TOP

レコードレビュー

筆:2014/8/28〜



数ある北斗の拳のレコードの中でもわりかしレアな2つを御紹介。
まずはこちら



【北斗の拳 第一部 ドラマ総集編】



85年6月にキャニオンレコードより発売されたLP盤。\2,500也。
アニメ第一部(KING編)の要所をつまんで再編集したものが収録されている。






裏面。
シン、表紙で殴られ裏で死んで、大変だね。
手下の皆さんの顔も心なしか険しい



しかしなんか違和感あるなーと思ったら、
何故か絵が左右反転されていた。

←実際の映像





以下内面。

 

オープニング映像をアニメフィルム風に並べたこのデザインが良いね。
ただレイが映ってるってことは風雲龍虎編になってからのバージョンだから、レコードの中身とは一致して無いよね。





 

内面2。歌詞とか。
中央の南斗虐指葬のシーンが、アニメ版と違うね。なんだろこれ。



←アニメ版



※マーサン殿からの情報で、22話のカットであることが判明しました





 

内面3。アニオリ奥義がたくさん!
ただ、収録されているドラマには一切登場しません。画像はイメージです。






ブツ。
レコードの音質の魅力とかはようわからんのですが、円盤の厚み、重量感、そしてこの艶やかな黒は凄く魅力的ですよね。雑い私ですら丁寧に扱わざるを得ないフォルム。




収録されている内容ですが

A面
・「愛をとりもどせ!!」フル
・アニメ第1話
・アニメ第5話
の三本。

これ全部をLP片面(最大30分位)には収められないので、当然編集されている。

1話からは、Zのヒャッホーとか、偵察隊の件、百裂拳後のシーンがカット。

5話は、七つの傷つける回想の後はシンが捨てた城にケンシロウが乗り込んでいくというアニオリストーリーなのだが、城内を途中まで進んだところで終っていた。
具体的に言うとジョーカーの出番が来た瞬間終了していた。
なんでや!



B面
・アニメ第17話
・アニメ第22話
・「ユリア……永遠に」フル

の三本。

17話ってのはいわゆる総集編でして、最初にKINGの軍団がサザンクロスに召集されるところから始まるんですね。で、軍団がひとつやってくるたびに「テテテテテテテテテテテテ テーテーーーテーテーーーテーーーーーーーー」ってBGMが流れるんですけど、軍団名とか全部テロップでの紹介だから、音だけじゃ全く意味不明なのよね。何故これをカットしない。

で、この回はシンが大軍団を鼓舞したところで終わっていた。
具体的に言うとジョーカーの出番が来た瞬間終了していた。
なんでや!


22話(シンとの対決)は、サラダバーまでほぼ全部入ってました。


レコードだけのオリジナル要素が無かったのは残念だが、ドラマとしてはなかなか上手い具合に編集されてたと思う。ただ5話の城に突入するくだりは要らなかったんじゃないかな。「シン!どこだー!」っていうすげえ中途半端な所で終っちゃうし。アニメ見てない人にしたら本当にどこいったんだよって感じになるよね。







【劇場用長編アニメーション北斗の拳
 ドラマ編 オリジナルサウンドトラック】





86年にキャニオンレコードより発売されたLP盤。
2枚組なのでお値段少し高めの\3,800也。
こちらには「劇場版北斗の拳」の音源が収録されている。




裏面。
集合絵の少ない北斗の拳においてこれだけ集まってる一枚は貴重かもしれん。
ただ5名ほど劇場版に登場して無い奴等が混じっていますね。




内面には奥義集。


実は私がこれを買おうと思ったのは、これ目当てなんですよね。
以前、七つの星の記憶・・・さんのブログ「僕ら、原哲夫先生の子!!」でこのレコードの紹介記事を拝見した際に、ここに載っている




この"北斗四連弾"がすげえ気になってね!
奥義マニアとして!


これは原作44話やアニメ32話のタイトルにもある「怒拳四連弾」の事だろう。
ケンシロウがジャギに対し、シン、ユリア、マコアキ、自分の4つの怒りをぶつけた一連の攻撃を称したものだ。レイ?アイリ?誰それ?

文字だけを見るとそういう名前の奥義のようにも思えるが、4つの攻撃に特につながりも無く、間に醒鋭孔を使ったり矢をぶっ指したりしているので、一個の技として扱うのは違うんじゃないかと今まで思っていた。

しかし、「北斗四連弾」なんて呼ばれちゃあ話は別だ。
北斗を冠した時点でそれはもう奥義として扱うしかないじゃないか!

