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ツクダホビー
シミュレーションゲーム
北斗の拳 レビュー


筆:2013/3/17





ボロいのではない。
味だ。味があるのだ。



80年代にツクダホビーより発売されたボードゲーム。
よく内容を理解しないままヤフオクで入札したので、詳細も不明。
というか普通、もうちょい箱に説明書きとかあるよね。
こんなナニかすらわからんもん、店頭で見て買おうと思うのだろうか。
ボクは買います。




●紹介編


箱を開けてまず目を引くのは
このキャラクターシート



北斗の拳の主なキャラクターの画像(アニメ絵基準のヘタクソ気味な絵)と、「攻撃」「防御」といったステータスらしき数値が事細かに記された、全17枚のシートだ。

相当昔に発売された物であると思われるのに、シンの流派が南斗弧鷲拳と記載されているというのはかなり貴重なのではないかと思われる。
正確には南斗鷲拳だが。





何故かケンさんだけ3パターン用意されていた。
あからさまな主人公優待。



左から順に1、2、3タイプとなっているのだが、
ビジュアル的に2と3が逆だと思う。




続いてはこの圧巻の枚数を誇る大量のカード。




なんかちょっと裕福な気分になるほどの豊漁に心も躍るが




裏面は、透き通るような白地に「突 き」などの必要最低限の文字だけが書かれただけの無機質極まりないブツであった。
もうちょい色気出してくれても良いのに・・・






そして最も興味を引かれたのがこの技チャート




北斗神拳、南斗聖拳、特殊流派の三種の紙があって、それぞれにビッシリと技名が書かれているといる。奥義マニアである私のイチモツはマキシマムでございますよ。

お、北斗飛衛拳、伝衝裂波、南斗千首龍撃なんてアニオリ技も入ってますね!

ん? 北斗十字撃なんてのもあるぞ! 北斗十字斬のミスか!?

あっ!よく見たら北斗七星拳まであるじゃないか!
ケンの意識が高揚して七つの傷が赤く浮き上がった時に無意識に発せられるという、幻の秘奥義じゃないですか!しかもこの北斗神拳奥義のラインナップの中で最高の威力を誇るだなんて!!北斗の拳2(FC)のオリジナル如きが何故こんなに優遇されているのだ!?



・・・・あっ もしかして・・・



ペロ・・・

やはり東映動画が関わっていたか・・・







●把握編

よし、それじゃあ次は実践あるのみ。
まずはルールを理解しよう。






・・・・と思い説明書を読み始めて30分。


全然解らん





なんだっ・・・・!これはっ・・・・!
当時のお子様は天才ばっかりか!?
いやまあ年代的に儂もその1人なんだが。



まず、本来付属されているはずの20面体サイコロと6面体サイコロが影も形も無いというのはまあいいだろう。無くてもなんとかなると思う。
しかし説明書の中に頻繁に出てくる10面体サイコロの存在はなんなんだ。
実際に入っていたのが20面体なのか?それとも10面体の方なのか?
それとも両方入っていたのか?
実物がここにないから判断しようがねえ!



また、サイコロには黒と白の2種類があるという。
白の20面体サイコロの数が1の位
黒の20面体サイコロの数が
20の位
なんだそうな。

20の位ってなに!?

これどこで習う数学?
義務教育課程のなかで出てくる?




この謎だらけの説明書を独自に解読してみた結果、どうやら20面体には1〜20ではなく、0〜9が二つずつ刻まれているらしいことが判明。また、20の位というのは10の位の間違いであろうという結論に至った。

10と20を何回間違うねん。

ゲームが難解なのは仕方が無いにしても
それならせめて正確な説明をお願いします・・・



あと難解ついでに言わせて貰うけどさ
「00」を「100」扱いにするなら説明してね。
「01〜00まで」っていう記述を理解するのに10分費やしたよ。




まあそんな感じで、解らないなりにザッと流して読んでみた結果、ある程度までは理解できましたので、実際にやってその魅力をお伝えしたいと思います。




●実践編

説明書によると「5〜7人でやるのが一番楽しい」と書いてあるが、こんなもんをノリノリで一緒にプレイしてくれる友人などいないので、勿論1人でやる。
1人で4人分やる。



まずはカードを引いて、4人の持ちキャラを決める。

せーの

アミバ! 牙大王! トキ! ケンシロウver3!



・・・変に偏ったのでもう一回!

サウザー! ジャギ! 牙大王! ケンシロウver1!

よし。イイかんじにバラけたぞ。
これでいってみよう。





次はステータスを決めるぞ。

各キャラの性能は、サイコロの目によって変動する。
紛失中のサイコロはWEBサイコロを使って補うとしよう。


まずはサウザーから。
えいっ 91!

