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エドモンド・ヘッケラー



登場:第137〜158話
肩書:国府軍軍事顧問・ドイツ国防軍大佐

 国府軍軍事顧問にしてドイツ国防軍大佐。ドイツの最新兵器を扱う武器商人としての顔を持つ。
 「希望の目録を手に入れるため」という表向きの理由で、ドイツにいた劉宗武上海へ召喚。だがその真の目的は、和平を唱える者達を暗殺させる事であり、それによって戦争を長引かせ、ドイツの最新兵器を世界中に売りさばこうと画策した。

 しかしその後、上客である杜天風からの依頼を受け、宗武の暗殺を決行。部下達に自宅を取り囲ませ、四方八方から銃を乱射した。その後、血まみれで斃れる宗武の姿を確認するが、それがワインによる偽装であることに気付かず、近付いた瞬間に指で貫かれて死亡した。



 名前の元ネタは、ドイツの銃器メーカーである「ヘッケラー&コッホ」の創設者の一人であるエドムント・ヘッケラーだと思われる。というかこの名前をアメリカ読みしたらズバリ、エドモンド・ヘッケラーになるので、そのまんまだ。

 利害が一致しているからとはいえ、こんな金しか頭に男と協力体制を築いているというのが、初登場時の宗武の情けない現状を表わしている。しかも協力と言ってもどっちかというと良い様に使われている印象の方が強いし。そもそも宗武が「北斗劉家拳をもって歴史を弄ぶ」という遊びを始めたのは、ハンス・ゼークトから持ちかけられた欧州列強の英雄達の暗殺計画を面白いと感じたからだ。で、その過程の中でヒトラーのヘボさを目にし、天は戦乱を望んでいるとして平和をもたらす者達を殺してまわる道を選んだ。そして実際その和平の使者である鮫島を殺したわけだが、獲物を目の前にした宗武の目は虚無に包まれていたという。自らの行いが空しき事だと知っていたのだ。おそらくヘッケラーから暗殺依頼を出されていなければ、自ら動いて暗殺など行っていなかっただろう。つまり宗武は、自らの意思で和平派を殺していたつもりが、実はただ目的を喪失していただけであり、そこをヘッケラーが上手く利用していただけなのだ。歴史上でもここまで北斗の男を傀儡として扱った男は他にいないかもしれない。ある意味恐ろしい男である。そして死ぬ間際、ヘッケラーは自分がいかに恐ろしい男を操っていたかのかを実感したことだろう。