とはいっても絵を見る限り怒拳四連弾の場面ではないし、それどころか朝日をバックにした荒野の闘いという架空のシーンなので、基本的に別モンとして考えたほうがいいかもね。二人の攻防を見る限りでは北斗羅漢撃を撃退したシーンのようにも見えるけど。




その他にもこちら、究極奥義の北斗七死闘氣断さん。氣の字が違うな。
元祖「幻」の奥義だけあって、相変わらず全く性質がわからん技だ。
つかこの絵面だと拳王様が使ったように見えるな。





この百裂拳もなんとなくお気に入り。
パンフにも載ってるけど、これどこのシーンだよ。販促用かな。




こちらは別紙。
ハトオブとパーポーの歌詞とか。





内面にはストーリーやキャラクターの紹介が。






違います。

でも正直、知らん人には見分けつかんやろなあ。
どっちも薄幸ロング美女やし。





腹違い!?

え……っていうことは……
ケンとジャギの父親は一緒ってこと!?
いやいやまさかそんな……





あと設定資料集。
劇場版のは持ってないのでありがたい。








レコードは豪華二枚組。


しかしその中身は・・・
映画音声をノー編集でまるまる入れただけでした。

当時はビデオデッキも然程普及してなかったので、こういう音声だけのものでも十分実用的な商品だったみたいですね。そうなるとノーカットなのも当然なのかぁ。




【総評】

ジャケットのほうは中々の仕上がりだが、両方ともアニメ・映画の音源しか収録されていなかったのは残念。映像作品を音だけで楽しむっていうのは今ではなかなかキツいものがあるが、小さいときは音だけでも結構楽しめてた気もするなぁ。いろいろ想像膨らませたりとかして・・・。んで音だけ繰り返し聞いてるほうが台詞とかバッチリ記憶できたりするんだよなあ。うん、これはこれでアリかも。






★おまけ


「ドラマ編」というワクワクせざるをえないタイトルであったにもかかわらず、いざ聞いてみるとそれほど面白いものではなかったので、その消化不良の部分を補うためのオマケを紹介。

それがこちら。
先日、つぶやくヤツでその存在を知らされた謎のカセットテープだ。



日本コロムビアが発売している「コロちゃんパックシリーズ」に見紛えそうになるが、これはそのパチモンである「なりきりカセット」なるものらしい。バンダイ製。
なんかゴム人形とか、他にも「キャラになりきれるアイテム」なんかがオマケとして付属されていたそうな。北斗の場合は・・・胸の傷シールとかそんなかんじ?




有難くも音声ファイルを頂けたので早速聞いてみた。
A面から。


まずは超レアなケンシロウの自己紹介からスタート。お声は勿論神谷御大。
この時点でもう面白い。

「おれはケンシロウ
 古来より中国に伝わる一子相伝の暗殺拳、
 北斗神拳の伝承者だ」


これこれ!コロちゃんパックのもこんな始まり方だったよ!
キン肉マンのシリーズでよく聞いたよこういうやつ!


コロちゃんではこの後に喋ったキャラクターのキャラソンがはじまるのがお決まりの流れだが、聞こえてきたのは愛とりであった。
しかしそれは、クリキンより1オクターブ低い謎の声であった。


うむ、これはいわゆるパチソンというやつじゃな。
カヴァーというと聞こえは良いが、歌や演奏などが本家よりもかなりチープな上、そもそも歌ってるのが誰かサッパリわからんというのがパチソンの特徴じゃ。
昔、B'zのカセットテープを買ったら誰のともわからん太陽のkomachi angelが入っていて死にたくなったのはよき思い出じゃ。


この愛とりの歌い手も大倉正丈氏なる全く存じ上げぬ方であったが、検索してみると、なんとあのこおろぎ'73のボーカルを務められた人物であることがわかった。
「おじゃまんが山田くん」とか「ドテラマン」とか「悪魔くん」とか、儂の大好きな曲ばっかりやんけ!全然気付かへんかったわ!まあCha Chaとかいうホンマに知らん女性の人も一緒に歌ってはるから、それがノイズになってた所為かもしれんけど。


しかしまあ・・・なんというか・・・ハッキリ言ってこれはひどい。並のパチソンでももうちょい聞けるものだが、これはちょっとない。というか面白すぎる。腹いたい。

歌が下手と言うより、この人達の声とか歌い方が曲と相性悪いんだと思う。イメージに合ってないんだわ。特に大倉さんの歌い方は全然しゃくりあげが無いから、なんか香港スターが歌ってるように聞こえるのよね。あっちのほうの国で作られた実写版北斗の拳の挿入歌として流れてても違和感無いだろう。こっちのパチソンとか、らきすた版なんかよりも遥かに面白いわ。御本人達にとっては本意ではないだろうけども。




そんな抱腹絶倒の1番が終了すると、再びキャラ達のおしゃべりタイムに。
これもコロちゃんパックと同じ流れだが、こいつの本領はここからだった。
なんと間奏の間だけという数秒の喋りなどではなく、一旦曲をストップさせてショートストーリーを始めやがったのだ。
何故1番と2番の間に・・・曲終わってからじゃ駄目なのか?