ふむ、表によると71〜00の場合は最低値が与えられるようだ。
数字が大きいほど低い性能になるらしい。ややこしいな。



・・・えっ、というかちょっと待って。
この1回で攻撃、防御、必殺技成功値、精神力の4つが決定なの?
しかもいずれも最低値?

せめて「低攻撃」だけど「高防御」みたいにバランス調整したほうが・・・
スタート時点で基本性能に差がありすぎたらやる気出ねーと思うし・・・





その後、何度かサイコロを振って体力、技術ポイントも決定。
ちなみに体力も最低保障値の20(+5)であった。
イチゴ味ばりに運の無い聖帝様である。



同様に他キャラもサイコロを振って、全ての初期ステータスが決定した。

攻撃Lv 防御Lv 成功値 精神力 体力P 技術P
サウザー 5
5 南斗-5
北斗-6
10 7 25 33
ジャギ 4 南3 4 南3 8 5 20 7
牙大王 6 6 10 8 37 21
ケンシロウ 7 7 12 9 32 20

ジャギ弱!!
明らかに他の面子よりステータス低い!
技術ポイント(必殺技を使える度数)にいたっては一桁少ないし!
ホントにバランス調整した?



なお、サウザーやジャギのステータスの中には、状況によって数値が変動するっぽい感じの記述がなされてますが、おそらくこれは「キャラクターシート」なるものに詳細が載っていると思われます
ただしこれも紛失しているので全くわかりません。
見たいぞ!キャラクターシート!







さてこれで準備完了・・・・とはいかない。

次はそれぞれに拳法カードを5枚ずつ配ります。
先に紹介した「突き」「受け」とか書いてあるあれです。

このカードを提示したり山から引いたりしながらゲームが進行する。
書いてる数字は攻撃レベルで、高いほど良いらしい。



で、配った結果がこちら。

サウザー  蹴り[3] 流し[1] 受け[1] 受け[1] 受け[1]
ジャギ  突き[3] 突き[1] 受け[4] 受け[4] 受け[2]
牙大王  蹴り[5] 蹴り[4] 蹴り[4] 受け[4] 受け[3]
ケンシロウ  突き[1] 突き[1] 蹴り[2] 蹴り[1] 流し[1]

ここもけっこう格差が出たな・・・
サウザーとケンさん、1ばっかりやん。




尚、攻撃カードには「突き」「蹴り」の2種、
防御カードには「受け」「流し」の2種が存在する。

2種・・・・あるのだが、それぞれどう違うのかという説明はどこにも記されていないので、おそらく意味は無いものと推測される。
なぜ無駄にややこしくするのか。






これでやっと準備完了。
さ、ゲームスタートだ。

まずは順番を決めよう。
ちなみにターンごとに順番は変わるらしいので、何回もやることになる。


サイコロの結果、牙大王が先行に。




プレイヤーはまず

「攻撃 」
「様子を見る」
「間合いをとる」


の中から、自分の行動を選択する。
始まったばかりだし、普通に攻撃からいきましょうかね。



攻撃対象は自由に選べるので、性能1位のケンシロウを狙おう。
使用するカードは「蹴り[4]」で。

それに対しケンシロウは、防御を行わねばならない。
ケンの防御カードは「流し[1]」しかないので、必然的にこれをチョイス。

牙大王の攻撃カードレベルが、ケンの防御レベルが1。
このレベル差である「3」と、このあとに牙大王が振るサイコロの出目を「通常技攻撃判定表」に当てはめることで、与ダメージが決定されるのだ。

6面体サイコロを2個振っての合計値は
そしてレベル差は+3
この結果、導き出された今回のダメージは・・・・






 1



ええ!?

6面サイコロ2個で9ってまあまあ大きいほうだろ?
でもってレベル差3も結構大きいほうじゃないの?
それでダメージ1?



これ、終わるのに何時間かかんの・・・?






