もう面倒臭いのでツッコまない。
結果、二人とも指定の数字を上回り、今回は死兆星煌かずということになった。
ふむふむ・・・・ところで、もし死兆星点灯ならどんなペナルティが課せられていたのだろうか。そう思いながら次の項目を読んだところ、そこには信じがたい一文が記されていた。
この死兆星判定は、ゲームの開始時に1回のみ行います。
また、この判定は行わなくてもかまいません。
死兆星が見えても、見えなくとも戦闘には影響あまりせん。 |
は?
行わなくて・・・え、いいの? 影響・・・ないの?
じゃあなんで判定させたの?
俺が費やしたこの一時間半は何だったの?
しかし
「影響あまりせん」という誤字から判断するに、もしかしてこれは「"あまり"影響ありません」の打ち間違いであり、多少は何か影響はしてるんじゃないか、流石に全く進行に関係ないものをポイント表まで作って判定させたりする筈が無い、と思い、もう一度説明書を隅々まで目を通して見たが、
その後の文字群の中に一片たりとも「死兆星」の文字は無かった。
本当にゲームに全く関係ないでやんの。
-続かないかも-