ここで登場するはリン&バット。お声はもちろん懐かしいダブル鈴木のお二人。
腹を空かせてイラだつバットは、貴重な水をペルに与えるリンに更にイライラ。
「野うさぎでも探して来い!」とペルに乱暴をはたらくバット。うーんド畜生。
しかしそのペルを追っていった先で、リンは悪党に捕らわれてしまう。(ここまでテンプレ)
リンの命と引き換えに食料と水を要求する悪党(CV.戸谷公次)。
それでも頑として言いなりになろうとしないケンシロウに対し、悪党が見せてきたのは
血の十字架(ブラッディークロス)の紋章であった。

「KING様軍団のこのマークが見えねぇのか」

むう、軍団名でボスの名前を呼ぶときですら「様」をつけるとは中々の忠義心よ。
ていうかブラッディークロスの紋章を身に着けてるKING軍団員なんてみたことないぞ。もしかして軍団の中でも可也の重鎮だったりするのかな?



まずは手付け金とばかりに、ペルを携帯食にしようとした悪党に対し、急に愛犬家魂を爆発させ、服をビリビリするケンシロウ。顕になった七つの傷を見て、ようやく相手がケンシロウであることを知った悪党は、自慢の武器を取り出す。

「野郎!南斗聖拳のヌンチャク、受けてみろー!」

南斗聖拳のヌンチャク!?
武器と南斗聖拳の融合はロクなことにならないとあれほど!


いやでも待てよ、これをあのしょーもないアニオリ南斗と同じに扱うのは早計かもしれん。なんせあの六聖拳の一角を担うユダもヌンチャクの修行してたくらいだしな。



そんな私の予想に応えるかのように、「へぇ〜い」とか「へあちょーい」とか言いながらケンシロウとそこそこ渡り合う南斗産ヌンチャク。しかしケンシロウの攻撃によって武器は破損。為す術無くなった悪党に、ケンシロウの裂帛の拳が叩き込まれる。


「あ〜たたたたたっ!わたぁー!
 北斗百裂拳!」


ピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシ 
ピシピシピシピシ 蚊ほども効いちゃいねえぜ〜 ピシピシピシピシ 
ピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシ 



字にするとなんのこっちゃわからんので説明すると、あたたたーって叫んで技名言った後にピシピシピシという殴る効果音が流れてきたってことです。
遅ぇよ


そんな衝撃すら置き去りにする光速百裂拳で、秘孔頭顳を突かれた悪党は、ひでぶと爆死するのであった。

頭維って……記憶を消す秘孔じゃなかったっけ…?




そして流れてくる2番のイントロ

バット「やったぁ〜!」
リン「ケーン!」
CHA CHA「ゆわっしゃぁ〜」

やめてお腹痛い





曲終了後にはカラオケバージョンも収録されていた。
だがその前に今一度ケンさんからのお言葉が。


「俺は悪い奴は許さない
 さ!俺の歌を歌ってくれ!」


お前の歌だったの?
まあ指先一つでダウンとか言ってるし、それでもいいけど


「そして、一緒に旅をしよう!」


あ、大丈夫っす・・・








続いてB面

A面同様、ケンさんの「ユリア、どこにいるんだ・・・」とかいった女々しい台詞から始まり、これまた鉄板で面白い「ユリア・・・永遠に(パチソン)」へと続いていきます。


そしてやっぱり1番終了と同時に、小芝居がスタート。

今回はケンシロウがリンバットを連れて師の墓参りに来たと言う設定。
ちゃんと墓石が壊れてる辺りに作品への愛を感じる。
鐘の音と共にリュウケンがイントヨーとかアトウンとか言いながら北斗南斗の関係を説明。声は先ほどのヌンチャ君に続き戸谷氏が担当。アニメでも若年期のハゲの声は戸谷氏だから、これはいい配役だ。

しかしケンさん、シンに負けてから1年間ウロウロと行方を追った結果、またこのスタート地点に戻ってきちゃったのね・・・。本当に何の目星もなく旅してたんだな。

暗記した北斗神拳の知識をひけらかした後、ケンに村へと戻ろうと催促するバット(村ってどこやねん)。しかしケンは、サザンクロスを探し出し、ユリアを取り戻すという目的を果たすまで、この旅をやめるわけにはいかなかった(当たり前)。
だが相手は南斗聖拳のシンの軍団。いくらケンが強くてもいずれは殺されてしまう・・・。そう憂うバットに対し、ケンは答えた。今日より明日。かつてのような緑ある世界を取り戻すため、俺はシンの軍団を倒さねばならないのだと。
本当にそんなこと考えてるか?ユリアの事しか頭にないだろ?


そして2番が終了し、こちらもカラオケバージョンへ。
それではケンシロウさん、〆のお言葉お願いします!!



「君も探してくれ!サザンクロスを!」

いやだよ。


そして歌ってくれ!ユリアの歌を!」


だからいやだって。











グッズレビューTOP