お次はサウザーのターン。
地味にイラストがひどい。




サウザーが持っている攻撃カードは「蹴り[3]」のみ。
なので、これを使って攻撃を・・・



ん?
いや、ちょっと待てよ



流派のところに北斗って書いてあるな。
どうやらこのカードは南斗の者には使用不可のカードであるらしい。
まだなにもしてないのに鳳凰は既に飛ばず状態というわけだ。


仕方ないので、ここは「様子を見る」を選択。
これを選ぶと、手持ちのカード交換する事ができる。

結果、レベル5の防御が2枚も来た。
さすがディフェンスに定評のある聖帝様だ。






次はケンシロウの番。
よりによって一番似顔絵が下手糞なタイプ1。




定石どおり、眼下の敵である牙大王に攻撃することにする。
今のところジャギは完全に空気だ。



先程使用した防御カードに変わり、新たに山から「突き[3]」をドローしていたので、これを使って必殺技を繰り出すことにする。


ここで登場するのが技チャート表。

例の20面体サイコロ×2によって二桁の数字を決定し、それをこのシートの左側にある数字にあてはめることで、使用する奥義を決定する。ただしその際、奥義に応じた技術ポイントが消費され、もし残り技術ポイントが足りなかった場合は不発となる。

要するに開始時点で技術ポイント7しかないジャギは、1回も強い奥義を使うことができないということだ。






なにがでるかな なにがでるかな

……78!

78は・・・交首破顔拳だね!


その威力は・・・・・・ダメージ35!
さっきの通常攻撃(1ダメ)は何だったのか!?



このまま無防備に必殺技を受けると、牙大王は一気に瀕死になる。
なので彼もまた必殺技を使って防御しなければならない。

ここの説明がえらく大雑把なのでよくわからんのだが・・・どうやら防御側も同じようにチャート表を参考にしてサイコロを振り、「防御するための必殺技」を選ぶらしい。

そりゃ! 83!
特殊派83は・・・華山群狼拳!
牙大王で華山群狼拳!ちょっと惜しい!


とは言っても、防御側の技には然程意味は無い。
技が確定した時点で、ダメージは無条件で半減されるからだ。
それでも35の半分の18(切り上げ)はダメージ食らう。
これ通常攻撃する意味あんのかよ・・・





しかしこれで終わりではない。
この後、攻撃側は、この必殺技を命中させねばならない。

上にあるステータス表からも解るとおり、各キャラには「必殺技成功値」というものが用意されている。必殺技を使用したものは、この数値に、双方が使用した奥義に付加されている修正値をプラスorマイナスし、この数値以下のサイの目を出さなければ、技は命中しないのだ。



一回の攻撃成立させるためだけに何工程踏ますねん・・・・




まあやらないと先に進まないので、計算しよう。

ケンシロウの必殺技成功値は12
これに奥義の修正値(交首破顔拳:-1/華山群狼拳:±0)を加えると11



最高出目20のサイコロで、11以下を出す・・・
ほぼ五分五分じゃねーか!!

サイコロの偶数奇数とかで決めろよもう!



結果は8+3の11という、ギリギリの値でクリア("以下"なので大丈夫)
どうにか牙大王に18ダメージを与えることができた。
手間はかかったものの、このダメージは大きい。
意外と早く終わるかもしれん。散髪予約に間に合いそうだ。






ファーストターン
最後はジャギ

とりあえず必殺技がパないので、ジャギもそれでいこう。
技術ポイントの少なさが若干気になるが・・・



ここは原作設定を優先し、ケンシロウに狙いを定めよう。

出た目は・・・18! 北斗虚無指弾!

技術ポイントは足りたが・・・なんとこれ、ダメージ無しの特殊技!!
これが成功すると、3ターン間、4レベル以下のカードが使用不能になるらしいのだが、貴重な技術ポイントの4/7を使用してまで出す技じゃねえ!!



まあ出たものは仕方が無い。さっさとケン側の防御技を決めて、命中かどうかの判定を―――といきたい所だが、ここでさらに工程が1つ追加された。

今度はジャギが技を出せるかどうかの判定をしろという。



ジャギの攻撃レベル(北斗)は4.
対して北斗虚無指弾の攻撃レベルは6

攻撃レベルが、繰り出す技のレベルに達していない場合、『精神力チェック』というものを行い、これをクリアせねば技は出せないのだという。


技と攻撃レベルの差は2。

それを自身の精神力ポイント(5)から引くと

ジャギは6面サイコロを2個振って、この3以下の数値を出さねば技は出すことができないのだという。








えーと・・・・工程をまとめると・・・・


まずサイコロで必殺技を決めて


相手もサイコロで防御必殺技を決めて


レベルが足りなきゃサイコロで「技が出るかどうか」を決めて


そしてサイコロで「技が命中するかどうか」を決めて


それでやっと必殺技成立、と。


これで1ターンて事かぁ。


成程〜〜〜〜





















中古なのに未使用な時点でオカシイと思ったんだよ。
前の持ち主が一回も遊んでないって証拠だもん。



1ゲーム終了までやろうかと思ったけど、もう気力的に無理です。
誰が勝ったか負けたかでいうなら、私の負けということで結構です。
以上、レビュー終わり。




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