TOP

李散
りさん



登場:第74話
肩書:無敗の拳仙
流派:?

 無敗の拳仙と呼ばれる男。張太炎無影脚を直伝した。かつて霞鉄心と戦い、生涯唯一の遅れをとったとされている。




 何モンなんでしょうねこの人。よくわからんけど、張太炎が弟子入りしてるってことは、その当時の太炎よりは強かったと考えてよいのだろう。鉄心には遅れをとったみたいだが、北斗神拳伝承者は流石に相手が悪いし、そこまで力量差があったわけでもないようだ。北斗蒼天全キャラの中でも、北斗南斗元斗の拳士を除けば一番強い人物かもわからない。

 彼が張太炎に伝えたとされる無影脚は、李連杰らが黄飛鴻を演じた「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズに登場した技として有名だ。しかし実際の無影脚はワンアポのような空中連続蹴りではなく、脚の影が見えない程の高速蹴りである。もっと正確に言えば、腕による上段攻撃の最中に一瞬の隙を突いて繰り出す高速の下段蹴りだ。腕の攻撃に意識を集中させ、完全に死角となった下段から繰り出すことで、相手は攻撃を喰らうその瞬間まで蹴りを認識できないことから、無影脚と呼ばれているのである。張太炎の無影脚もまさにそれであった。爆龍陽炎突に意識を向けさせられた拳志郎は、見事なまでに次の無影脚をモロに喰らっていた。爆龍陽炎突の構えが異常に手を上段に掲げるのも、より下方を死角にするための布石なのだろう。

 流石は無敗を誇った男の秘拳―――と言いたい所であるが、やはりこれが通用するのは常人レベルまで。瞬時に繰り出される蹴りは、速度は速くても威力には欠ける。少なくとも北斗神拳伝承者に決定的なダメージを与えるには至らなかったということだ。そこで張太炎は、無影脚にアレンジを加えた幻夢百奇脚を創作したわけだが、それはもう無影脚のミソである「意識の外からの蹴り」ではなく、単に軌道の不規則な連続蹴りであり、案の定拳志郎にすぐ弱点を見破られていた。これは、自らの身体能力をもってすれば不意を突くことなど不要だと考えた張太炎の驕りが生んだ結果であろう。彼がすべきだったのは、無影脚の威力をより磨くこと。そして無影脚を喰らわせた直後の隙を突き、一気に勝負を決めてしまう戦術だったのだ。李散もさ、鉄心と闘ったんならそのへんのとこちゃんと教えてあげればよかったのにね。ついでに雷暴神脚で負けたのなら、その存在も太炎に伝えておいてあげなよ。まあ、敗北もいい薬になると思ってあえて、なのかもしれないが。